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最終選考  作者: アル治


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第6話  追う者

いつも読んでいただきありがとうございます。

男の名は、和真。

20歳。

どこにでもいるような生活を送っていた青年だった。

ただし、性格には問題があった。

荒々しく、短気。

感情を抑えられるのは、面接の時くらいだった。

これまでにも暴力沙汰を起こし、逮捕されかけたことがある。

幸い、家族が何とか示談に持ち込んでいた。

今回この会社に応募したのも、和真自身の意思ではなかった。

親に勧められたからだ。

だが――。

和真

(こんな楽しい入社試験があるとはなぁ)

和真は自分に渡された銃を眺め、口元を緩める。

和真

(銃まで貰って、全員殺したら役職なんだろ?)

普通なら恐怖を感じるはずの状況。

しかし、和真は違った。

ゲームで銃器を扱う知識があり、今回渡された武器についても、それなりに知っていた。

SPASと、S&W M940。

和真

(ショットガンにリボルバーか……)

(装填、面倒なんだけどなぁ)

(サブマシンガンの方が良かったな)

和真は木に登り周囲を見渡す。

高い場所から周囲を確認する。

しばらくすると、少し先に人影が見えた。

和真

(いた)

相手はこちらに気づいていない。

和真はすぐに木から降りた。

音を立てないよう慎重に地面へ降り、相手へ近づいていく。

和真

(ショットガンって、接近するのが面倒だな)

相手の歩く速度に合わせながら距離を詰める。

落ちている石を拾う。

そして――。

少し離れた場所へ投げた。

カツン。

相手が音の方向を見る。

その隙に、和真はさらに距離を詰める。

しかし――。

相手も馬鹿ではなかった。

「……そこか!」

パパパパーン!

和真

「っ!」

和真は咄嗟に地面へ伏せた。

運良く、すぐ近くに太い木がある。

和真は木の裏へ転がり込み、身を隠した。

直後――。

ドコーン!

ドコーン!

激しい銃声が響く。

「雑魚が! 来いよ!」

和真

(撃ってきやがったか……)

ドコーン!

「ナメんな!」

「ショットガンごときで!」

パーン!

パパパパパパーン!

和真

(撃ちすぎなんだよ……)

男は、周囲を確認しながら無駄に銃を撃ち続けている。

和真は木の陰から様子を窺いながら、少しずつ前へ進む。

身体を低くし、地面を這うように移動する。

ドコーン!

和真は1度止まり、銃を確認する。

弾を補充し、再び前へ進む。

パパーン!

パーン!

カチッ!

カチッ!

「……弾切れ?」

男がマガジンを外し、新しいものへ手を伸ばした。

その瞬間――。

ドコーン!

ドコーン!

和真

(ヤバッ……)

(俺の銃、汚ったねぇ……)

(しかも、弾を撃たせ過ぎたな)

和真は武器を確認する。

このままでは厳しい。

和真はG3 SASとSIG P226を手に取った。

ショットガンは背中に斜め掛けする。

和真

(こっちでいいか)

その時だった。

遠くから、別の銃声が聞こえてきた。

和真は足を止める。

和真

(……そっちか)

和真は銃声の方向を確認する。

そして、そちらへ向かって歩き始めた。

――その頃。

正樹と佳輝は、先ほどまで身を潜めていた場所から移動を始めていた。

佳輝

「場所は良かったですが……すみません」

正樹

「いいよ」

「とりあえず、早く別の場所へ移動しよう」

「岩場みたいなところでもいいんだけど……」

佳輝

「問題あるんですか?」

正樹

「手榴弾が来た時、走って逃げられない」

「逃げ場がない場所は危険だ」

佳輝

「なるほど……」

佳輝は少し考える。

そして――。

佳輝

「大きな石とか、太い木があれば……」

「盾みたいに使えますかね?」

正樹

「……いいね!」

「そういうの知ってるのか?」

佳輝

「俺がスタートした場所の近くにありました」

正樹

「佳輝、やるな!」

「案内してくれるか?」

佳輝

「もちろんです」

2人は佳輝のスタート地点周辺へ向かうことにした。

周囲を警戒しながら、森の中を進んでいく。

正樹も佳輝も――。

まだ気づいていなかった。

自分たちの後方。

少し離れた場所から、1人の男が同じ方向へ進んでいることを。

和真だった。

和真は、まだ正樹たちの存在を知らない。

正樹たちも、和真の存在を知らない。

ただ――。

3人の距離は、少しずつ縮まっていた。

今後もよろしくお願い致します。

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