「君の仕事は数字に出ない」とクビにされた俺のダンジョン救出配信がバズって、客を死なせてきた元上司が頭も下げずに「戻ってこい」と言ってくる
最新エピソード掲載日:2026/06/29
「君の仕事は、数字に出ないんだよ」――フロア全員の前で、そう言い渡された。
事故を防いだ実績はゼロと数えられ、保険査定士の霧島透は業界最大手を追放される。去り際、ただ一言だけ残して。「この誓約書、一箇所、致命的に足りていません」。
退職三日後。誰も助けに来ない単独攻略者の生配信を、透は偶然開いてしまう。同時接続四万二千。みなが一人の死を待っていた。透は安物のマイクを握り、ただ撤退ラインを読み上げる。煽らない。励まさない。「補償対象です」と数えるだけ。なのに――彼を経由した探索者は、一人も死なない。
配信が広がるほど、切ったはずの元上司が、頭も下げずに「戻ってこい」と繰り返す。透が三年前に起案し、あの男が朱書きで却下した、たった一枚の稟議書。いま、その署名が会社を静かに沈めていく。
事故を防いだ実績はゼロと数えられ、保険査定士の霧島透は業界最大手を追放される。去り際、ただ一言だけ残して。「この誓約書、一箇所、致命的に足りていません」。
退職三日後。誰も助けに来ない単独攻略者の生配信を、透は偶然開いてしまう。同時接続四万二千。みなが一人の死を待っていた。透は安物のマイクを握り、ただ撤退ラインを読み上げる。煽らない。励まさない。「補償対象です」と数えるだけ。なのに――彼を経由した探索者は、一人も死なない。
配信が広がるほど、切ったはずの元上司が、頭も下げずに「戻ってこい」と繰り返す。透が三年前に起案し、あの男が朱書きで却下した、たった一枚の稟議書。いま、その署名が会社を静かに沈めていく。