第10章 マイホームとベッド
「これかあ」
「これなのねえ」
「どうですか!すごくないですか。庭は広いし部屋数は6もあります。お子さん作り放題ですよ。あとこちら見てください。プールまでついてます」
なんかいつものように受付嬢が一番興奮している。
「それはいらんな」
「私もそれはいらないわ」
「ええ、何でですか。ここ買ったら泳ぎに来させてください。あ、あと、ご要望のお風呂ですがこちら来てください、広いんです」
「おお、なんだこれは、広すぎかもな」
俺が言う。
「いいじゃないですか、泳げますよ、買ったら泳ぎに来させてください」
受付嬢、どんだけ泳ぎたいんだよ。
「ああ、まあいいぞ、プールで泳いで、帰る前に風呂できれいになって、うんいいかもな」
「ほんとですか?ほんと来ちゃいますよ」
「まあ、風呂入るときは俺と一緒だぞ」
「もう、冗談は顔だけにしてください。あははは」
お客によく言うなこいつ。
「どうだクリス、雨でも剣の素振りができる天井の高い広い部屋もある。まあまあじゃないか」
「うんいいかも。でもねえ、ちょっと商店街から遠いのと、裏が墓地なのと、すこし古いのが気になるわ」
「そうですね。ギルドは近いですが、商店街は10分ほどありますね。墓地はすみません、どうにもなりません。修繕、できますよ!有料ですけど」
「で、この家おいくらですか?」
「はい、ずばり、修繕費込みで大金貨45枚です」
なんか芝居染みてる。ん?
「え、安い、なんで?」
「はい、古さが一番です。ここは修繕で何とかしましょう。あとは先ほど指摘のあった商店街など中心部からの距離です。そこはお値段に出てきます」
結局ここにした。
中心部に行くとこの倍だしても庭付きは買えないらしい。
ーーー
一か月後、改装も済んで、家具も入りいよいよ住むことになった。
「いいじゃない、家具が入ると違うわね」
「ああ、でもこれはすごいな」
寝室のベッドを見て感心する。
「確かにでかいわね。部屋が広いと家具までやりたい放題ね」
「ああ、でも本当にベッド一台でよかったのか?」
「どうせ宿でも一つしか使ってなかったんだから同じじゃない?これは広いし」
「こんにちわー、お世話になってまーす。ケイトちゃん来ましたよー」
この家の販売担当してくれたギルドの受付さんだ。
ケイトっていうんだな。
「おう、よく来た。引っ越し祝いか?」
「うん、私担当させてもらったからお祝い持ってきたよ。これは本当のプレゼントと、もう一つ、これはついでのプレゼント」
「ついで?」
「おめでとー、ランクアップだよ。クリスさんはB、バインさんはDでーす」
「クリス凄いな、お前」
「ええー、うんうれしい。ツーランクかもって言われてたから期待はしてたけど」
「いや、時間がかかってごめんだけどスリーランクアップも検討されてたんだって」
――なんですと!
「おおー」
ケイトが大型ベッドを見つめて固まっている。
「俺と寝るか?」
「もう、冗談は顔だけって言ったでしょ! あいたっ」
二回目なんで頭を叩いといた。
「もう冗談ですよー。バインさんそんなことばっかり言ってるとクリスさんに嫌われますよ」
「大丈夫だ、もう嫌われてるからな」
「それ大丈夫じゃないですから」




