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水茎はわらいなく  作者: いすみ 静江☆須能 雪羽(二名)
第一章 青の手紙
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十通目 心揺らすソレ(こゆき)

青い手紙が届いた

雪がとけたなら帰るとある


積年の思いを込めて爪をとぐ

いつかアイツが帰ろうとも


私は一度捨てられた

揺るぎない事実を忘れられない


他の女と天国へ逝けばいい

私は地獄で拵える


僅かに隠してあった小麦

役に立つときがきた

パンに青い毒を練り込もうか


ほんの匙にも満たない量でいい

一滴で心の臓に食い込む青

いつもの酒に盛るのはどうか


木戸から風が吹く

三年振りだと

両の腕を開く


会いたかったエラ


その一言で

何もかも許す気持ちへ流れゆく


もしも二度捨てられたら

私はカイルを許せるのか


長い別れのときを忘れられぬほどに

打ち震える


手の震えで

酒にこぼしそうになったソレ


危ない

危ない


心の闇に蓋をしよう

青い封筒はとっておきの引き出しに


夫を愛しているのだから

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