文章は正しいのに内容が崩壊している
もし面白かったら、評価やブクマしていただけると励みになります!
朝が来た。
「おはようございます。今日はパンが爆発しています」
「朝の挨拶で言うことじゃねえだろ」
少女が窓の外を見る。
「空からパンが降っていますが、特に問題はありません」
「いや問題しかねえよ」
外に出る。
パン屋に来た。
店員が丁寧に頭を下げる。
「本日は爆発性の高いパンをご用意しております」
「帰るわ」
「なお、甘みが強く大変美味しいです」
「味の問題じゃねえ」
別の客が落ち着いて言う。
「先ほど購入したパンが自宅を半壊させましたが、食感は良好でした」
「レビューの基準どうなってんだよ」
通り。
兵士が真面目な顔で話しかけてくる。
「現在、街の治安は安定していますが、パンによる爆発が頻発しています」
「それで安定してる扱いなの怖すぎる」
「被害は軽微であり、主に建物の崩壊と地形の変化に留まっています」
「軽微の定義壊れてるだろ」
少女が説明する。
「この世界では、パンは時折爆発する性質を持っています」
「初耳だよ」
「また、稀に空から降下することも確認されています」
「稀じゃねえだろさっきから降ってるわ」
その時。
パン屋の店員が新商品を持ってくる。
「こちら、新作のパンでございます」
「嫌な予感しかしない」
「本製品はドラゴンを内包しております」
「どういう意味だよ」
「焼成の過程でドラゴンが発生し、非常に高い威力を発揮します」
「パンの説明で“威力”使うな」
遠くで音がする。
ドン!!
近くの人が冷静に言う。
「今のはパンによる爆発音です」
「説明が追いついてるのが逆に怖い」
別の人。
「なお、この現象は仕様です」
「便利な言葉すぎるだろ」
空を見上げる。
パンが降ってくる。
しかも光っている。
少女が言う。
「現在降下しているパンは、発光機能を備えています」
「いらねえ機能つけんな」
「夜間でも視認性が高く、安全に爆発します」
「安全とは」
ウィンドウが開く。
「ユーザーフィードバック」
「“文章は正しいが状況が理解できない”」
その通りだよ。
「“パンの扱いを見直してほしい”」
ほんとそれな。
「改善は未定です」
「やる気ねえだろ」
少女が静かに言う。
「次回のアップデートでは、さらなる仕様の追加が予定されています」
「不安しかねえ」
「期待しないでください」
「するか」
俺は呟いた。
「今日は珍しく言葉は正しいのに安心感が一切ねえ……」
少女が結論を述べる。
「パンは危険物です」
「最初からそう言え!!」
最後まで読んでいただきありがとうございます!次回もお楽しみに!




