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第2話「廟会」

俺と皢瑜は一緒に金猫寺を後にした。皢瑜はNintendo Switchを抱え、福袋二つは俺が持っていた。


それから金猫湖の対岸へとつながる巨大な橋を渡り、湖岸に沿って歩いて單單割包店へ戻った。


俺たちが帰ってきたのを見た叔母さんは、何事かと思ったらしく、不思議そうに尋ねてきた。


「どうしてそんなに早く戻ってきたの?」


「お母さん、私、これが当たったんだよ!」


皢瑜は抱えていたNintendo Switchを叔母さんに見せた。


「あら! そんなに運がよかったのね!」


「お母さん、この賞品を受け取るには当選税を払わなきゃいけなかったんだけど、さっきお兄ちゃんが代わりに払ってくれたの」


「そうだったの! ありがとうね、日明。いくらだったの? 今すぐ返すわ」


「大した金額じゃないよ。それに、俺はいつもこの店でタダ飯を食べさせてもらってるんだから、今回は俺に払わせてよ」


「そういうわけにはいかないわ。二千元で足りるかしら?」


叔母さんはすぐにレジを操作して引き出しを開け、中から二千元を取り出して俺に渡そうとした。


「千元ちょっとだったよ!」


「余った分は廟会で使いなさい」


ちょうど隣では注文を待っているお客さんがいたので、俺もこれ以上遠慮するわけにはいかなかった。


俺は叔母さんから千元札を二枚受け取った。


「分かったよ。皢瑜、今日は思いっきり遊べるぞ!」


「やったー! じゃあ、お母さん、二階に荷物を置いたら、また廟会に遊びに行ってくるね!」


叔母さんはお客さんの注文を取り始めた。


俺と皢瑜はカウンターを離れ、店の奥にある扉へと向かった。


皢瑜はNintendo Switchを床に置くと、スカートのポケットから鍵を取り出した。それをドアの鍵穴に差し込み、回して解錠する。


そしてドアノブを握り、回してから、重厚な鉄製の扉を開けた。


扉が開いた瞬間、目の前に現れたのは、靴箱の置かれた上品なアンティーク調の玄関だった。


まるで童話に登場する魔女の家のような雰囲気だ。


皢瑜は床に置いていたNintendo Switchを抱え直し、俺と一緒に魔女の気配が漂うこの家の中へと入った。


俺が中に入ると、後ろ手に扉を閉め、鍵をかけた。


皢瑜はNintendo Switchを玄関の一段高くなった木製の床に置いた。


それから俺たちは靴を脱いで室内履きに履き替えた。皢瑜は再びNintendo Switchを抱え、俺たちは階段を上って二階へ向かった。


二階に着くと、そこはこの家のリビングだった。


俺は持っていた福袋を二つともリビングのテーブルに置いた。


一方、皢瑜はNintendo Switchを抱えたまま、さらに上の階へと続く階段を上っていった。彼女の部屋は四階にある。


俺はリビングのソファに腰を下ろし、改めて部屋の中を見回した。


ガラス張りの飾り棚には、さまざまな骨董品が並べられていた。


これらは俺の曾祖父と曾祖母が残したものらしい。


つまり、日本統治時代の品々ということだ。


飾り棚の中には、黄ばんだ古い白黒写真も置かれていた。曾祖父と曾祖母が一緒に写っている写真だ。


曾祖母はポーランド人の血を引いていたらしく、銀色の髪と美しい青い瞳を持っていたという。


皢瑜の青い瞳も、隔世遺伝なのかもしれない。


そういえば、読者の皆さんには、まだ俺の従妹について詳しく紹介していなかったな。


彼女は現在十歳で、小学四年生だ。


艶やかな黒髪のロングヘアに、大きな青い瞳、そして長いまつ毛を持つ、かなりの美少女である。


兄の立場としては、いつか彼女に彼氏ができるなんて、できれば考えたくもない。


皢瑜に近づく悪い虫は、俺が全力で追い払ってやるつもりだ。


――実は、一番の悪い虫は俺自身なんだけどな!


