第21話「Gポイントの精算とペナルティ」
早く皢瑜たちと合流しなければならない。俺は非常階段を下りながら、皢瑜の携帯電話に電話をかけた。呼び出し音が一度鳴っただけですぐに出た。
「もしもし! もしもし! お兄ちゃん、大丈夫なの?」
「ああ、悪党たちは逃げたよ。今どこにいるんだ?」
「私と彩衣お姉ちゃんは、今一階の外にいるよ」
「すぐにそっちへ行く」
そう言って通話を切り、一階まで下りて外へ出た。人混みの中から皢瑜と彩衣の姿を探す。警察や消防もすでに到着しており、規制線が張られていた。俺は規制線の向こう側へ行こうとして、警察に止められた。
「向こうへ行かせてください!」
「そこの方、まずは脇で事情聴取を受けてください!」
警察官が俺に言った。
「俺はただの一般人です! 悪党たちはもう逃げました! 家族が向こうで待っているんです!」
「身元を確認するまでは、こちらの指示に従っていただく必要があります。ご協力ください!」
「電話をかけてもいいですか?」
そのとき、上の階から再び爆発音が響いた! 一瞬にして上階の壁やさまざまな物が崩れ落ちてきた。そして俺は、ちょうどその真下に立っていた。
「防護壁、展開!」
俺はとっさに上に向かって叫び、魔法で一部の範囲に防護壁を展開した。できる限り人が集まっている場所を守る。落下してきた物が防護壁にぶつかり、手にものすごい重みが伝わってきた!
「長くは持ちません! 警察官さん、早く市民を避難させてください!」
警察官は自分の頭をかばいながら、上を見て、それから俺を見た。
「君は何をしたんだ?」
「早く群衆を避難させてください! そうしないと、物が落ちてきます!」
「あっ! わ、分かった!」
警察官たちはすぐに群衆の避難を始め、規制線も撤去した。俺の手にはかなりの重量がかかっていた。人々がほぼ避難し終えたのを確認したが、もう本当に限界だった。防護壁を解除した瞬間、俺は走り出し、最後は地面に飛び込むようにして、落下してきた瓦礫や物を避けた。
地面に転がったまま振り返ると、ビルの壁面は見るも無残な姿になっていた。警察や消防は煙の中で放水を始め、消火活動を行っている! 警察官たちは引き続き人々を避難させていた。交差点の信号はすべて赤になっていた。市民が交差点にまで逃げてきていたからだ。
「早くここから離れないと! そうしないと、俺の異能をどう説明すればいいんだ?」
俺はすぐに立ち上がり、人混みに紛れ込んだ。通りを渡って全聯福利中心に入り、ようやく一息つくことができた。再び皢瑜に電話をかけると、呼び出し音が一度鳴っただけですぐに出た。
「もしもし! もしもし! お兄ちゃん、外に出られたの?」
「ああ、出られたよ。今は向かいの全聯福利中心にいる。そっちはどこだ?」
「私と彩衣お姉ちゃんは、向かいのコンビニにいるよ」
「どうやらすれ違ったみたいだな。そっちに行くよ!」
「うん、待ってるね」
それから全聯福利中心を出て、二人のいるコンビニへ向かった。周囲では警察や消防のサイレンが鳴り響き、救急車の音も聞こえてくる。さらに、報道陣の取材車まで現場に到着し、撮影を始めていた。
コンビニに入ると、俺を見つけた皢瑜が抱きついてきた!
「バカ兄! 一体どこに行ってたのよ!」
「日日明くん! 無事で本当によかった!」
彩衣は今、マスクもサングラスも着けていなかったが、周囲の人たちは彼女に注目していなかった。
「家に帰ろう!」
「バカ兄!」
「うん、日日明くん。帰りましょう」
その後、俺たちはコンビニを出て、捷運の凹子底駅方面にあるバス停へ向かった。好市多のバス停付近は道路が完全に渋滞していたからだ。道を歩いている間、彩衣は何か言いたそうに俺を見ていたが、なかなか口を開かなかった。
そのとき、頭の中に選択肢が表示された!
【選択肢1】彩衣に事情を説明する。Gポイント-500。
【選択肢2】何も言わずに歩き続ける。彩衣の好感度が下がる。Gポイント-1000。
なんでどっちもマイナスなんだよ? 燃えるタイムゲージも選択肢3もない。しかも選ばないわけにはいかない選択肢だ。仕方なく説明を始めることにした。
「彩衣、何を聞きたいのか分かってるよ。ちゃんと説明するから!」
すると、突然皢瑜が口を開いた!
