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第24話「ダイエットはXXXXにお任せ」

 朝食は全粒粉の蛋餅に、焼いた鶏肉とレタスを挟んだものだった。食べてみると、とても美味しい。彩衣は本当に料理が上手だ。いいお嫁さんになれそうだな!


「日明、どうして郭彩衣がお前に弁当を作ってくれるんだ? まさか、あいつの何か弱みでも握って脅してるんじゃないだろうな?」


 松樹が尋ねてきた。


「俺がそんなことする人間に見えるか?」


「阿松、どう考えても日明に彼女ができたってことだろ?」


 阿賢が言った。


「いや、そういうわけじゃない。ただ俺が太ったから、彼女がダイエットを手伝ってくれてるだけだ」


「そうなのか? じゃあ、郭彩衣の料理は美味しいのか?」


 松樹が尋ねた。


「ああ、めちゃくちゃ美味しいぞ。それに健康的で太らないんだ! システムが証明してくれてる!」


「何を言ってるのかさっぱりわからん。早く食べ終われよ。もう掃除の時間だぞ」


「わかった」


「そういえば日明、お前いったいどうやって太ったんだ? たった数日でこんなに太れるものなのか?」


 阿賢が尋ねた。


「太ったんだから仕方ないだろ! まさか俺は偽物の日日日明だとでも言いたいのか?」


「その可能性もあるな! 実は宇宙人が化けてるんじゃないか? 正体を暴いてやる!」


 阿賢が手を伸ばして、俺の腹をつまんだ。


「腹をつまむなよ!」


「もう、からかわないでよ! 阿賢」


「わかったよ。ちょっと羨ましかっただけだ! 女の子が手料理を作ってくれるなんてさ! しかも相手はあの郭彩衣だぞ。日明、このデブ!」


「それと俺がデブなのは関係ないだろ! あっ、そもそも俺はデブじゃない!」


 その後、朝食を食べ終えた俺は、弁当箱をティッシュで拭いてから彩衣に返した。それから掃除を済ませ、教室に戻ってホームルームが始まった。


 俺たちの担任は国語教師の黒愛嘉だ。朝のホームルームが始まるなり、俺の体型にツッコミを入れてきた。


「日日明、休みの間に羽目を外しすぎたんじゃないの? どうしてこんなに太ったのよ? これならクラス対抗の綱引き大会で優勝できそうね!」


 クラスメイトたちが一斉に笑った。


「太ったんだから仕方ないだろ! 勝てるかどうかはまだわからないけどな! その前に痩せてみせるよ!」


「そんなに早く痩せられるの?」


「太ったときと同じくらい早く痩せるさ!」


「それなら、痩せられることを期待してるわね!」


 その後、ホームルームが続き、やがて授業が始まった。午前中の授業をすべて終え、昼食の時間になったとき、俺はふと考えた。


 学校の給食を食べたら、カロリー爆弾が発動してしまうんじゃないだろうか?


