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水茎はわらいなく  作者: いすみ 静江☆須能 雪羽(二名)
第一章 青の手紙
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十一通目 万病に効く薬(ゆきは)

全てを手にするならりんごを買え

怪しげな占い師にそう言われた


それはとんだ余計なお世話

けれどそのすべは聞きましょう


あれは小銭を使う便利な男

私のものになど面倒なだけ


毎日の食事を共にするだけで

あの男は快楽も落としてくれる


男は夜には自分の寝床へと

余計な手間がなくていい


街のりんご売りから昨日は二つ

今日は三つのりんごを買った


いよいよ出来たこの薬

占い師の言った愉悦の薬


婦人の病に良く効くと

妻に飲ませるように薬を渡す


ご機嫌取りにちょうどいい

男は喜び持ち帰った


思えば売り子の女も疲れていた

出来た薬を分けてあげよう


一口残さず飲むといい

目に映る全てが青ざめる


自身の病も夫の病も

りんごを買った私のことも


全て忘れられる魔法の薬

私からの無言の便り

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