これはフレンドリーなアップデートです(バグ再発)
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朝が来た。
「これは起床のための推奨時間です。あなたは起きることができます」
最初に戻ってきた。
俺は天井を見つめたまま呟く。
「……いや強化されてない?」
横を見る。
少女が立っている。
「現在、言語システムは再調整されました。これは改善です」
絶対違う。
「どこが?」
「表現の明確化が実施されています」
だからそれをやりすぎてるんだって。
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外に出る。
「通行は許可されています。歩行は安全に実行可能です」
「本日の天候は良好です。外出に適しています」
うん、いつもの。
……いや、ちょっと長くなってるな。
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パン屋。
「いらっしゃいませ。これはパンです。食用として設計されています」
設計すな。
「外側は硬い可能性がありますが、内部は柔らかい傾向にあります」
傾向ってなんだよ。
「スープと組み合わせることで、食体験は向上します。これは推奨事項です」
食体験って言うな。
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俺はパンを取る。
「3ゴールドを支払います」
店員、
「支払いが確認されました。取引は成功しました。おめでとうございます」
祝うな。
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通り。
兵士が近づいてくる。
「あなたは現在、不審ではありません。しかし将来的に不審になる可能性は否定できません」
怖いわ。
「予防的観察を実施します」
やめろ。
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少女が言う。
「今回のアップデートでは、“誤解の排除”が目的とされています」
「いや誤解増えてるだろ」
「可能性として、その指摘は正しいです」
認めるな。
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その時。
広場で騒ぎが起きていた。
男が倒れている。
周囲がざわつく。
「これは緊急事態です」
「対象は倒れています」
「立ち上がることができていません」
見れば分かる。
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俺が駆け寄る。
「大丈夫か!?」
男、
「はい。私は大丈夫ではありません」
分かりやすい。
「足に損傷が存在します。歩行は困難です」
普通に助かる情報だな。
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そこへ少女。
「応急処置を開始します。これは支援です」
「だからその言い方やめろ」
「包帯を使用します。巻きます」
実況すな。
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男が言う。
「ありがとうございます。あなたの行動は有益です」
なんか距離あるな。
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俺は思った。
「……前より便利な場面もあるな」
少女が頷く。
「はい。一部状況においては有用性が向上しています」
くっそ、否定できん。
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その時、空にウィンドウ。
「ユーザーフィードバック」
来た。
「“説明は分かるが感情が薄い”」
確かに。
「改善を検討します」
もうやめろ。
その流れは知ってる。
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少女が言う。
「次のアップデートにより、感情表現が追加される予定です」
嫌な予感しかしない。
「どんな?」
少女は少し考えてから言った。
「過剰になる可能性があります」
絶対そうなる。
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その瞬間。
空に表示。
「言語アップデート ver.2.2」
早い。
「コンセプト:感情の強化」
やめろって。
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光が街を包む。
静寂。
そして――
パン屋の店員が叫んだ。
「このパンは最高ですぅぅぅ!!とてもおいしいですぅぅぅ!!あなたは買うべきですぅぅぅ!!」
うるさい。
兵士も叫ぶ。
「治安は安定していますぅぅぃ!!安心してくださいぃぃぃ!!」
クセ強いな。
声伸びてる方向おかしいだろ。
少女が俺を見る。
「現在、感情が強調されていますぅぅぅ!!」
お前もか。
通りの人たちも止まらない。
「今日は天気が良くて最高ですぅぅぅ!!!」
「この価格はお得すぎますぅぅぅ!!!」
「人生が楽しいですぅぅぅぅぅ!!!」
発言の内容もポジティブすぎて怖い。
俺は頭を抱えた。
「なんで毎回“ちょうどいい”を通り越すんだよ!!」
少女が元気よく言う。
「バランス調整は未実装ですぅぅぅ!!」
知ってる。
「これは非常にフレンドリーですぅぅぅ!!」
⸻
俺は空を見上げた。
「この世界、ちょうどよくなる日は来ないのか……?」
少女が満面の笑みで言った。
「可能性は低いですぅぅぅ!!」
元気に絶望言うな。
最後までお読みいただきありがとうございます!次回、ラグ発生!?お楽しみに!




