SR満州戦記3
昭和二〇年八月七日、ついに大日本帝国はポツダム宣言を受諾し、連合国に降伏した。連合国にとっては意外な急転直下の大戦終結だった。太平洋方面の主軍たる米軍は、フィリピン、硫黄島、沖縄と増大する日本軍の抵抗に、本土決戦は必至であり、激戦と甚大な損害は免れないものと覚悟していたからだ。
予想外の状況は、ソ連軍が侵攻した樺太と満州でも起きた。樺太守備の日本軍は逆襲し、ソ連領内まで攻め入った。満州の関東軍の抵抗も頑強で、撃退に成功するかと思われた。結局、米軍の満州領内への進撃と原爆投下があって、一五日に日ソ両軍は停戦した。ともあれ、あと一年は続くとされていた戦争の終結に連合国は安堵した。
早すぎる終結は連合国の準備不足を意味した。大日本帝国の解体と占領は既定事項だったが、その詳細計画は未定だったし、大東亜に大きく広がっていた日本軍の占領地については何も考えられていなかった。単に日本軍を武装解除し解散させれば済む問題ではない。日本軍の消滅は力と統治の空白を生む。すでに、ビルマとベトナムには独立政権が存在し、インドネシアでも独立が宣言された。大東亜各地で大きな混乱と騒乱、そして内戦が予想される。
いよいよ連合軍の進駐と占領が開始される。先行きは予断を許さない。
予想外の状況は、ソ連軍が侵攻した樺太と満州でも起きた。樺太守備の日本軍は逆襲し、ソ連領内まで攻め入った。満州の関東軍の抵抗も頑強で、撃退に成功するかと思われた。結局、米軍の満州領内への進撃と原爆投下があって、一五日に日ソ両軍は停戦した。ともあれ、あと一年は続くとされていた戦争の終結に連合国は安堵した。
早すぎる終結は連合国の準備不足を意味した。大日本帝国の解体と占領は既定事項だったが、その詳細計画は未定だったし、大東亜に大きく広がっていた日本軍の占領地については何も考えられていなかった。単に日本軍を武装解除し解散させれば済む問題ではない。日本軍の消滅は力と統治の空白を生む。すでに、ビルマとベトナムには独立政権が存在し、インドネシアでも独立が宣言された。大東亜各地で大きな混乱と騒乱、そして内戦が予想される。
いよいよ連合軍の進駐と占領が開始される。先行きは予断を許さない。
表紙
表紙
2021/12/13 09:00
米国の対日方針
2021/12/13 09:00
(改)
図表
2021/12/13 09:00
(改)
序章 昭和二〇年八月
占領
2021/12/13 09:00
第一章 昭和二〇年
一 長春
2021/12/31 09:00
二 横浜
2022/01/17 09:00
三 張家口
2022/02/03 09:00
(改)
四 東京
2022/02/28 09:00
五 シンガポール
2022/03/27 08:00
(改)
六 大月
2022/05/01 09:00
(改)
七 長春
2022/06/02 09:00
八 東京
2022/06/24 09:00
九 ワシントン
2022/07/23 21:00
第二章 昭和二一年
一 長春
2022/08/19 09:00
二 東京
2022/09/23 09:00
三 フィリピン
2022/10/14 09:00
(改)
四 呼瑪
2022/11/20 09:00
五 東京
2022/12/23 09:00
六 南京
2023/01/30 09:00
七 新疆
2023/02/20 09:00
八 東京
2023/03/23 09:00
九 ワシントン
2023/04/28 09:00
番外 昭和二〇年八月一五日 開通(二)
2023/05/09 09:00
第三章 昭和二二年
一 長春
2023/05/26 09:00
二 東京
2023/06/27 09:00
三 大月
2023/07/28 09:00
四 新疆
2023/09/26 09:00
五 呼瑪
2023/10/16 09:00
終章 昭和二二年五月
内戦
2023/11/09 09:00
あとがき
参考資料
2023/11/09 12:00
あとがき
2023/11/09 12:00