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最終選考  作者: アル治


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第11話  帰還

いつも読んでいただきありがとうございます。

ヘリが近付いてくる。


安平は喜び、ヘリに向かって大きく手を振った。


佳輝

(……正樹さん、どう思います?)


正樹

(罠かな……)


(最後の1人を強調してるからな……)


正樹と佳輝は、いつでも戦えるように準備する。


だが――


ヘリは3人の頭上を超え、そのまま近くの海へ向かっていく。


安平

(おーい!)


(待ってくれー!)


安平は手を振りながら、ヘリを追いかけていく。


正樹と佳輝は、撃たれないように木や岩に隠れながら、ヘリを追った。


やがてヘリは海辺に着陸する。


そこには、スーツ姿の男性が1人立っていた。


安平が海辺に先に到着する。


安平

(おーい!ここだー!)


安平がスーツ姿の男と対面する。


安平

(やっと来た……)


(リタイアって言ってから、随分時間が掛かりましたね)


スーツ男

(…………残り2人は?)


安平

(もうすぐ来るはずだ)


スーツ男は、ただ森を見ている。


その森の中から、正樹と佳輝もスーツ男を見ていた。


だが、スーツ男は何もしてこない。


ヘリにも、パイロット以外は乗っていないようだった。


佳輝

(どうしますか?)


正樹

(……行くしかない……か)


正樹と佳輝は警戒しながら、スーツ男へ近付いていく。


スーツ男

(お3人様、お揃いになりましたね)


正樹

(何をしに来た?)


スーツ男

(お3人様の行動を見ておりましたが、このまま何も起こらないと判断いたしました)


佳輝

(それは……3人を帰してもらえるってことか?)


スーツ男

(そうなりますね)


スーツ男は、淡々と、そして冷淡に答えていく。


正樹

(最後の1人じゃなくても?)


スーツ男

(先ほども申し上げましたが、これ以上待っていても、何も起きないと判断いたしました)


正樹

(佳輝、どう思う?)


佳輝

(もしかしたら……3人とも殺すとかでは?)


正樹

(……可能性はあるな……)


安平

(早く帰してくれ!)


(こんな所にいたくない!)


スーツ男

(少々お待ちいただけますか?)


(ヘリには私しか乗れません)


(ただ今、船を向かわせていますので、お待ちいただけますか?)


正樹

(何故、船なんだ?)


(ヘリに3人乗れるよな?)


スーツ男

(会社の機密に関わりますので)


正樹

(目隠しして乗ってもいいけど?)


スーツ男

(申し訳ありません)


(会社の機密に関わりますので)


正樹はスーツ男に銃を向ける。


正樹

(お前を殺して乗ることも出来るが?)


スーツ男

(お辞めください)


(私が死ねばヘリはすぐに飛び立ち、船も来ませんよ)


安平

(おい!)


(帰れるのに何してるんだ!)


(辞めろ!)


正樹は、銃を下ろした。


スーツ男

(船が来ました)


スーツ男の言葉通り――


遠くから3隻の船が近付いてくる。


安平は、ただただ喜んでいる。


しかし、正樹と佳輝は鋭い眼で船を見る。


佳輝

(正樹さん、どうしますか?)


正樹

(強引に2人で乗るか?)


やがて、3隻の船が到着する。


だが――


船には誰も乗っていない。


正樹

(どういうことだ?)


スーツ男

(オートパイロットです)


(島と本土を行き来しております)


佳輝が船の中を覗く。


そして、気付く。


佳輝

(……どういうことだ?)


スーツ男

(本来は、1人しか帰れません)


(船も、そういう仕様になっております)


正樹と佳輝は、お互いを見る。


その横で、安平は勢いよく船に乗り込んだ。


安平

(早くしてくれ!)


(もう帰りたいんだ!)


スーツ男

(お3人様が乗らないと、船は動きません)


安平

(早く乗れよ!)


佳輝

(怪しいですよね?)


正樹

(かなり……な)


安平

(コイツら残して、俺だけでも早く帰してくれ!)


スーツ男

(申し訳ありません)


(お3人様、同時になります)


安平

(マジで早く乗ってくれよ……)


正樹

(佳輝……仕方ないな……)


佳輝

(……はい)


正樹と佳輝は、熱く、強く抱き締め合った。


正樹

(佳輝……ありがとうな)


佳輝

(こちらこそ……)


(正樹さんに会えて良かったです……)


(ありがとうございました)


2人は離れる。


そして、余った船にそれぞれ乗り込んだ。


安平は笑顔だった。


一方、正樹と佳輝は俯いていた。


正樹

(これで全員抹殺か……)


(ブラック企業ってレベルじゃねーな……)


スーツ男

(では、本土でお待ちしております)


スーツ男はヘリへ乗り込む。


ヘリは、島からどんどん離れていく。


やがてヘリが飛び立つと――


船のエンジンが掛かった。


3隻の船は、それぞれ本土へ向けて動き出す。


しばらく海を突き進む。


佳輝

(……心配し過ぎか?)


正樹

(本当に帰してもらえるのか?)


2人が、ほんの少しだけ安堵した。


その瞬間――


ドッッカーン!!


大きな爆発音が海に響き渡る。


正樹

(――!?)


佳輝

(えっ!?)


2隻の船が、同時に爆発した。

今後もよろしくお願いします。

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