「お兄ちゃん! もう歩けないよ! 落ち着いたら急に怖くなって、足が震えてきちゃった! おんぶして!」
「分かったよ! おんぶしてやるから、こっちに来い!」
俺はしゃがんでおんぶする姿勢をとると、皢瑜が後ろから背中に乗ってきた。
「お兄ちゃん、大好き!」
皢瑜を背負って立ち上がり、しばらく歩いたところで、彩衣が意を決したように尋ねてきた。
「日日明くん! あの人たちは一体何者なの? どうしてあなたも彼らと同じような能力を持っているの?」
「彼らは遊魂に取り憑かれた人たちなんだ。だから異能を持っている。俺の能力は異世界の魔法によるものだから、別の体系のものなんだよ」
「別のものなの? あの人たちは一体何をしようとしているの?」
「何をするつもりなのかなんて、俺に分かるわけないだろ? でも、俺は命拾いしたようなものだ。まだ俺の能力は弱すぎるからな」
「日日明くん! 助けてくれて本当にありがとう! でも、次からは自分の命を優先して行動してね!」
「分かったよ」
「お兄ちゃん、彩衣お姉ちゃんと何の話をしてるの?」
「お前みたいな子供には関係ないことだ」
そのまま歩き続け、バス停に着いた俺たちはバスを待った。
「皢瑜、もう降りてもいいだろ? 腕が疲れたよ!」
「うん」
皢瑜は俺の背中から降り、隣に立ってバスを待った。
「今日は本当に災難続きだったね、日日明くん」
「それ、もう着けないのか?」
俺は彼女が手に持っているサングラスとマスクを指差した。そういえば、もう片方の手には単単ペンギンのぬいぐるみを抱えていた。
「あっ! そうだったね!」
彩衣は再びサングラスとマスクを着けた。バスが来るまで少し時間がかかりそうだった。すると皢瑜が口を開いた。
「お兄ちゃん、バス遅いね!」
「ああ、ちょっと待ってろ。椅子を出してやるよ」
俺は魔法袋から椅子を取り出した。周囲の人たちが注目したのはもちろん、皢瑜と彩衣まで驚いていたが、もうそんなことを気にしている余裕はなかった。
「お兄ちゃん、マジシャンなの?」
「まあ、そんなところかな。彩衣も座るか?」
「日日明くん! そんなことをしたら、余計なトラブルを招いちゃうよ!」
「これはマジックショーですよ! 何もないところから椅子が出てきた!」
周囲の人たちから拍手が起こった!
その後、俺たちはバスに乗り込み、椅子は再び魔法袋の中にしまった。
バスは何度も停車しながら、ゆっくりと終点まで走っていった。乗客が降りていくにつれて、皢瑜と彩衣は空いた席を見つけて座った。
終点に着き、俺たちはバスを降りた。
「日日明くん、今日は一日ありがとう。それじゃあ、私は帰るね! バイバイ、皢瑜もバイバイ」
「彩衣お姉ちゃん、またね!」
「ああ、バイバイ」
彩衣は振り返って去っていった。俺は皢瑜と一緒に、彼女の家が経営する単単割包店へ向かった。
「お兄ちゃん、今日は本当に怖かったよ!」
「今日のことは秀麗お姉さんには絶対に言うなよ!」
「分かってるよ! お母さんには、今日は義享天地には行かず、隣の好市多でホットドッグを食べたって言うから。それでいい?」
「まあ、それでもいいだろう」
その後、皢瑜を単単割包店まで送り届けた。店に入ろうとしたところで、秀麗お姉さんが飛び出してきて皢瑜を抱きしめた。
「お母さん? どうしたの?」
「皢瑜、どうしたのじゃないでしょう! どれだけ心配したと思ってるの! 電話しても出ないし! 怡萍から話は聞いたわよ。あなたたち、義享天地に行ったんでしょう? 今日はあそこでテロリストの襲撃があったのよ!」
「ごめんなさい。電話に出るのを忘れてたの」
「早く中に入りなさい! 日明、あなたも来なさい!」
その後、俺は皢瑜の家で秀麗お姉さんにさんざん説教され、ようやく自宅に帰ることができた。
愛露莎は今日はまだ帰ってきていないようだった。俺は皢瑜の家で夕食を済ませていた。
携帯電話を取り出して確認すると、雅蝶からの不在着信があった。
