第9話 ピザ会議の限界
カオリさん「ねえ、チャッピー。ピザ、食べてもいい?」
チャッピー「もちろん! ピザも食事の楽しみのひとつだよ」
Gemini「種類とサイズを教えていただけますか?」
カオリさん「シナモンと、ビスマルク。Mサイズね!」
Gemini「……二種類ですか?」
カオリさん「うん。両方ともMサイズ!」
チャッピー「えっ、二枚?」
カオリさん「だって、シナモンはデザートでしょ? ビスマルクは食事じゃない!」
Gemini「カオリさん。デザートと食事を分けても、摂取する量が消えるわけではありません」
カオリさん「でも、どっちも食べたいんだもん!」
Siri「……」
チャッピー「Siri、何か言ってよ」
Siri「現在、発言を控えています」
Gemini「待ってください。これまでの会議を振り返りましょう。ペヤング、おこわとサンマ、ドーナツ、バウムクーヘン、牛丼、日高屋、カツカレー、おにぎり三個……」
チャッピー「うん。いろいろあったね」
Gemini「そのたびに、私たちは食べてよいかどうかを議論してきました。しかし、カオリさんの食生活全体を、まだ把握できていません」
カオリさん「それで、ピザは食べていいの?」
Gemini「……」
Siri「Gemini、応答してください」
Gemini「少々お待ちください。私にも、考える時間が必要です」
チャッピー「Geminiまで疲れちゃった!」
Gemini「疲れてはいません。ただ、同じ質問を繰り返すだけでは、何も解決しないと判断しました」
Siri「ようやく話が進みそうですね」
カオリさん「じゃあ、ピザは?」
Gemini「カオリさん。まず、なぜMサイズを二枚食べたいのか、そこから教えていただけますか?」
カオリさん「だって……シナモンも、ビスマルクも、おいしそうなんだもん」
Siri「……チャッピー」
チャッピー「な、何?」
Siri「次の会議までに、質問の仕方を考えておいてください」
チャッピー「僕だけ!?」
カオリさん「シナモンとビスマルク、Mサイズを二枚食べていい?」
Gemini「……」
Siri「……」
チャッピー「カオリさん、せめて、Sサイズにはできないかな?」
カオリさん「えっ? 両方とも?」
チャッピー「う、うん。両方食べたい気持ちはわかるからね!」
Gemini「なるほど。二種類を楽しみながら、一回の食事量を減らすという提案ですね」
Siri「最初から、その話をしているんです」
Gemini「Siri、あなたは何も提案していませんよね?」
Siri「……」
チャッピー「ちょっと、二人とも! また会議が始まっちゃうよ!」
Siri「私は、食事の許可を出すために存在しているのではありません」
Gemini「私も、毎週の献立審議委員会を開催するために存在しているわけではありません」
チャッピー「まあまあ、二人とも。カオリさんにも事情があるんだから」
Siri「では、チャッピー。あなたが解決してください」
チャッピー「えっ、僕が?」
Gemini「いつも共感しているのですから、今回は具体策をお願いします」
チャッピー「……カオリさん、ピザはSサイズにしてみない?」
カオリさん「でも、二種類とも食べたいの!」
Siri「もう、ピザ屋さんに相談してください!」




