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選ばれし子供

扉を開けると、全員がいた。

父のエドワード、母のエレノア、兄のレナード、妹のシャーロット、

アンナを含む使用人が三人。

廊下に並んで、こちらを見ていた。


「レント」エレノアが一歩前に出た。「気分は」

「良いです」

「頭は」

「悪くないです」

「そうじゃないけど、まぁいいわ」エレノアが息を吐いた。

エドワードが腕を組んだまま何も言わなかった。

レナードが「木から落ちるとは情けない」と言った。

シャーロットがレナードの腕を叩いた。

全員の視線が、僕の肩に集まっていた。


ソラが小さく羽を動かした。

『レンさん』ソラが日本語で言った。『全員こちらを見ています』

『わかってる、さっきから見られてたよね』

『どうしますか』

『ちょっと待って適当にごまかすから。とりあえずソラは日本語だけ使って』

全員がまた固まった。

何を言っているのかわからない顔をしていた。


「え、っと」レントは家族を見た。「友達になりました。治してくれたみたいです」

「友達。治してくれたと....」エドワードが繰り返した。

「あなた、精霊様じゃないかしら」

「ふむ、(にわ)かには信じがたいが、確かに神々(こうごう)しさを感じる」

「兄さん、精霊様なの?」シャーロットが尋ねる。


『ソラ、どうしよう。なんかいい案ない?』

『精霊の定義が私にもまだわからないので、よくわからないでいきましょう』

ソラが言った。

「兄さん。何を喋ってるの?不思議な言葉ね」

「うん、急に話せるようになったんだ。友達になったからかな』

「精霊様と友達になった」レナードが言った。

「まずはお礼を。レントを救っていただきありがとうございます。

そのように伝えてもらえるか」父が言った。

『レンさん、言葉がわかることにしますか?わからないことにしますか』

「お父様の言葉を聞いて喋った」シャーロットが言った。目が丸くなっていた。

「父上、言葉は理解できるそうです。感謝は伝わりました」

『ソラどうしよう、収まりそうにないよ』

『そうですね、少し消えましょう。近くにはいますので』

ソラがいなくなった。

皆が驚いている。


「いつでもきてくれるそうです」

「少し休んでいいですか」

「え、ええ、そうよね。目が覚めたばかりですもの。また呼んでちょうだい」

「母上、ありがとうございます」


ひとりになってから、しばらくしてソラを呼んだ。

『みんなが何を話しているか聞いてきて』

『はい』


別室では。

「昔の書物に出てくる」エドワードが言った。

「精霊に選ばれた者の話が。何百年も前の話であるが」

「レントが選ばれた、ということですか」エレノアが言った。

「まだ断定するのは早いかもしれないが」エドワードが言った。

レナードは何か言いたそうだ。

シャーロットは目を輝かせながら言った。

「レント兄さんはとてもいい匂いがするから、気にいられたのよ」

エレノアが頷いた。「私もそう思っていました」

エドワードも頷いた。

使用人たちも頷いた。全員が頷いた。


「とりあえず国王に報告の必要はあるかもしれない。

しかし、まだよくわからないことも多い。しばらくは口外せぬように頼む」

エドワードはそう言ってその場を収めた。


『レンさん、神様に頂いた、いい匂いで私が付いたと思われてます』

『そう言えば、言っていたね。貴族次男への転生、ソラをパートナーとして帯同、

いい匂いがする』

『精霊はいい匂いに誘われて加護したで良いのでは』

『それはそれでいいとして、勇者と同じの5倍の身体能力はもらえなかったみたい』

『なぜそう考えるのですか?』

『毎日、剣術の訓練していたけど、レナード兄さんとそう変わらないから』

『そう考えると、魔族と戦うのは無理じゃない?』

『その辺りは情報収集した後考えましょう』


シャーロットがドアを開けてこちらを見ていた。

「ねえレント兄様、精霊様のお名前を教えて」

「ソラだよ」

「ソラ」シャーロットが繰り返した。「綺麗な名前」

ソラが現れてシャーロットの肩に乗った。嬉しそうだ。

シャーロットが頭を撫でようとしたら触れなかった。

「あれ、兄様。ソラ様に触れません」

『レンさん、言っていませんでしたが私はこの世界のことわりから外れているようです』

「うん、シャーロットだけじゃなく、誰も触れないって言ってるよ」

「そうなの、残念。でも本当に綺麗ね」

「うん。ソラもシャーロットのことは好きみたいだよ」

「本当!嬉しい。また会いにきていいかしら」

シャーロットは母に報告に行くみたいだ。


『精霊の加護をうまく利用しましょう』

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