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ハルちゃんは、俺。  作者: 家宝ダンゴ


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10/13

俺、犬の首輪する。

遅めの朝ごはんを食べた春輝は、柔らかいタオルの上で仰向けで眠っていた。

大きくなったお腹が上下に動く。


「ただいま〜!」


元気な陽菜の声。

カチャカチャとランドセルを開ける音。


春輝は薄目を開けてぼんやりと眺めていた。


「ママ〜!お便りどうぞ!」


ランドセルから取り出した紙を振りながら渡す。


「陽菜ちゃん、ありがとう。おやつあるから手を洗ってね」


「はーい!」


パタパタと駆けていく陽菜の足音を耳を立てて聞く。


『小学一年生ってこんなに帰り早いのか』


大きくあくびをして体を伸ばす。

プルプルと体を奮うと全身の毛がふんわりと広がった。


『よし!陽菜と遊んでやるか!』



テーブルに座っておやつを食べる陽菜。

春輝はサークルの扉をカリカリと爪で引っ掻いた。


『陽菜!悪いが早めに食ってくれよ』


「ママ、今日ね、お友達とお絵描きしてね……」


「そうなの。お友達がたくさんできたのね」


『……ほらな!大丈夫って言ったろ!』


春輝はフンッと鼻を鳴らした。


「そうだ!ママ、ハルちゃんにあげてもいい?」


「いいわよ」


ママはフフッと笑いながら何かを取りに行く。


『もしかしておやつか?今日二個目になっちゃうぞ』


ソワソワとサークルの中を歩き回る春輝。

陽菜が扉のカギを外す。


カチャ。


ふんわりとした尻尾を大きく振りながら飛び出す春輝。


「ハルちゃん、おいで」


『お、なんだ?おやつか?』


テクテクと陽菜に近づく。


「じゃーん!」


陽菜の手にはヒモのような物が揺れる。

春輝は鼻をクンクンと動かしながら様子を見た。


「ハルちゃんの首輪だよ」


『首輪!?俺、人間だぞ?』


「付けてあげるね」


陽菜が慣れない手つきで首輪を巻いていく。

その間、春輝は大人しく胸を張って耐えていた。


カチッ。

軽い音。


「できた!ハルちゃんどう?」


『どうって自分じゃ見えねえからな……』


「すっごく、かわいいよ」


『そうか?ならいいか』


春輝はくるりと回って見せた。


「ママ〜!ハルちゃん首輪嬉しいって!」


陽菜は嬉しそうに春輝の体を撫でた。


「これでお散歩も行けるね!」


『おっ!ついに散歩デビューか……』


テクテクと玄関に向かう春輝。


「ハルちゃんの初めてのお散歩は今週末にしましょうか」


「うん!」


『今日じゃねえのかよ!』


春輝はおもちゃ箱からボールを取り出して陽菜に持っていく。

見せるように口で押してピッピと音を出す。


「ハルちゃん、今日はこれで遊びたいんだね」


陽菜は嬉しそうにボールを掴むと軽く投げた。

コロコロと転がるボールを春輝がパタパタと追いかける。


ママは嬉しそうに微笑みながらスマホであるワードを検索していた。


⦅ドッグラン⦆


「意外と近くにあるのね」



一方、春輝は何も知らずに舌を出して走り回っていた。


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