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こと酒を 押垂小野ゆ 出づる水
こと酒を 押垂小野ゆ 出づる水 ぬるくは出でず
寒水の 心もけやに 思ほゆる 音の少なき 道に逢はぬかも
※こと酒:「 押垂小野」にかかる枕詞。格別な酒の意味もある。
※押垂小野:所在未詳。岩を垂れて流れる滝のある場所らしい。
少なきよ 道に逢はさば 色げせる 菅笠小笠
我がうなげる 玉の七つ緒 取り替へも 申さむものを
少なき道に 逢はぬかも
(巻16-3875)
押垂小野から湧き出る水は、生ぬるくはありません。
すっきりとした冷たく美味しい水のように、私の胸に、貴方の声が爽やかに涼やかに聞こえて来る、邪魔な人たちがいない、そんな秘密の場所で、貴方に逢いたいと思うのですが。
(確かにそう思います)邪魔な人たちがいない、そんな道で、貴方にお逢いできるなら、貴方様ご愛用の菅小笠と、私の首に掛けた大切な七連の玉飾りと交換ができますのにね。
本当に邪魔な人たちがいない道で、逢うことができないでしょうか。
前半が男性からの声かけ、後半が女性が応えた歌とされている。
歌の雰囲気が若いので、男の子と女の子かもしれない。




