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いい匂いと青い鳥と魔法の話  作者: かわいかつひと


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シャーロットの成長

ガイアからの手紙が届いたのは、学園に来て一ヶ月ほど経ったころだった。

丁寧な文字で書かれていた、ガイアらしいと思った。


孤児院の子供たちに魔法を教えてもいいかという内容だった。

マッシュが診察に通うなかで、子供たちが魔法の光に興味を持ち始めた。

自分たちも使えるのかと聞く子が出てきた。

才能のある子もいるかもしれない。


エレノア様にも相談したが、レント様の判断を仰ぎたいと。

レントは手紙を読んでソラに渡した。

『どう思う』

『難しい判断です』ソラが言った。

『この世界の常識を変えることですから』

『まず現状を見てきて欲しい。話を詳しく聞いてきて』

『わかりました』

ソラが姿を消した。



4時間ほどして戻ってきた。

『どうだった』

『エレノア様と話しました。ガイア様とも。子供たちはみな興味を持っています。

才能がなくてもできるかも見たいと』

『ガイアは何と言っていた』

『慎重にやるとは言っていました。外に漏れないように、孤児院の中だけで。

それと』

ソラが少し間を置いた。

『どこまで伝えるか悩んでいると言っていました』

『どういう意味』

『魔法の基礎は家庭でも学校でも学べます。ただ魔力の回復方法まで教えると、

概念が変わってしまいます。

社会が変わる可能性がある。しかし、教えてみたいと』

レントは少し考えた。

『シャーロットに教えるのが楽しかったのかな』

『はい、そうかもしれませんね。素直な方です』

『シャーロットはどうだった』

ソラが少し間を置いた。

『元気でした。レンさんのことを聞いていました』

『何て』

『ちゃんと食べているか、寝ているか、友達はできたか』

レントは少し笑った。

『お姉さんみたいだね』


返事を書いた。

ガイアへは孤児院の子供たちへの指導は進めてほしい。

ただし外には漏らさないこと。

どこまで教えるかはガイアたちに任せる。

判断を信頼していると。


父母へは、ガイアたちが孤児院で魔法を教えることを許可しましたが、

最終判断はお二人に委ねます。

問題があれば止めてほしい。

学園は順調ですと。

手紙を二通書いて、使いに頼んだ。


その夜、ソラに聞いた。

『シャーロットは魔法の練習を続けている?』

『はい。かなり上達しているようです』

『ガイアはどう言っていた』

『才能があると。ただ』

『ただ』

『シャーロット様は皆を癒したいとおっしゃっているようです。

領民も含めて。それが家族会議になっているようです』

『そうか、僕は今のところ反対かな』

『エレノア様は賛成、エドワード様は慎重です。広めることへの警戒と、

シャーロット様を守ることへの心配が混在しているようです』

レントは天井を見た。

『休みに帰ったら話し合おう』

『はい』

『シャーロットのことは』

『私から伝えておきましょうか』

『うん、待っていてほしいと。帰ったら一緒に考えると』

ソラが消えた。


シャーロットが庭に出ていて魔法の練習をしていた。

ソラがシャーロットの肩に乗った。

シャーロットは気づいていない。

手に光を灯した。消した。また灯した。


「とても上手になりました」ソラが言った。

「あ、ソラちゃん。また来てくれたの」

「はい。レンさんからの伝言を持ってきました」

「レント兄様から」シャーロットが目を輝かせた。

「何て」

「待っていてほしいと。休みに帰ったら一緒に考えると」

シャーロットが少し考えた。


「領民を癒したいのは本当なの。でも父上が心配されていて」

「どんな魔法が使えるようになりましたか」

シャーロットが手を伸ばした。

光が大きくなった。形が変わって蝶の形になった。

「きれいでしょ」

「はい。そう思います」ソラが言った。

シャーロットが光の蝶を飛ばした。

庭を漂った。

「ソラちゃんは何のために魔法を使いたい」

ソラが少し間を置いた。

「レンさんのためです」

「それだけ」

「それだけです」

シャーロットが光の蝶を消した。

「私は皆のためにしたい。それが私のやりたいことだと思うの」

シャーロットが言った。


「でもお父様の言う通り、難しいのかな」

「レンさんが帰ってきたら、一緒に考えましょう」

「魔法が楽しければ、それだけやっていればいいです。余計なことは考えないで」

ソラが言った。

「そうね」シャーロットが頷いた。

ソラが羽を広げた。

「また来ます」

「うん」シャーロットが言った。

「ありがとう、ソラちゃん」

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