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二十九通目 恋の音(こゆき)
小さくとも山々に囲まれる
スクサンドラの地
ヤギ追い青年
タカッタ
ふもとの粉屋娘
メイエ
音の文通で愛を育む
朝
空寒い
ヤギ笛にて
ピューイー
メイエへ
おはようの挨拶
ふもとのメイエ
粉をひく
カタコトカタコト
粉をひく
きっと粉の音
澄んだ心を山へと届ける
タカッタ
小花咲く奥までヤギ追う
昼だ
澄んだ青空
分かち合いたい
ピュー
ピュー
きれいだよ君のよう
崖から離れた倒木
礼をし座る
メイエの焼くパン
ヤギのチーズ
ヤギ笛にて
ピューイー
嫁にしたい
メイエよ
美味しかった
ごちそうさま
ふもとのメイエ
黒パンを焼く
夕焼けと降りる
タカッタ
ヤギの声より
笑顔の声
ただいまメイエ
パンを買いたい
お代はチーズと
この花冠
指輪もいつかとタカッタ
遮るメイエの涙一つ
花冠のまま
踊り出す
恋の音を聴きながら




