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いい匂いと青い鳥と魔法の話  作者: かわいかつひと


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シャーロット先生

シャーロットが部屋に来たのは朝食の後だった。


「ルイーズさん、散歩しませんか。庭を案内したいんです」

「ええ、喜んで」

二人で庭に出た。


広くて綺麗な庭だった。

木が並んでいて、奥に小さな池があった。


「きれいな庭ですね」

「私、ここが好きなんです。よくここで魔法の練習をしています」

「そうなんだ」ルイーズが少し目を丸くした。

「シャーロットは魔法が得意なの?」

「得意かどうかはわかりませんが、好きです」

「私は学園で魔法をあまり勉強しなかったわ。剣だけでなんとかしようと思っていたから」

「魔法に興味出てきたんですか」

「ええ。でも何から始めればいいか」


「教えましょうか」シャーロットが言った。

「....そうね。いいかも」

「もしかして、レント兄様から教えてもらう予定でしたか?」

シャーロットが笑顔でそう言った。


シャーロットが手を伸ばした。

光が灯って、形が変わっていく。

そして蝶になった。


「そんな話をしていたわ。それにしても、きれいね」

「ありがとうございます」


しばらく話しながら歩いた。

「治癒魔法も習っているんですよ」

シャーロットが言った。

「治癒魔法?そんなのあるの」

「ガイアさんたちに教わっています。外傷がすぐ治せるんです」


ルイーズは少し立ち止まった。

「それは、すごいわね」

「あ、もしかして言ってはいけなかったかも」

シャーロットが口を押さえた。

「でも言っちゃったからいいか」

「いいの?聞かなかったことにするわよ」

「ルイーズさんなら大丈夫だと思います。あと、孤児院にも教えに行っているんですよ」

「へぇーすごいわね。孤児院に」

「はい。子供たちも覚えられるんです」

私は少し考えた。

「それが広まれば、戦場でも使えますね」

私も初代勇者のように生き残れるのかもしれない。


シャーロットが勢いよく頷いた。

「そうなんです。だからルイーズさんにも知ってほしくて」

「ガイアさんのところに行ってみましょう」


ガイアたちのところに着くと、ハウエルがいた。

「あら、ルイーズさんもいたのね」

ハウエルが言った。

「先生、どうしてここに」

「昨日から来ているのよ。魔法の勉強をしています」


「先生がですか」

ルイーズは少し気まずかった。

学園で魔法の授業をほとんど真剣に受けていなかったことを思い出した。

そのことを素直に言ってみた、そうするとハウエルが笑いながら言った。

「大丈夫よ。こういう場所で実物を見れば興味が出るものだから。それに今から考えれば学園で教えていた魔法は楽しくないわね」

「いえ、そんなことは...でも、ありがとうございます」

「ルイーズさんも一緒に学びましょう」


レントとソラが来た。

「ルイーズ、どんな魔法が使えそうか話そうよ」

そこにシャーロットが入ってきて、四人でどんな魔法が私に合うか話し合った。


「瞬間的な移動補助」レントが言った。

「短距離でいい。足に魔力を集中させて、一瞬だけ速くする」

「それは面白そうね」


「剣に風を纏わせるのも試してみましょうか」ソラが言った。

「両方やってみます」

そこでシャーロットが言った。


「ルイーズさんは、まず魔力の補充からです」

「え、ちょっと待って。魔力って補充できるの?」

「はい。空間の魔力を取り込む方法です。これを覚えると長く魔法が使えます」


シャーロットが私の手を取った。

「目を閉じてください。体の中の魔力が、どこにあるか感じますか」

「少し、感じるわ」何か動くものを感じる。

「その感覚のまま、周りの空気から少し取り込むイメージをしてみてください」

しばらく黙っていた。

何かが変わった気がした。

「増えた気がします」

「できましたね。すごいです」

シャーロットが言った。嬉しそうだった。

「本当に?」

「はい。ルイーズさんは素直だから、すぐできました。ほとんどの人は時間がかかります」


シャーロットが手を離した。

私はその手の温かさをまだ感じていた。


見返りもなく、ただ教えたかったから教えてくれた。

勇者でも何でもなく、ただルイーズとして扱ってくれた。

胸の中が温かかった。



部屋に戻る前に、シャーロットがレントを捕まえた。

「レント兄様、少しいいですか」

「どうしたの」

「ルイーズさんに治癒魔法のことを話してしまいました」


レントが少し考えた。

「そうか」

「怒ってますか」

「怒ってないよ。ルイーズならいいよ。でも今度からは相談してね」

「良かった」

シャーロットがほっとした顔をした。

「次からは絶対相談します」

「ルイーズは話しやすいだろ。シャーロットの判断は正しいと思うよ」

シャーロットが少し嬉しそうな顔をした。


私はその場面を少し離れたところから見ていた。

二人の様子を見ていると、胸の中が少し温かくなった。


帰り道、レントが隣を歩いていた。

「どうでしたか」

「すごく良かったわ」

「そうですか、それは良かったです。ちなみに何が良かったですか」

「ふふ、それは内緒」

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