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無能のレッテルを貼られた俺、女戦士たちを強化して魔物討伐していたら魔王に目をつけられた  作者: 積と和〝


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第16話 港湾都市ファンメル

3日後に自宅から出発した。もうお決まりのように今回も二人だ。

ギルドに借りた馬車を俺が操る。馬車を借りられたこと、これだけでもクエストにしてもらった意味がある。


スーキニ南方連合国は隣国とはいっても、まずは広大なこのパルスメナ王国を縦に突っ切る必要があるので国境まで馬車でも一週間はかかる。


急ぐわけではないので無理はせず、景色を楽しみながら南下し続けた。

国境を越えてからも連合国の南東部、海岸地域に向かう必要がある。

王国ギルドのアドバイスを受け、一旦首都のフランに立ち寄り、ギルド本部に挨拶してから現地に向かった。フランでは無料で補給と地図がもらえたので立ち寄った価値は確かにあった。


グレイブを出てから10日目、ついに現地“港湾都市ファンメル”に到着する。


海の近くまで丘が迫る、港湾の美しい町並みが広がる。

「海、初めて見たわ」

クリス。


「俺もだ。王国にも海、あるのにな」

2人で笑った。

しかし、街や港、丘の木々に不自然な破壊、崩壊が見られる。

港の規模の割に船もほとんど停泊していない。


地元のギルドに寄って話を聞いた。


「もう、ここ半年はこんな調子だよ」

ジッとこちらを値踏みするようにみながら受付の男は言った。

「パルスメナ王国じゃ英勇扱いだそうじゃないか、ドラゴンを2頭倒したとか。だが、今回はフェニックスが10匹以上。まだ倒せたのはわずか1匹だ。もう諦めムードさ」

「俺たちだって何匹倒せるかわからんさ。まあ1匹でも多くってところだ。せいぜい死なないようにやるさ」

「あたしは全部倒す気で行くけどね」

クリスはそうだろうよ。

「まあ、せいぜい期待させてもらうさ。こちらから提供できるのは奴らの巣があると思われる場所の地図、10日分の食料、宿の紹介ぐらいだ」


ーーー


紹介された宿に荷物をおいて2人で街へ出た。

フェニックスが荒らしたせいで街に活気はないが、美しい街並みと多少の商店は開いている。


俺はクリスの剣が気になっていた。

ドラゴン討伐後にもらった金で新しい剣は購入していたが、今回敵の強さや数を考えると心もとない。

街の中心にほど近い、立派な石造りの武器屋に入ってみた。


「フェニックスを倒す冒険者?王国からかい。そりゃご苦労だ。しかし剣だけで倒すのは無茶だろう。相手は本当に強く賢いらしい。数の面でもキツイぞ」

店主が本気で心配してくれる。


「わかっているが放っておけない、と、こいつが言ってる」

バインはクリスの頭を撫でながら言った。


「はあ、女冒険者か。可愛い顔して強いのかもしれんが、死んだら元も子もないぞ」


「うん、ありがと。気をつけるね」


ーーー


次の日、俺は新しい剣を持ったクリスと共にフェニックスの巣があるとされる山岳地帯に入った。

途中からは険しすぎて馬車が登れないから歩きだ。

敵さんは空飛べるから楽だろうが、こっちは山道を4日も歩かされた。

なるほど、10日分の食料が支給されるわけだ。


現場には確かに、フェニックスの群れがいる。なんとも壮観だが、これが味方なら言う事ないんだが。

「さあ、行くわよバイン」


「ああ、あれを見ていけるのか。10羽以上いるとは聞いてたが、成鳥だけで20以上、幼鳥も10羽くらいいるぞ。フランの街は子育ての餌場になってるって事だな」


「どうでもいいわ。全部狩るわよ。トリプルS級でお願いね」


「だめだ、身体がもたん」


「死ぬよりいいでしょ」


「……」

俺はぐうの音も出ない。

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