第22話:全員が、俳句で喋る、意味不明
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朝が来た。
「おはようございます」
少女が言う。
……普通だ。
俺は安心して体を起こす。
「……やっとまともに――」
少女が口を開く。
「朝の風
静かに流れ
起床です」
「俳句にするな!!」
来たな。
⸻
外に出る。
通りの人が話しかけてくる。
「青い空
今日も平和で
良き日かな」
「長えよ!!普通に言え!!」
「こんにちは」でいいだろ。
⸻
パン屋。
店員が丁寧に頭を下げる。
「焼きたての
香り漂う
パンいかが」
「売り文句にすな!!」
俺はパンを取る。
「これ一つ」
店員、
「三ゴールド
お支払いいただき
感謝です」
「たまに字余りしてる!!」
「仕様です
仕様は仕様
仕様です」
「同じこと何回も言うな!」
一口食べる。
「うまい」
店員が即座に返す。
「外はカリ
中はふんわり
美味なり」
「食レポ完成してる!!」
通り。
兵士が来る。
「街の治安
今のところは
安定です」
「“です”で無理やり締めるな!!」
「安心を
提供できる
状態です」
「説明っぽさ残すな!!」
少女が言う。
「今回の
アップデートにて
俳句化です」
「説明も俳句かよ!!」
「簡潔に
伝えるための
改善です」
「逆に長えわ!!」
広場。
男が女に話しかける。
来たな。
告白イベント。
男、
「君のこと
心の奥で
想ってる」
「まあギリいける」
女、
「その言葉
受け取るけれど
迷いあり」
「雲行き怪しいな」
男、
「この想い
共に歩める
未来へと」
「回りくどい!!」
女、
「申し訳
今は応えぬ
気持ちです」
「振られてる!!」
男、
「散る桜
儚き恋の
結末よ」
「俳句で失恋すな!!」
その時。
子供が転ぶ。
ドン!!
子供、
「転びたり
膝に痛みが
走ります」
「冷静すぎるだろ!!」
周りの人も、
「大丈夫
怪我はないかと
問うてみる」
「全員俳句やめろ!!」
俺は頭を抱えた。
「会話進まねえ!!」
その時。
パン屋の店員が走ってくる。
「大変だ
パンが爆発
いたします」
「俳句で重大報告すな!!」
ドン!!
遠くで爆発。
兵士が叫ぶ。
「爆発が
発生しました
対応中」
「緊迫感ゼロ!!」
少女が言う。
「この世界
すべての発話
俳句です」
「分かってるわ!!」
俺は叫んだ。
「普通に喋れ!!」
その時、空にウィンドウ。
「ユーザーフィードバック」
来た。
「“リズムはいいが意味が伝わりにくい”」
その通りだよ。
「“全部俳句で会話にならない”」
知ってる。
「改善を実施します」
やめろ。
少女が言う。
「次回は
俳句の最適化
行います」
「嫌な予感しかしねえ!!」
「言語アップデート ver.2.9」
早い。
世界が静まる。
少女が言う。
「これからは
より洗練の
俳句化へ」
「まだやるのかよ!!」
その瞬間。
全員が同時に口を開く。
「春夏秋冬朝昼晩パン爆発」
「俳句じゃないし情報詰め込むなあああああ!!」
街中が俳句で溢れる。
「嬉しさと
悲しさ混じる
この世界」
「走りつつ
転びながらも
生きている」
「パン落ちて
当たり爆発
またパンだ」
「もう意味分からん!!」
俺は空を見上げた。
「この世界、大体五七五に収めればいいと思ってるだろ……」
少女が一言。
「仕様です」
「知ってた!!」
次回には ランダムセリフ 発生だ
ということで、次回はセリフがランダムになる!? お楽しみに!




