クラス分け
朝、窓の外が明るくなる前にソラと話した。
『ソラ、一度魔族領に行ってもらえる?』
ソラが少し間を置いた。
『偵察ですか』
『言葉を覚えてきてほしい。あとどんな場所か。なぜ攻めてくるのかも全然わからないから』
『いつ行きましょうか』
『それを相談したくて』レントは天井を見た。
『学園が始まるし、しばらくは難しいかな。でも早い方がいい気もして』
『休みに合わせるのが自然だと思います。それまでは図書室で調べておきます』
『なぜ攻めてくるんだろう』
『わかっていません』ソラが言った。
『言語があるということは、意思疎通ができる可能性があります。なぜ攻めてくるのか分かればいいのですが』
『そうだね』
ソラが続けた。『言語は、ある程度の期間を過ごせば理解できます』
『どのくらい必要?』
『言語だけであれば一週間もあれば。長ければ長いほど情報は集められます』
窓の外が少し明るくなっていた。
『レナードさんとの訓練の時間ですね』
その日、学園では会議が行われていた。
クラス分けの結果をまとめる会議だ。
ハウエルが口を開いた。
「魔法から報告します。今年は全体的に水準が高い。特に優秀だったのは三名。フィオナ・ハート、九十四秒。
カルヴィン・レント、計測不能」
「計測不能とはどういうことですか」別の教官が聞いた。
「終わりませんでした」ハウエルが言った。
「全員の試験が終わるまで続けていました。その間、色や形を変えて遊んでいましたが」
「つまり、どういうことですか?」ひとりの教師が聞いた。
「そんなことができる人間はいないと言うことです。才能なのか、我々が知らない知識があるのか。
それとも精霊に加護されているからなのか」
しばらく沈黙があった。
「続けてください」学園長が言った。
「もう一名、ジャン・ベルナール。平民の推薦枠ですが魔法適性が高い。三十八秒ですが伸びしろがあると見ています」
次にグレイが口を開いた。
「実技の一番はルイーズ・マルタンだな。勇者と言われるだけはある。
学園と言わず国内に勝てるものはいないだろう」
「他はどうでしたか」
「ヴィンセント・アーノルド、ヴィクターの息子らしいな。
パワーならルイーズより上だ。
体力もありそうだ、鍛えがいが一番あるな」
「あとはカルヴィン・レント、センスはある。レナードの弟と聞いて納得した。
他はレビン・オーラはまぁよかったな。」
学園長が頷いた。「ではルイーズ・マルタンとカルヴィン・レントとフィオナ・ハートはAクラスにしましょう」
「ヴィンセントは他が悪すぎます、Bです」
「それ以外の生徒は平均点で順番に分けていきます」
それから数時間後
「学園長、アメリア王女がBクラスになってしまいますが、いかがいたしますか?」
「困った王女様です。構いません、Bクラスにしておきなさい」
結果が張り出される前日の夜、ソラが言った。
『アメリアを誘いに行ってみてはどうですか』
『一緒に見に行くということ?』
『発表を見る反応を見てみるのも良いかと思います』
レントは少し考えた。アメリアがAクラスに入ることは確実だと思う。
一緒に見に行って違うクラスだったら、どんな顔をするだろう。
『誘ってみるか』




