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番とは呪いだと思いませんか―聖女だからと言ってツガイが五人も必要なのでしょうか―  作者: 白雲八鈴
28章 穢れと鬼

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『結局、剣聖の君もそんな感じになってしまったし、僕が手を出さないほうがいいと思うんだよ』


 シェリーの耳にそのような言葉が聞こえてきた。

 確か、ロビンの身体を創ったときに『歪んでしまった』と言っていた。何が歪んでしまったのかは不明だが、魔人の力によって変質してしまったということなのだろう。


『僕よりも適任がいるからそっちに頼むといいよ』

「てきにん?神様よりも?」

『そうそう、それはシェリーちゃんに紹介してもらうといいよ』


 その白き神の言葉に反応したのは三人だった。

 舌打ちをするシェリー。

 そのシェリーを見つめるラフテリア。


「嫌な予感しなしない」と言葉を漏らす炎王。


 それ以外の者たちは何が起こっているのかわからない。いや、聖女が神の神言を受けているのだ。

 それを邪魔しないように固唾をのんで見守っている。


 若干一名横にいたシェリーを抱えて、殺気立つものがいるようだが。


「六番目に?」

『そう、神殺しという者を頼るといい。きっと君の願いが叶うことになるよ』


 その言葉を最後に白き神の言葉が聞こえなくなった。


 神殺し。それは勿論シュロスのことである。


「かみさま。ありがとうございます」


 ラフテリアはそう言って神に感謝の言葉を言って、シェリーの近くに行く。いや、近くと言うより、シェリーの顔を覗き込むような距離で言うラフテリア。


「六番目!かみごろしというのを紹介して」


 ここで他の者に白き神が何を伝えたのか理解した。ラフテリアの願いを叶えるには、神殺しという者の力が必要だと。


「はぁ、彼を頼るのか」


 炎王は大きくため息を吐いて無理だろうという目を天井に向けている。


「かの王であれば、可能だろうな」


 モルテ王はそうだろうと納得していた。

 身体が朽ちても魂だけの存在としていたのだ。

 ラフテリアの体質を変えることなど容易にできるだろうと予想できてしまう。


「だけど……」

「だが……」

「「難しいだろうな」」


 シュロスを知る二人の王の意見だ。

 適任であることは認める。だが、言葉はわかるが理解したところで既に斜め上を行くのがシュロスなのだ。


 適切にラフテリアの望みが叶えられる保証はない。


「そうなの?そんな恐ろしい者とリアを会わせたくないなぁ。白き神の言葉でも僕は嫌かな」


 ロビンは『神殺し』という名と、二人の王の反応から守るべきラフテリアを会わせたくないと言った。


「六番目!」

「すぐには無理です。ラフテリア様」


 そしてシェリーは遠回しに断る。

 元々シェリーはラフテリアを人前に出すのは反対なのだ。

 シュロスとラフテリアを引き合わす理由はない。


「えー。昔みたいにロビンと楽しいお買い物ができると思ったのに」

「は?」

「だって!マリーが人がいる街に行くには駄目って言っていたのは、そういうことなのかなって思ったの!」


 マリーとはロビンの身体となるために犠牲になった二番目の魔人であり、そこにいるモルテ王が人だった頃の婚約者である。


 彼女がいなくなっても、ラフテリアは彼女の言葉を守っていたのだろう。


 ただラフテリアの記憶にある楽しい買い物が、本来どういうものだったかを知っているのはロビンだけである。


 そう、彼女の性格も踏まえて、マリートゥヴァは行くなと言った可能性があるのだ。


「ラフテリア様。ラフテリア様が人でいられた時代とは様相が色々変わっていますので、常識をお勉強してからにされたほうが良いと思います」


 シェリーも勿論マリートゥヴァが懸念したことを思った。だから常識という言葉を使ったのだ。


「それは大丈夫!」


 だが自信満々に答えるラフテリア。

 そのラフテリアの後方に見えるロビンの様子をシェリーは窺った。


 こうなると、止められるのはロビンしかいない。

 ラフテリアは、ロビンの言葉は素直に聞く。


 そのロビンはというと、難しそうな表情を浮かべていた。両手を組んでうつむき加減のロビンは、真剣に何かを考えているらしい。


 そのことにシェリーは嫌な予感を覚えた。


 ロビンもまたラフテリアの望みを叶えようとする。それは彼がラフテリアの番であったときから、そうでなくなった今でも変わらない。


「シェリーちゃん。白き神の真意を聞きたい。何故神殺しという恐ろしい者に頼まないといけないのか」


 そしてロビンは白き神の真意……神威をシェリーに尋ねたのだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

諸事情により、日曜日の投稿をお休みさせていただきます。

よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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