そんなくだらないことを考えていると、皢瑜が荷物を置き終え、階段を下りてリビングに戻ってきた。


「お兄ちゃん、行こう」


「おう」


俺はソファから立ち上がり、彼女と一緒に階段を下りた。


一階の玄関まで戻ると、室内履きを脱いで靴に履き替えた。


それから俺が扉を開け、二人で外へ出た。皢瑜が後ろから扉を閉め、鍵をかける。


そして再び湖岸に沿って歩き、金猫寺へとつながる巨大な橋へ向かった。


橋の上には、廟会を見に来た大勢の人々と、さまざまな屋台が並んでいた。


俺たちは一緒に風船割りやパチンコ玉を弾くゲーム、輪投げ、金魚すくいなどを楽しんだ。


金魚すくいで捕まえた金魚は、飼うつもりがなかったので、もう一度池に戻してやった。


その後、俺はタンフールーを売っている屋台で、サンザシ飴を一本買って自分で食べ、皢瑜にはリンゴ飴を買ってやった。


それから俺たちは廟会の広場へ向かった。


広場では、ちょうど絵馬を燃やす儀式が始まろうとしていた。


俺と皢瑜は見物客の中に混じり、目の前に積み上げられた小さな山のような絵馬の山を眺めた。


いったい全部で何枚あるのだろう?


やがて神職者たちが儀式を始めた。


俺たちはタンフールーとリンゴ飴を食べながら、儀式の進行を見守った。


そして、いよいよ絵馬を燃やす段階になった頃には、二人ともそれぞれの飴を食べ終えていた。


神職者たちは絵馬の山に油をかけ始めた。


それから松明を持ってきて火をつけ、絵馬の山を燃やした。


これらの絵馬は、以前から金猫寺のあちこちに掛けられていたものなのだろう。


絵馬が燃え始めると、脇では絵馬を山積みにした台車が何台も順番を待っていた。


最初の絵馬の山がある程度燃え尽きると、そこへさらに絵馬が投入され、再び燃やされる。


周囲の見物客たちは次々とスマートフォンを取り出し、動画を撮影したり写真を撮ったりしていた。


俺もスマートフォンを取り出して時間を確認した。


そろそろ正午が近い。


福袋を買ったときにもらった抽選券の抽選会が始まる時間だった。


「抽選会が始まるぞ。金猫寺の中へ行こう」


「お兄ちゃん、何が当たると思う?」


「毎年、当たるのは家に持ち帰って祀る金猫の小さな神像だな」


「そういえば、うちの家の屋上庭園にも小さな神社があって、そこに金猫の小さな神像が祀られているよね。あれ、曾祖父の代からあるんだって」


「まさか、その神像にNintendo Switchが当たりますようにってお願いしたのか?」


「うん! 本当にご利益があるんだよ! だから、家に帰ったときにちゃんとお礼もしたよ!」


「どうやってお礼をしたんだ?」


「私の好きなお菓子を小さな神社の台に置いたの」


「それ、お礼参りじゃなくて、ただのご先祖様へのお供えだろ」


「じゃあ、お兄ちゃんはどうすればいいと思うの?」


「神社をきれいに掃除するとか、そういうことじゃないか?」


「それなら、普段からお母さんがやってるよ」


俺たちはそんな話をしながら、金猫寺の境内へと向かった。


途中、そばにあったゴミ箱に立ち寄り、リンゴ飴とタンフールーの竹串を捨てた。


俺たちが本堂に到着した頃には、すでに抽選会が始まっていた。


俺たちは見物客に混じって立ち、抽選係が抽選箱からくじを引くのを待った。


やがて抽選係がくじを取り出し、マイクを使って番号を読み上げた。


「百三十九番! 百三十九番の参拝者の方はいらっしゃいますか?」


百三十九番という番号を聞いた瞬間、俺は一瞬ぼんやりしてしまった。


だが、すぐに気づいた。


百三十九番って、俺の番号じゃないか!


俺は慌てて手を挙げ、大声で返事をした。


「はい! 俺です! 百三十九番です!」


「おめでとうございます! 金猫の小神像が当たりました! 景品引換所で手続きを行い、金猫の小神像をお受け取りください。ご自宅に持ち帰ったら、大切にお祀りしてくださいね! 売ったりしたら、天罰が下りますよ!」


