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織女し 船乗りすらし まそ鏡
十年七月七日の夜に、独り天漢を仰ぎて聊かに懐を述べし
一首。
※十年七月七日:天平10年(738年)。大伴家持は数え年で21歳。内舎人として宮廷に仕えた年。この年の七夕に、聖武天皇が西池の宮に御して吉備真備らを召して、漢詩宴を開催している。(大伴家持は、まだ身分が低いので、召されてはいない9
織女し 船乗りすらし まそ鏡 清き月夜に 雲立ち渡る
(巻17-3900)
右の一首は、大伴宿祢家持の作。
今まさに天の川では、織姫が彦星の迎え船に乗り、漕ぎ進み始めたようです。清らかな月夜に、その漕ぐ波が雲となり、広がり始めているのです。
この歌の場合は、珍しく織姫が彦星に逢いに行くとの設定。(中国方式)。
西池宮で催された漢詩宴を意識したのだろう。




