表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水茎はわらいなく  作者: いすみ 静江☆須能 雪羽(二名)
第一章 青の手紙
31/48

三十通目 蒼き葉は女神の便り(ゆきは)

雨が降る

冷たい雨が

主の消えた城下の町に


水は伝う

大樹の雫は

水の女神の(たお)やかな胸に


せめて一滴なりと望んだ少女

目の見えぬ友のために


倒れる王を目の当たりにした

奇跡などやはりないのか


それでも向かうは城の北壁

来る日も来る日も友のために


水取りの口にある女神の祠

姿認むは長き髪の女


訪ねる者のついぞ見ぬ

忘れられた場所とばかり


いはくこの地を去るところ

いはく邂逅の縁に餞別を


開いた手には群青の若葉

少女の手に落ちて露を落とさぬ


それは毒の水に穢れし物

この世で最たる憎しみを添えよ


女は去り際ふり返る

栄えるこの地に永く留めと


女は問われ名を残す

私はライア嘘つきの女神


少女は話すなにからなにまで

友は見張る見えぬ目を


それは毒の水に穢れぬ物

言葉は全て嘘なのだと


少女は悟り願いをこめた

友に光を清き水を愛でる眼を


城下は凍え滅びゆく

白き雪と空映う氷に閉ざす


祝福された眼の少女

強く優しき心の少女

二人はいずこかへと旅立った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