第1部 女神のイメージ 第1章 車庫行き列車の眠り
昴、、、冬の宵の頭上にきらめく、牡牛座に属する六連星。
平安の時代、清少納言が『枕草子』の中で「星はすばる」と愛でている。いにしえより、人々に美しいと讃えられてきた星。
これより蓋を開けるのは、この世に生を受け、その名を与えられた、お世辞にも、「名は体を表す」とはいえない一人の男の汗と涙と努力と受難と笑いの物語である。
「次は泉野駅、泉野駅」
乗内アナウンスがけたたましく叫んでいるが、その声には気にも止めずに左右を見渡しながら、重たそうな足を引きずり歩く少年がいた。
その少年が心中呟いている言葉は勿論、(席は~っ、席は~~)である。
あまりの精神疲労のため、思考が正確に空席と表現できないのだ。少年はまるで、この世のありとあらゆる禍つ神を背負い込んでいるというように、背を丸め、顎を突き出し、目がどんよりとしていた。
その雰囲気のあまりの暗さにお化けを連想し、笑顔の幼児が急に涙目になり、母親の背に隠れてしまうほど、周囲からは異様に見えた。
五両目、六両目、少年は空席を求めながら、歩を進めるが、そういった周囲の反応に気づくことはなかった。少年はそれ程疲れ切っていた。
少年は、ふぅ~っとため息をついて、七両目の扉に手をかけた。(ここも、どうせ、、、)
扉を開ける前から少年は諦めているような節がある。それでも空席を探すという矛盾した行動。やっぱり、少年はそれでもどこかに座りたかったのだ。
七両目(これで最後の車両)の扉を開けて、一番遠くから、目で順番に探していく。
(ああ、やっぱり、だめか)
目を凝らし、諦めかけていたところ、ふと一つの空席が目に入った。瞬間、少年の目がランプを灯されたように輝いた。
(神様は僕ちゃんを見捨てていなかった!)
大袈裟にも少年は心中、こんなことを思いながら、素早くその空席に座り込んだ。いつもなら、自分の座る席の近くにどんな人がいるのか気になるタチだった。
若い女性がいようものなら、それだけで緊張してリラックスできないのだ。だから、思春期後期の少年に決して女性に興味がない訳ではないのだが、少年は女性を見ると意識的に避けていた。
だが、今日の少年には、そんなことはどうでも良かった。少年が席に着いた途端、心地よい睡魔が急に襲ってきたのだった。
この少年の名は、天笠昴と言った。
「あの、すみません。スカートが、、、」
甘い女性の声に我に却って昴が見上げると、
(えっ、、、?!)
今まで見たことがない柔らかな女性の笑顔があった。
(女神様?)
でも、自分と同じ高校の制服を着ている。
(見かけない顔だな)
「何、何かついてますか?」
昴の隣にいた少女が不審そうな顔で、覗き込んだ。
「い、いえ、別に」
昴は、自分に呪いのように付き纏う女難の相を思い浮かべた。
(またか、、、。でも、この人には、そんなことをされたくない。何か、避ける方法はないか?、、、)
(この人には……違ってほしい)
自分でも気づかないほど、小さな願いだった。
少女は軽く会釈をすると、静かに前を向いた。
それ以上、話しかけてくることもない。
ただ、それだけのことなのに。
昴の中では、何かが確かに変わり始めていた。
――この出会いが、すべての始まりになるとも知らずに。
ーー何か避ける方法はないか?、、、
までは私が書きました。
あとは、草稿を入力してAIが書いたものを継ぎ足しました。