 そう思って、俺はごく少量だけ盛り付けた。


「日明、それだけで足りるのか?」


 松樹が尋ねた。


「ああ。今はダイエット中だからな」


「今日のメニューはカレーライスだぞ!」


「そうだぞ! 足りなかったらおかわりもできるんだからな!」


 松樹と阿賢は、どちらも弁当箱いっぱいに盛り付けていた。高校生男子の食欲はすごい! だが、俺はそんな食べ方をするわけにはいかない。


 そのとき、彩衣がやってきて俺の弁当箱を覗き込んだ。


「日日明くん、それじゃ健康に良くないよ! お弁当を貸して。私が盛り付けてあげる!」


 彩衣は俺の弁当箱を取り上げると、配膳の列に戻っていった。


「日明、お前と郭彩衣はいったいどういう関係なんだ?」


 阿賢が尋ねた。


「見てのとおりだよ」


「見てのとおりって、どういう意味だよ?」


 まあ、どうせ彼女もいずれ俺のことなんて忘れてしまうだろう。


 その後、彩衣が俺の弁当箱を返してくれた。


「お肉と野菜はしっかり食べてね。白米とソースは少なめに」


「ああ、ありがとう」


 こうして彩衣が盛り付けてくれた弁当を食べたが、やはりカロリー爆弾は発動しなかった。


 午後の英語の授業でも、シンシア先生にどうしてこんなに太ったのかとツッコまれた。


 そして一日分の授業がすべて終わり、放課後になった。


「日日明くん、今日は私の家に来てね!」


 彩衣が俺のところにやってきて言った。


「えっ? どうして?」


「夕食を渡すんだよ! 忘れちゃったの? この後、私も仕事に行かなきゃいけないんだから、早く行こう!」


「ああ、うん」


 俺は彩衣の後について学校を出た。すると、校門の前にワゴン車が停まっていて、マネージャーらしき女性が彩衣に手を振っていた。


「ごめんなさい、樊花さん。今日はもう一人乗せてもらいたいんです。この人は日日明くんで、私のクラスメイトです」


「すみません、お邪魔してしまって。ご迷惑でしたら、無理に乗せていただかなくても大丈夫です」


 そのマネージャーは俺をちらりと見た。おそらく、俺が彩衣の恋人になるような相手ではないと思ったのだろう。


「別に構わないわよ。それにしても、彩衣に男友達がいたなんてね。さあ、早く乗って」


 車に乗り込むと、樊花さんは運転席に座ってエンジンをかけた。それから車は道路に出て走り始めた。


「そういえば、休日に彩衣が義享天地に行ったとき、あなたも一緒にいたわよね? 日日明くん」


「はい、そうです」


「彩衣は今、人気上昇中のアイドル歌手なの。もし何かよくない噂が立ったらどうなるか、わかってるわよね?」


「樊花さん!」


 彩衣が怒った声を上げた。


「まあ、あなたの体型じゃ、彩衣の恋人だと誤解されるのも難しそうだけどね!」


「あはは! そうですね、樊花さん。何しろ俺は太ってますから!」


「日日明くん! そういう自虐はよくないよ!」


 なんとも気まずい空気だな……。


 その後、数分ほど沈黙が続き、樊花さんと彩衣は仕事の話を始めた。


 ようやく車は彩衣の家に到着した。


「着いたよ。日日明くん、行こう!」


 その後、俺たちは建物に入り、エレベーターで彩衣の部屋まで上がった。


 彼女の家は決して裕福というわけではなく、俺の家と大差なかった。


 ドアを開けると、彼女の母親の声が聞こえてきた。


「彩衣、お帰りなさい」


「ただいま。着替えたら仕事に行くね。それと、日日明くんも一緒だよ」


「お邪魔します」


「日日明くん? 太ったの? ほんの数日会わなかっただけなのに、どうしてそんなに不思議なことになってるの? まるで、あなたが私にくれたあの果物みたいに不思議ね」


「いろいろと複雑な事情がありまして」


「それなら、これ以上は聞かないでおくわ」


「日日明くん、私の部屋に入って」


「夕食を食べるんじゃなかったのか?」


「そうだよ。夕食は私の部屋で食べるの」


 その後、俺は彩衣の部屋に入った。


 部屋の中は女の子らしい可愛らしい雰囲気に包まれていて、ぬいぐるみや可愛い装飾品が置かれていた。


 ただ、普通と違うところもある。ダンベルやホエイプロテインの粉末なども置いてあったのだ。


「日日明くん、私の夕食はいつもホエイプロテインだけなんだよ。あなたにも同じようにしてほしいの」


「日曜日は俺のために夕食を作ってくれただろ?」


「あれは特別だよ。普段はとても忙しいんだから。この中から好きなシェイカーを一つ選んで」


「どうしてこんなにたくさんあるんだ?」


「プロテインを買うとおまけでもらえるから、自然とこんなに増えちゃったの。早く選んで」


「わかったよ」


 俺は適当に、見た目が気に入ったものを一つ選んだ。


「次はこのプロテインをあげるね。まだ開封してないものだけど、この味はもう飲んだことがあるから。分離タイプの鉄観音味だよ。冷水かぬるま湯で溶かしてね! 熱湯を使うとダマになっちゃうから!」


