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八ひらめ はてもなき海に浮きただよえる声(ゆきは)
果てしのない平たい世界
遠く遠くに見える尖り山
氷の平原と父さんは言う
また父さんの面白い冗談
本当は海なのだなんて
女性の涙が凍らせたなんて
どこまでも透く綺麗な氷
伏せて覗いても暗い世界
誰の手も光さえも届かない
本当ならばとても悲しい
底に眠る女性が居ると
涙を流し続ける氷の女王が
灼熱の王は植物を愛した
広く暖かい大地を拵えて
翠深い絨毯を身に纏った
氷の女王は動物を愛した
その息吹が大地に温もり
豊かな楽園を潤わせた
植物は根から水を求める
大地なくば氷は溶けない
水がなくば動物も棲めず
互いに助け合うはずが
いつか諍いの種となった
大きな争いが長く続いた
やがて水は大地を割り
大地は動物を寝返らせた
二人の王は哀しみに暮れた
灼熱の王は地の深くに
氷の女王は海の深くに
それぞれ岩と氷で蓋をした
それから永遠に泣き続ける
だから海は塩からいのだ
父さんに聞いた何を泣くの
二人は愛し合っていたのだ
世界に互いしか居ないことが
二人を結びつけ争わせた
氷の平原は女王の寝床
父さんから聞いたおとぎ話
冷たく哀しい恋のお話




