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『初級魔術しか使えない俺が、なぜか最強に近づいている』  作者: 北こたろう


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8/15

訓練場

昼休み。


 座学が終わった瞬間、教室の空気が少しだけざわついた。


 原因は多分、俺だ。


「初級って、魔力の流れが分かりやすいんですよ」


 さっき言った言葉を思い出す。


 別に変なことを言ったつもりはない。


 でも周囲からすると違うらしい。


「おいユウト!」


 教室を出た瞬間、ガルドが駆け寄ってきた。


「今から訓練場来い!」


「なんで」


「座学で言ってたやつ見せろ!」


「嫌だよ」


「なんでだよ!」


 朝からうるさい。


 後ろでセイルが笑っている。


「ガルド、お前ほんと元気だな」


「気になるだろ普通!」


 気持ちは分からなくもない。


 でも人前でやりたくない。


「ユウト」


 リアが立ち上がる。


「行けば」


「なんでリアまで」


「私も少し気になる」


 逃げ道がなくなった。


     ◇


 訓練場は昼なのに人が多かった。


 授業終わりの生徒達が、思ったより集まっている。


「マジでやるのか?」

「ホブゴブリンのやつだろ?」


 嫌な予感しかしない。


「ほら!」


 ガルドが木剣を投げてくる。


 仕方なく受け取った。


「……少しだけだからな」


 木剣を構える。


 風。


 足へ魔力を流す。


 一歩。


 加速。


 そのまま火球を二つ展開。


「うお」


 周囲が少しざわつく。


 火球を放つ。


 同時に水属性。


 軌道を押す。


 片方の火球が曲がった。


「……は?」


 ガルドが固まる。


「今、水で押した?」


「少しだけ」


「そんなこと出来んのか?」


「初級なら軽いし」


「いや意味分かんねぇ……」


 周囲も静かだった。


 すると後ろから声。


「魔力消費は」


 レオンだった。


 今日は昼だった。


 でもなんか最近よく会う。


「そこまで重くない」


「多重でか?」


「慣れれば」


 レオンが少し考える顔をする。


「熟練はいくつだ」


 空気が変わる。


 熟練度。


 高等部では、中級熟練1〜2が普通。


 3で優秀。


 初級熟練なんて、

 途中で止まるのが普通だ。


「火が8、水と風が7、土が9くらい」


 静かになる。


「……は?」


 ガルドが変な声を出した。


「待て待て待て」


「何」


「初級でそんな上がんの!?」


「上がるだろ」


「上がんねぇよ!」


 周囲もざわついていた。


「ていうか9ってなんだよ……」

「初級だろ?」


 レオンだけが黙っている。


「……だからか」


 小さく呟く。


「だから?」


「お前の魔力の流れが軽い理由だ」


 意味が分からない。


「普通、中級を覚えた時点で初級は止まる」


 レオンが続ける。


「だから魔力の癖が固定される」


 横でリアが小さく頷いた。


「でもユウトは違う」


「全部流れてる」


 また難しい話になってきた。


「いや分からん」


「お前、自覚ないのか……」


 ガルドが引いた顔をする。


 その時。


「おい見ろ」


 後ろから声。


 上級生達だった。


「あれがホブゴブリンの?」

「初級だけらしいぞ」


 視線が集まる。


 昨日までとは違う。


 馬鹿にする感じじゃない。


 もっと、


“なんだコイツ”


みたいな目だった。


「……面倒だな」


 小さく呟く。


 するとリアが少しだけ笑った。


「有名人」


「やめてくれ」

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