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星は昴?ーそれでも僕は彼女を守りたかったー  作者: 村松希美


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第4章 愛から憎しみへ





男の動きは、遅く見えた。

実際には速い。


だが――昴の中では、すべてが“読める”ようになっていた。


(来る)

体が勝手に反応する。

怖い、という感情はある。

だが、それより先に“構造”が見えている。


(右から……)

足の重心。

肩の揺れ。

呼吸の間。

それらが、一本の線として繋がっていく。


(見える)

自分でも驚くほど冷静だった。

だがその裏で、別の感情が暴れている。


(怖い)

(死ぬかもしれない)

それでも――

(鈴がいる)

その一点だけで、思考が折れない。


男が踏み込む。

空気が裂けるような圧。

鈴の喉がひゅっと鳴る。


(来る……!)

その瞬間。

昴は半歩だけ横にずれる。

必要最小限。

無駄がない。

男の拳が空を切る。


(当たらない)

理屈じゃない。

身体がそう判断している。

男の目がわずかに揺れる。


「……へえ」

初めて、感情が混じる。

驚き。

そして、苛立ち。


(こいつ……)

昴は拳を構えない。

攻めない。

ただ、立っている。

それが逆に圧になる。

鈴は、その背中を見ている。


(何これ……)

怖いのに。

信じられないのに。

目が離せない。

昴は思っている。

(勝てるかどうかじゃない)

(時間を稼ぐ)

その意識だけが、身体を支えている。


男が笑う。

低く、濁った笑い。

「いい顔してるな」

「守る側の顔だ」

その言葉に、昴の中で何かが微かに揺れる。


(守る?)

違う。

そんな綺麗なものじゃない。

でも否定もできない。

その“揺れ”を、男は見逃さない。


「分かるぞ」

一歩、近づく。

「俺もそうだった」


(……?)

鈴の心が一瞬だけ止まる。

男の声が変わる。

攻撃ではない。

語り始める。


「好きだったんだよ」

静かに。

「本気でな」


昴の表情が変わる。

(何を言ってる)

鈴の背中に寒気が走る。


男の目が、どこか遠くを見る。

「でもな」

声が低くなる。

「裏切られた」


その瞬間。

空気が変わる。

“狂気”ではなく、“記憶”になる。


(この人……)

鈴は気づく。

ただの悪意じゃない。

積み重なった何かだ。


男は続ける。

「信じてたんだよ」

「全部な」

拳を握る。

「なのに、全部壊れた」

その声は怒りではない。

もっと危険なもの。

“確信した絶望”。


昴は、動かない。

でも内側で理解してしまう。

(これは……止まらない)

理屈じゃない。

納得でもない。

“壊れた構造”だ。


男の視線が、鈴に向く。

「だからな」

笑う。

「同じ目に合わせたくなるんだよ」


鈴の喉が凍る。

(私のせいじゃない)

そう思いたい。


でも。

(違う)

彼の中では“繋がっている”。

歪んだ論理で。


昴が一歩踏み出す。

初めて。

距離を詰める。


男の目が鋭くなる。

「来るか」

昴は言う。

「それは違う」

短い。

だが断言。


男が笑う。

「何が違う?」


昴の中で、言葉を探す。

(正しい説明じゃない)

(でも言わなきゃいけない)

喉が震える。


それでも。

「それは……」

言葉を吐く。

「“愛”じゃない」

一瞬、空気が止まる。

鈴の心臓が跳ねる。


男の目が細くなる。

「愛だよ」

即答。

「壊れたっていい」

「そういうもんだろ」


その瞬間。

昴の中で何かが切り替わる。

(違う)

はっきりする。

これは愛ではない。

愛の形をした“執着”だ。

昴は静かに息を吸う。

怖さが消えたわけじゃない。


でも。

理解した。

(これは止めなきゃいけない)


鈴を見る。

その目に、一瞬だけ迷いがある。


(でも僕は)

(ここにいる)

昴は言う。

「それは……一人で壊れただけだ」

男の顔が変わる。


(刺さった)

その言葉が。

男の中で何かが揺れる。

鈴がその瞬間を見ている。


(今……)

揺れた。

ほんの一瞬。

でも確かに。

男の呼吸が乱れる。


「……うるさい」

声が低くなる。

「分かったようなこと言うな」

感情が戻る。

怒り。

昴は動かない。


(ここだ)

理解している。

この人は“理屈”では止まらない。


でも――

“揺れ”はある。


鈴は、その隙間を見ている。

(言うしかない)

唇が震える。

でも開く。

「……違う」

声。

小さい。

でも確かに届く。


男が振り向く。

鈴を見る。

「私は……」

喉が詰まる。

でも続ける。

「あなたを傷つけた人じゃない」


沈黙。

昴が息を止める。

男の表情が止まる。


鈴は続ける。

「私はただ……生きたかっただけ」


その瞬間。

空気が変わる。

男の“論理”が揺らぐ。


(違う)

(その構造じゃない)

鈴の言葉は攻撃じゃない。

否定でもない。

ただの“事実”。

だからこそ――

刺さる。


男の手が、わずかに震える。

「……違う」

小さく呟く。

初めての動揺。


昴が一歩、前に出る。

もう迷わない。

鈴の言葉が“隙間”を開いた。

そこに入る。


男の呼吸が乱れる。

「俺は……」

声が揺れる。

その瞬間。

崩れる。

支えていた“歪んだ論理”が。


鈴は見ている。

昴は動いている。

誰も殴っていないのに。

戦いは終わり始めていた。

男は、膝をつく。

音がする。

重い音。


「……違うんだよ」

その声は、もう攻撃ではない。

ただの人間の声だった。

鈴は震えながら立っている。

昴は、その隣にいる。

もう守るとか、守られるとかではない。


ただ。

同じ場所にいる。

崩れた男の前で。

鈴は小さく息を吐く。


(終わった)

そう思った瞬間。

初めて、涙が落ちた。








草稿を入力してAIが書きました。


恋愛ストーカーにあるものは、愛ではなく執着なのですね。


私は幼い頃から身近にアニメがあり、リアルには推し以外ときめいたことがないのですが、三つ子の魂百までで少年少女の物語が好きなので、どうしても恋愛系になってしまいますが、恋愛がハッピーエンドばかりではないですよね。つい最近もストーカー564事件がありましたし。


気をつけて恋愛してくださいね。

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