1165/1385
海人娘子 いざり焚く 火のおほほしく
海人娘子 いざり焚く 火のおほほしく 角の松原 思ほゆるかも
(巻17-3899)
※角の松原:「角」は、兵庫県西宮市松原町津門の海岸。「松原」の「松に」自分を「待つ」妻の意味が含まれている。
海人と少女たちが焚く漁り火は、ぼんやりと霞んで見えています。
そのぼんやりとした火と同じように、家でぼんやりと私を待つ愛しい妻のことが、思われてならないのです。
本当は、早く家に帰って、はっきりと妻の顔を見たいと思う。
しかし、まだ旅の途中。
海人と少女たちが焚く漁り火の。ゆらゆらとしたぼんやりさに、寂しげな妻の顔を思ったのかもしれない。