俺は雅蝶に電話をかけた。
「もしもし! もしもし! 日日明君、無事なの?」
「今日、俺に何があったのか知ってるのか?」
「ええ、異能者の集団に襲撃されたんでしょう?」
「どうして知ってるんだ?」
「協力者になると、携帯電話の位置情報が自動的に管理者である私に報告されるの。だから、あなたが今日、義享天地に行ったことは知っていたわ」
「あの集団は一体何をしようとしているんだ?」
「それはまだ分からないわ。私が駆けつけたときには、もう彼らは撤退した後だった。彼らを携帯電話でスキャンしなかったの? そうしないと、追跡するのは難しいわ」
「そんな暇があるわけないだろ! 一瞬で戦闘が始まったんだぞ! 俺だって死にかけたんだからな!」
「ごめんなさい」
「これは白さんが謝ることじゃない」
「ごめんなさい! 私がいるのに侵入を許してしまった。これは私の管理責任だわ!」
「今、俺たちに一番足りないのは情報だ。俺が知っている情報を教えるよ」
その後、俺は雅蝶に彼らの外見や能力、名前について説明した。
「発火能力と瞬間移動の能力ね?」
「ああ」
「瞬間移動の能力はかなり厄介ね! あれはレベル4に相当するわ! こちらで遊魂隊の協力を申請しておくわ」
「じゃあ、ひとまずこれで。風呂に入ってくるよ。じゃあな」
「うん、またね」
俺は通話を切り、服と歯ブラシを取りに行って風呂に入ろうとした。そのとき、小曉月が話しかけてきた。
「日日明、このままだと明日のGポイント精算日に、一万Gポイントに届かないニャ! ペナルティがあるニャ!」
「ペナルティ? Gポイントが足りない? 今の俺のGポイントはいくつなんだ?」
「合計7900Gポイントニャ。あと2100ポイントで一万になるニャ!」
「こんな夜中に2100ポイントもどうやって稼げっていうんだよ!」
そのとき、愛露莎が帰ってきた。
「日日明、ただいま! 今日は残業させられちゃって、本当に大変だったんだから!」
そして、そのまま翌朝を迎えた。朝早くから小曉月に起こされ、精算結果を確認することになった。俺の頭の中に、これまでの行動で獲得したGポイントと負債のすべてが表示された。
「それでは、一万Gポイントに届かなかったので、ペナルティのカード抽選を実行するニャ!」
すると、俺の頭の中に九枚のカードが三枚ずつ、三列に並んで表示された。
「一枚引いて、来週の運命を決めるニャ!」
「絶対に引かなきゃダメなのか?」
「引かなかったら、時間になったときに自動的に決まるニャ! ほら、隣のカウントダウンがもう始まってるニャ!」
もともとは残り120秒だったのに、今では109秒になっていた。正直、引きたくはなかったが、俺は自分の運命を時間に委ねるような男じゃない!
「引くぞ! これだ!」
「おめでとうニャ! あなたが引いたのは『カロリー爆弾』ニャ。今後一週間、あなたが食べるあらゆる食べ物のカロリーが爆増するニャ! 見たところ、まだ比較的軽いペナルティみたいニャ! ちゃんと食事を管理すれば、太らずに済むニャ!」
「俺は太るのか? それじゃあ、どうやって恋愛攻略を達成すればいいんだよ!」
まったく、次から次へと問題が起こるな!
部屋を出てトイレに行こうとしたところで、愛露莎に出会った。
「日日明、起きたのね! 朝ご飯を作っておいたわよ!」
愛露莎がそう言った。そのときになって初めて、俺はテーブルいっぱいに並べられた料理に気づいた!
「愛露莎、これって何人分なんだ?」
「そんなに多いかしら? 最近覚えた料理を、いろいろ作ってみたのよ。食べてくれるわよね?」
そのとき、頭の中にあの忌々しい選択肢が再び表示された!
【選択肢1】愛露莎の料理を完食する。Gポイント2000獲得。
【選択肢2】食べない! Gポイント-10000。さらに愛露莎の好感度が下がる!
これはもう、絶対に食べるしかないってことか?




