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いい匂いと青い鳥と魔法の話  作者: かわいかつひと


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後方支援の魔法

「マチルダさん、聞いていいですか」

シャーロットが言った。

「どうぞ」

「戦場で治癒魔法を使うとしたら、どう動けばいいと思いますか」

マチルダが少し考えてから言った。

「私も戦場に行ったことはないから、あくまで考えですけど」

マチルダが続けた。

「後方支援が基本だと思います。傷の手当は早ければ早いほど命を失う可能性が減ります。補給部隊と一緒に動くのが良いのではと思っています」

「補給部隊と一緒にですか」

シャーロットが頷いた。

「ただ」マチルダが続けた。

「補給部隊を叩くのは戦術としてよくあります。だから身を守る術も必要になるかもしれません」

「それじゃあ、どうすれば....」シャーロットが少し考えた。


「そっか!レント兄様が使っている瞬間移動みたいなのがいいかもしれません」

シャーロットが勢いよくそう言った。

「瞬間移動」マチルダが目を丸くした。

「そんなものがあるんですか」ガイアが言った。

「あるんですか」ハウエルも身を乗り出した。

「あ、また言っちゃった」シャーロットが口を押さえた。


シャーロットに連れられて、3人がソラのところに行った。

『魔法はイメージさえできれば顕現できます』ソラが言った。

「魔法はイメージできればなんでもできます」レント通訳。

『おそらくですが、これまで魔法は大したことができないと思われていただけでしょう。ただ、確かに保有魔力は少ないです。その量で顕現できればですが』

「ただ保有魔力が少なくて出せない可能性も高いです」

「そういうことですか....」ハウエルが呟いた。

「やってみましょう」ガイアが言った。


全員で試してみた。

できなかった。

何度やってもできなかった。


『やはり顕現するための最低限の魔力量があるようです。瞬間移動などは難しいのかもしれません』ソラが言った。

「今の皆さんでは足りないようです」

レントが意訳する。

「そうですか、残念です」マチルダが少し残念そうだった。

「他のアイデアを考えましょう」ハウエルが言った。


次に出たのは服の硬化だった。

「一瞬だけ服を硬くすれば、攻撃を防げるのではないか」

ガイアが言った。

試してみた。

それはできた。

「おお」ガイアが自分の袖を触った。

「確かに硬い」

「ただ」ハウエルが言った。

「これは瞬間の判断が必要です。攻撃が来ると気づいてから発動するのでは遅い」

「戦士には有効でしょうが、このメンバーには少し難しいですね」

ガイアが言った。

「しかし練習次第では?」マチルダが言った。

「そうですね。続けてみましょう」


空を飛ぶことも考えた。

「高いところから状況を見渡せれば、どこに治癒が必要か判断しやすそう。逃げれるし」シャーロットが言った。

『理論上は魔力補給が安定すれば飛び続けられます』

ソラが言った。

「受けば飛べれると考えてもいいかもしれませんね」

試した。

少し浮いた。

でも高くは上がれなかった。保有魔力が足りなかった。

「速く飛ぼうとすると風の抵抗で目が開けられないかも」

マチルダが言った。

「それは困りますね」ハウエルが言った。

「今のところは難しいですが可能性は広がりそうです」ガイアが言った。


夕方になった。

まだまとまらなかった。

でも試したことは多かった。

「続きは明日にしましょう」

ガイアが言った。

全員が嬉しそうに頷いた。

シャーロットが言った。「でも楽しかったです」

マチルダが笑った。

「私もです。ありがとう、シャーロットちゃん」

「シャーロットと呼んでください。マチルダさん」


「可能性しか感じません。今まで何をしていたんだろうと後悔してしまいそうです」

ハウエルがため息混じりにそう言った。

「ハウエルさん、私も最初はそう思ったものです。お互い頑張りましょう」

ガイアが言った。


シャーロットがガイアとハウエルを見ながらマチルダと目を合わせる。

シャーロットがマチルダの袖を引っ張って何か言った。

「まだ言っちゃダメよ、シャーロット」

「えー、そうなの?」

「そうよ。どちらかが言うまではね」

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