「ああ、ありがとう」


「じゃあ、着替えるから外に出てね」


 その後、俺は彩衣の部屋を出て、リビングで座って待つことにした。


「日日明くん、お茶とお茶菓子はいかが?」


 彼女の母親が尋ねてきた。


「いえ、お気遣いなく。今はダイエット中なので。」


「あの子ったら、自分であんなものばかり飲んでるくせに、友達にまで勧めるなんてね」


「ホエイプロテインのことですか?」


 俺はテーブルの上に置かれたプロテインの袋を指さした。


「そう、それよ。あの子、夕食を食べないのよ。なのに昨日は突然夕食を作るって言い出したから、やっと普通の食生活に戻る気になったのかと思ったのに」


「結局、日日明くんのために作っていたのね! あの子は口に出さないけど、母親にはわかるものよ。あの子、あなたのことが好きなのよ!」


「いやいや、こんなデブの俺を好きになる人なんているわけないですよ」


「そういえば、日日明くんは痩せていた頃はなかなか格好よかったわよね」


 そのとき、彩衣が着替えを済ませて部屋から出てきて、プロテインを作り始めた。


「お母さん、日日明くんと何を話してたの?」


「彩衣には関係ない話よ。ふふっ!」


 彩衣がプロテインを飲み終えると、俺たちは再び車に乗り込んだ。樊花さんが車を運転して、俺を家まで送ってくれた。


 車を降りて彩衣に別れを告げた後、俺は家に帰った。


 手に持っているプロテインとシェイカーを見つめる。


「腹が減った! さっそく一杯作って飲んでみよう!」


 俺は冷蔵庫から冷水を取り出し、袋に書かれた説明を参考にして、まずは水を三百五十ミリリットル用意した。それからシェイカーの蓋を開けると、中に鉄製の螺旋状のボールが入っていた。おそらく、粉末をよく混ぜるためのものだろう。


 シェイカーを電子スケールの上に置いて水を入れ、それからプロテインの袋を開けた。袋を開けた瞬間、濃厚な烏龍茶の香りが漂ってきた。


 次にスプーンでプロテインの粉末をすくい、四十グラムになるまでシェイカーに入れた。それから金属のボールを中に入れ、蓋を閉めて振り始めた。


 数分後、鉄観音味のプロテインが完成した。俺はさっそく飲んでみた。


「うおっ! なかなか美味しいじゃないか。でも、これで腹は膨れるのか?」


 そういえば、今日は小暁月がずっと俺のポケットの中で静かにしていた。俺は彼女を取り出して、テーブルの上に置いた。


「小暁月、いったいどうすれば痩せられるんだ?」


「供物をよこしなさい! そうしないと相手にしてあげないニャ!」


 仕方なく、俺はお菓子の可樂果を持ってきた。袋を開けて彼女のそばに置くと、小暁月はすぐに二・五頭身の姿に変身し、袋の中に潜り込んでお菓子を探し始めた。


「そういえば、お前が食べたものは、いったいどこに消えてるんだ?」


「それは宇宙の神秘ニャ!」


「じゃあ、俺がどうすれば痩せられるのかは教えてくれるんだろうな?」


「毎日カロリー収支をマイナスにすればいいのニャ。寝ている間に計算されて、翌朝には自動的に痩せているニャ」


「それで、俺は今何をすればいいんだ?」


「あなたの脳内選択肢が教えてくれるニャ」


 そのとき、脳内選択肢が表示された。


【選択肢1】一時間散歩する。カロリーを少量消費。100Gポイント。


【選択肢2】腕立て伏せ、腹筋、スクワットをそれぞれ百回ずつ行う。カロリーを大幅に消費。1000Gポイント。ただし、怪我をする可能性あり。


 怪我をする可能性があると書かれている以上、考えるまでもない。選ぶなら選択肢1しかないだろう。


 というわけで、俺は散歩に出かけることにした。


 夕方なので日差しもそれほど強くなく、歩くのは楽だった。今回は小暁月とスマホも忘れずに持って出た。


 いつもどおり湖沿いの道を歩く。夕風は涼しくて気持ちよかったが、俺の腹はとにかく減っていた。


 やはり、プロテインを飲んだだけで腹が満たされるわけがない!


 散歩の途中、湖畔のベンチに座っている雅蝶を見かけた。彼女はまたタバコを吸っていて、隣にはビールの缶も置いてあった。


 俺が彼女のそばを通り過ぎても、雅蝶はまったく俺に気づかなかった。

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