第3話 クリスの夢
「いたたたたた。ふわー」
バインが昨日よりつらそうで超眠そう。
一方の私は。
「ほらしゃんとしてよ!ダンジョン行くわよ、ほら早く準備して!」
超元気だ。眠気もない。
「おまえなあ、一睡もしてないんだぞ。今日は休もうぜ」
「宿にいるならベッドでもう一回戦行くわよ、どっちがいいの?」
「・・・。ダンジョン行くか」
今日も混んでる受付を通ったあと、一つ一つ階段を降りて行く。
一回行ったら次そこから、みたいなのはない。
それでも今日は第4層に入った。
バインは第3層にしたかったみたいだけど私のわがままで第4層にした。
「クリス、無理はいかんぞ。本当に体を壊すからな」
「大丈夫、全く疲れがないの。もちろん今日は倒れない程度でやめるつもり。昨日は悪かったわ。連れ帰ってくれてありがとね」
「・・・。まあ俺が管理するさ」
ほら早速Cランク上位のアイアンゴーレムが出てきましたよ。
でも今日は一体だけ。
「Bランク並みのブーストで行けるわね。お願い!」
「オーバーブースト」
“カキン!”
おっと弾かれた。さすが“アイアン”
でもーー、関節に一気に切り込む。
数か所切り裂いたら倒れた。動かない。ふふ、勝った。
ブーストが切れる。
快感が昨日よりすごい。また足がけいれんしている。
でも今日は倒れない。・・・ギリギリか。
「今日はこれだけ回収して帰りましょう」
渇望感と絶頂感をごまかしながら帰路についた。
自分で何とか歩けるけどちょっとつらい、腕につかまらせてもらった。
――
冒険者ギルドで換金していると緊急クエストが入った。
少し離れているが近隣の村でBランク中位のフォレストキングベアが出ていて困っているらしい。
村人も何人か犠牲になったそうだ。
「私、こういうのが夢だったの。人の役に立つため、害をなす強い魔獣を倒したい」
「あのなあ、Bランク魔獣だぞ。ブーストなしじゃ勝てんだろ」
「・・・」
私は沈黙。
「ブースト頼りか?」
「そうだけど、夢だったんだ、一度でいいから協力してよ」
「何匹いるか知らんが今回は一匹だけだぞ。お前が強くなればいくらでもできるようになる。いいな」
「うん、絶対守るから、サンキュー」
バイン、私をみて「こいつ大丈夫か?」って顔してる。
ーー
次の日、ギルドの馬車に同乗して、討伐希望の冒険者5人で現地に向かう。
一日かけて到着したそこは、家が破壊され、木々が倒れ、畑が荒らされた酷いありさまだった。
「バイン、来てよかったでしょ。これをほっといたとあっては冒険者の名が廃るわよ」
「俺はそういうんじゃないんだけどな」
「いいから、今からこの素晴らしい仕事して、人の役に立つ達成感を思い知るがいいわ」
「ホントどうでもいいが、無理はするなよ」
「うん、わかった善処するわ。ありがと」
「それ、無理する気満々の時の返事じゃねえか」




