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ハルちゃんは、俺。  作者: 家宝ダンゴ


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17/22

俺、刈られる。

ママはペットショップのスタッフと話を終えるとキャリーケースを開け、春輝を抱っこした。


『ママ、トイレ行っといた方がいいらしいぞ』


「ハルちゃん、それじゃあ頑張ってね」


ママはスタッフに春輝を渡すと手を振って帰っていく。

春輝は耳を下げてママを見送った。


『俺、別に平気だし……』


尻尾もしょんぼりと足の間に埋まっていた。


女のスタッフが春輝に声をかける。


「ハルちゃん、こんにちは」


「可愛くするからね」


春輝はスタッフに抱っこされたまま、お店の奥に連れて行かれるのだった。




春輝は銀色の囲いの中に下ろされた。


『なんだ?ここ』


「ハルちゃん、お尻触るよー」


『えっ』


尻の穴周りを指でギュッと摘まれる。


『ひぇえ!おい!どこ触って……』


茶色い液体がぴゅっと出てくる。


『……くっせえ!』


「ハルちゃん洗ってくよー」


シャワーヘッドから勢いよくお湯が噴き出す。

春輝の臭い肛門腺も温かいお湯が流していった。


全身をお湯で濡らされると、春輝の大きさは半分になっていた。


『……なんか体が重いぞ』


スタッフが春輝にシャンプーをつけ、全身を泡立てていく。

シャンプーのいい香りがふんわりと上っていた。


マッサージするかのように丁寧に擦られていく。


『これ……気持ちいいな』


春輝は目を細めていた。

シャワーの温かいお湯が泡まみれのポメラニアンを洗い流していく。


春輝はドライヤーの風に当てられながら感心していた。


『プロってすげえな』


体が乾き、ふわふわになると春輝はムズムズと尿意を感じていた。

落ち着きなくテーブルの上の匂いを嗅いで、尿意を誤魔化そうとしていた。


『なあ、トイレ休憩ってある?』


「ハルちゃん、もしかしてトイレ?」


『分かるのか!』


スタッフは春輝を抱っこするとサークルの中に入れた。


『青じゃなくて白だけど多分これトイレだよな』


クンクンと匂いを嗅いで確認する。

腰を落とし一気に解放した。



「ハルちゃん、いっぱい出たね。我慢してた?」


『人のトイレ、覗くなよ!』


スタッフは春輝をひょいと持ち上げるとテーブルの上に戻した。


「カットしていくね」


ヴィィィン。

機械の音が響く。


『バリカンでカットするのか?』


スタッフは春輝の尻尾を上に持ち上げると、穴にバリカンを当てた。


『そ、そんなとこまで剃んのかよ!』


『なんか怖えぇ』


春輝はプルプルと震えた。


「ハルちゃん大丈夫だよ!サッパリするからね」


『そんなとこサッパリしたくねえ!』


『尻尾上げたら丸見えになっちまう』


容赦なくバリカンは刈り上げていく。

春輝は、素早く尻尾を両足の間にしまい、尻を隠した。


「お腹もスッキリしようね」


『腹もかよ』


両手を持ち上げられ、万歳のポーズで立たされる。

春輝の腹をバリカンが沿っていく。


『こんなに下まで剃ったら……俺の息子が丸見え……』


春輝は後ろ足に力を入れてぴょんぴょんと跳ねる。


『こんなとこツルツルなんて笑われる!』


ツルツルを回避しようとしたが、呆気なく無駄に終わった。


「ハルちゃん、ジャンプしてる!可愛い」


『……もう腹出して寝れねえよ』


春輝はがっくりと項垂れた。


シャカシャカと動くハサミの音。

子犬の春輝は体力の限界だった。


瞼はどんどん重くなり、春輝は夢の世界へ旅立っていった。


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