「お兄ちゃん、当たったんだね!」


「ああ。でも、これじゃ売ってお金に換えるわけにもいかないし、家に持って帰っても、どこに置けばいいんだろうな?」


金猫の小神像が当たる抽選会では、全部で九体しか当選しない。


しかも、当選者本人がその場にいなければ、賞品を受け取ることはできない。


番号を三回呼ばれても返事がなければ、次の当選者へと権利が移ってしまう仕組みだ。


俺と皢瑜は景品引換所へ向かった。


すると、先ほどの係のお姉さんは、俺たち兄妹がまた景品を受け取りに来たのを見て、すぐに声をかけてきた。


「あら、お嬢ちゃん、また当たったの?」


「違うよ。今回はお兄ちゃんが当たったの」


「そうなのね。それじゃあ、お兄さん、当選券を見せてもらえますか?」


俺はポケットから当選券を取り出し、係のお姉さんに見せた。


「確認しました。確かに百三十九番ですね。今、金猫の小神像をお持ちしますので、少々お待ちください」


そう言うと、カウンターのお姉さんは振り返り、脇に置かれていた金猫の小神像を取りに行った。


そして、それを俺の手に渡してくれた。


「重っ! これって純金製なんですか? 税金は払わなくてもいいんですか?」


「はい! 税金をお支払いいただく必要はありません。神像は宗教上の贈与に当たるため、税金は寺院側が代わりに納めています」


俺たちが賞品を受け取っている間も、抽選会は続いていた。


透明なガラスケースに入った金猫の小神像を持ち、皢瑜と一緒に見物客のいる場所へ戻った。


それから数分後、抽選会は終了した。


残念ながら、皢瑜は金猫の小神像を当てることができなかった。


「お兄ちゃん、抽選会が終わったね。お昼ご飯は何を食べたい?」


「この小神像を持っていてくれないか? 俺はいろんな屋台で食べ物を買ってくるから、家に持ち帰って食べよう」


「うん! 私が持ってるね」


俺は小神像を皢瑜に渡し、二人で食べ物の屋台を見て回った。


俺が買ったのは、台湾風フライドチキン、大腸包小腸、焼きトウモロコシ、炭火焼き串、揚げソーセージ、サツマイモボールなどだ。


買い終わる頃には、俺の両手にはビニール袋がいくつもぶら下がっていた。


「お兄ちゃん、そんなにたくさん食べるの? 夜はうちでバーベキューをするんだよ!」


「つい買いすぎちゃったんだよ!」


「それ、全部食べきれるの?」


「心配するな! 俺はまだまだ成長期の高校生なんだからな!」


その後、俺たちは橋を離れ、湖岸へと戻った。


湖沿いの遊歩道を歩きながら、單單割包店へと帰っていく。


そういえば、さっきの絵馬を燃やす儀式だが、俺たちが通りかかったときも、まだ燃え続けていた。


一年間にわたって保管されていた参拝者たちの絵馬なのだから、その数は本当に膨大だ。


おそらく、夕方まで燃やし続けることになるだろう。


最後まで燃え残る絵馬は、果たしてあるのだろうか?


俺たちは單單割包店に戻った。


叔母さんもちょうど休憩に入るところで、従業員用の食事が盛られた皿を手にしていた。


「二人とも、ずいぶんたくさん買ってきたわね! 夜はバーベキューをするのよ!」


「さっき、お兄ちゃんにも買いすぎだって言ったんだよ」


「あとで全部食べるから大丈夫だよ」


「あら! 皢瑜、その手に持っているのは金猫の小神像じゃないの? 当たったの?」


「私じゃないよ。お兄ちゃんが当てたんだよ」


「日明が当てたのね! この神像はご利益があるのよ。持ち帰ったら、ちゃんと大切にお祀りするのよ!」


それから俺たちは、皢瑜の家の玄関へ向かった。


叔母さんは片手に食事の皿を持ち、もう片方の手で鍵を取り出してドアを開けた。


俺たちは一緒に家の中へ入り、玄関の棚に荷物を置いた。


それから靴を脱いで室内履きに履き替え、荷物を持って階段を上り、二階のダイニングへ向かった。


叔母さんは食事の皿をテーブルに置き、テーブル脇の椅子を引いて腰を下ろした。


叔母さんの従業員用の食事は、麺線羹とフライドチキン、それにルートビアだった。


こんな組み合わせの食事が見られるのは、單單割包店くらいのものだろう。


俺は持っていた食べ物の入ったビニール袋を、次々とテーブルの上に置いた。


皢瑜も金猫の小神像をテーブルの上に置くと、トイレへ向かった。


俺はまるで自分の家の冷蔵庫を開けるような気軽さで、彼女たちの家の冷蔵庫を開けた。


中から冷たい麦茶を取り出し、テーブルの上に置く。


それから自分用のコップを取りに行き、麦茶を注いで飲み始めた。


それにしても、どうして彼女たちの家には俺専用のコップがあるんだろう?


皢瑜がトイレから戻ってくると、彼女も自分用のコップを取り出し、麦茶を注いで飲み始めた。


今度は俺がトイレへ向かった。


俺が戻ってきたときには、皢瑜はすでにフライドチキンをかじっていた。


俺もテーブルの前に座り、自分で買ってきた食べ物を食べ始めた。


それから数分後、俺と皢瑜はテーブルに並べられた食べ物をすべて食べ終えた。

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