↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「これはフレンドリーな接触です」〜ゲーム世界に転移したけどNPCがバグってる件〜  作者: 鱈場蟹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/39

第13話:全員が一回で喋れない世界、会話進まない

朝。


「おはよう……いや違う、こんにちは……いや待って、今朝だからおはよう」


少女が言う。


「どれだよ」


「最適な挨拶を再検討しました」


時間かけすぎだろ。


⸻


俺は体を起こす。


「……今日は静かだな」


少女が頷く。


「静かです……いや違います、少し鳥の声がします……いやでも全体的には静かです」


「まとめろ!!」


⸻


外に出る。


通りの人。


「今日はいい天気……いや曇ってる……いやでも明るいからいい天気です」


どっちだよ。


⸻


パン屋。


店員が言う。


「いらっしゃいませ……いや、ようこそ……いやどっちでもいいです」


「迷うな」


「これはパンです……いや正確には焼いた小麦製品です……いやパンです」


戻るな。


⸻


俺はパンを取る。


「これ一つで」


店員、


「3ゴールドです……いや2.9でもいい気が……いややっぱ3です」


「ブレるな!!」


⸻


通り。


兵士が来る。


「現在の治安は安定しています……いや完全ではありません……いやでも大きな問題はありません」


「信用しづらいな」


「安心してください……いや少し警戒してください……いやバランスよくお願いします」


どんな指示だよ。


⸻


少女が言う。


「今回のアップデートでは、発言の精度向上が目的です……いや違います、慎重さの追加です……いや両方です」


「結局なんだよ」


⸻


広場。


男が女に話しかける。


「好きです……いや気になってます……いや好き寄りです」


弱い。


女、


「ありがとう……いや嬉しい……いやどう返せばいいか分からない」


成立してない。


⸻


男、


「付き合ってください……いや検討してください……いや一度考えてください」


会議か。


⸻


女、


「いいですよ……いやちょっと待ってください……いややっぱいいです」


どっちだよ!!


⸻


俺は頭を抱えた。


「会話進まねえ!!」


⸻


その時。


パン屋の店員が走ってくる。


「大変です……いやそこまで大変じゃないです……いややっぱ大変です」


どっちだよ。


「パンが……いやパンじゃないかもしれません……いやパンです」


結局パンかよ。


⸻


少女が冷静に言う。


「状況説明を行います……いやあなたが見た方が早いです……いや説明します」


決めろ。


⸻


遠くで煙が上がる。


「火事です……いや煙だけです……いや火もあります」


全部じゃねえか。


⸻


兵士が叫ぶ。


「消火します……いや様子を見ます……いややっぱ消火します」


早くしろ!!


⸻


水をかける。


「消えました……いやまだです……いや今消えました」


信用できねえ。


⸻


俺は叫んだ。


「一回で言え!!」


⸻


少女が答える。


「それは困難です……いや可能です……いや現状では困難です」


「もういい!!」


⸻


その時、空にウィンドウ。


「ユーザーフィードバック」


来た。


「“会話が長くて進まない”」


その通り。


「改善を検討します」


やめろ。


⸻


少女が言う。


「次のアップデートでは、発言の簡略化が行われます……いや行われない可能性もあります……いや行われます」


「信用できねえ!!」


⸻


俺は空を見上げた。


「この世界、結論出す気ないだろ……」


少女が一言。


「あります……いやないかもしれません……いやあります」


「どっちだよ!!」

最後まで読んでいただきありがとうございます!もし面白かったら、評価やブクマしていただけると励みになります!それでは、また次回!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。