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番とは呪いだと思いませんか―聖女だからと言ってツガイが五人も必要なのでしょうか―  作者: 白雲八鈴
28章 穢れと鬼

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「神の威なんて知りませんよ」


 シェリーは答えることを否定した。

 いや、シュロスとラフテリアを引き合わすのを阻止したと言っていい。


「モルテ王が可能だけど難しいと言っている。それが神殺しだからというところなのかな?」


 ロビンは諦めないようだ。

 ラフテリアの望みは叶えてあげたい。しかし、それに危険が伴ってはいけない。

 それを排除するのは己の役目だと、強い視線をシェリーに向けていた。


「ルナティーノ。君は何故難しいと言ったのかな?」


 ロビンはシェリーが答えないのでモルテ王に尋ねることにしたようだ。紹介できる仲ではないが、どういう者か知っている感じだからだ。

 それも神と魔女が創り上げた人ならざる者が言ったのだ。


 いや、恐らくロビンが一番引っかかるのがそこなのだろう。

 モルテ王ですら、難しいと評価される存在とは、それほどの者なのかと。


「ふむ。ロビン。貴様は、この世界を白き神の箱庭と言ったが、私はその者の箱庭がこの世界なのではと感じた」

「それを言ったのはエリザベートだよ。その言い方だと、その『神殺し』は神だということなのかな」

「正確には神如きだな。俺はそう感じた。ただ、それが人かと問われれば、人だった者だと答えるだろう」


 今は人のような姿をしているシュロスだが、モルテ王が知っているシュロスの姿は鎧だった。それも人がまとう鎧の大きさではなく、骨がまとう大きさの鎧だ。


「神如き者が神殺し?ルナティーノ。難しいと言った答えがこれではないよね?」


 ロビンはモルテ王が論点をずらそうとしていることに気がついてしまった。

 指摘されてもモルテ王の表情は変わらない。


「では剣聖。貴様が側にないラフテリアに、聖女なのだからとある場所を浄化して欲しいという。それは頼んだ者の意図をどれほど汲んで行動を起こすだろうか?」


 本人のラフテリアがいるにも関わらず、モルテ王は例え話をだした。ラフテリアはどれほど人の意を汲めるのかと。


 ロビンは人一倍ラフテリアと側にいる。それは魔人化する前からだ。

 そのロビンと言えば、苦悩の表情を浮かべている。


 どれほどラフテリアが今までやらかしたかではなく、ロビンが止めなければやり過ぎていただろうということにだ。


「え?なになに?浄化して欲しいの?やるよ!やるやる!」


 そのロビンとは正反対にラフテリアが、はしゃぎながら話に割り込んできた。

 それも例え話をされたのに、まるで頼み事をされたかのような感じだ。


「ラフテリア。例え話だ。この国に浄化が必要な場所はない」


 それもおかしな話だ。

 人々の悪の心が一番残っていそうな国である。

 にも関わらず、浄化するような場所はないとモルテ王がいう。

 いや、それさえも残らなかったということか。それとも、既に浄化されているのかだ。


「えー?そうなの?」


 ラフテリアは言葉では残念そうだが、ロビンにくっついてケラケラと笑っている。

 どうでもいいのだろう。


「それじゃ、質問を変えよう。シェリーちゃん。何故神殺しにその者はなったのかな?」

「はぁ、超越者になるための手段ですね」

「あ、そういうこと」


 その言葉を聞いてロビンは笑顔になった。

 シェリーの答えのどこに笑顔になる要素があるというのか。


「うえぇ。なんだそれ?力を手に入れるために神を殺したのか?って神って殺せるのか?」


 イゾラですら、神殺しが駄目なことを理解していた。いや、それが普通というものだ。


「それなら、大丈夫そうだね」

「え?どこに納得できる部分があったのかさっぱりわからない」

「剣聖ってやつは大物(おおもの)ってことだろう?」


 ラフテリアと会わせてもいいとロビンは判断し、炎王はロビンの判断基準がわからないという。


 そして答えたシェリーはやはりという感じでうなだれている。

 ラフテリアと共に行動できるロビンだ。


 シュロスを問題なく受け入れる度量はある。

 だが、ラフテリアとシュロスが関わるとろくな事にならないと予想ができるから、シェリーは関わらせたくなかったのだ。


「それでどこに行けば会えるのかな?」


 ロビンは今からでもシュロスと会う気満々だ。

 そのことにシェリーは大きくため息を吐き出す。


「あの?モルテ王の話聞いていました?頼み事をしても本人の解釈になってしまうと」

「でもそれは、理解できる説明をすれば聞き入れてくれるということだよね」


 ロビンはラフテリアでよくわかっていた。

 ようは言い方の問題だと。


「凄い。あの言葉で、そこまで理解できるのか」

「剣聖ってやつが大物ってことだろう?で、いい加減に戦ってみたいのだが?」

「やめてくれ」


 そして炎王はロビンに尊敬の念を向けていた。本人に会ったことがあるからだ。

 ゲーム脳にわかる言い方をすれば、正確に聞き入れられると。


「はぁ、そんな簡単に済めば、私は苦労していません」


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