表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『初級魔術しか使えない俺が、なぜか最強に近づいている』  作者: 北こたろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/65

グレイウルフ

速い。


「っ――!」


 地面を蹴る音と同時に、

 グレイウルフが距離を詰めてくる。


 真正面。


 狙いはガルドだった。


「うわっ!?」


 ガルドが慌てて火球を撃つ。


 でも浅い。


 グレイウルフが身体を捻る。


 避けた。


「ガルド下がれ!」


 レオンが前へ出る。


 剣。


 炎。


 一閃。


 グレイウルフが横へ飛ぶ。


「チッ……」


 レオンが小さく舌打ちする。


 今ので仕留め切れてない。


「速いな」


「いやいやいや速すぎるだろ!?」


 ガルドの声が裏返る。


 でもその瞬間。


 後ろ。


 森の奥。


 また音がした。


 ザザッ。


「……一体じゃない」


 リアの声。


 空気が変わる。


「何匹だ」


 レオンが低く聞く。


 リアが目を閉じる。


「三……いや四」


「はぁ!?」


 ガルドが半分悲鳴みたいな声を出した。


 その時。


 左右の森から、

 灰色の影が現れる。


 囲まれていた。


「落ち着け」


 レオンの声だけが静かだった。


「群れなら連携してくる」


「分かってるならもっと怖ぇよ!」


 でもレオンは既に周囲を見ていた。


「ユウト」


「何」


「お前、右見れるか」


「多分」


「リアは後方支援」


「うん」


「ガルド」


「お、おう!」


「叫ぶ前に撃て」


「無茶言うな!」


 でも少しだけ。


 ガルドの呼吸が落ち着く。


 レオンの声には、

 そういう力があった。


「来るぞ」


 次の瞬間。


 グレイウルフが同時に動いた。


 速い。


 ゴブリンとは全然違う。


 一直線じゃない。


 回り込んでくる。


「右!」


 風。


 加速。


 踏み込む。


 グレイウルフの牙。


 ギリギリで剣を合わせる。


「重っ……!」


 押される。


 でも。


 前より身体が動く。


 風。


 火球。


 至近距離。


 グレイウルフが後退る。


 そこへ。


「《フレアランス》!」


 レオンの炎槍。


 直撃。


 一体が吹き飛ぶ。


「すげ……」


 ガルドが呟く。


 でも次の瞬間。


「ガルド!」


 リアが叫ぶ。


 左。


 別のグレイウルフが飛び込んでいた。


「っ!?」


 間に合わない。


 そう思った瞬間。


 ガルドの前へ火球が割り込む。


 爆発。


 軌道がズレる。


「ユウト!」


「早く撃て!」


「分かってる!」


 ガルドの火属性中級。


 炎弾。


 今度はちゃんと直撃した。


 グレイウルフが吹き飛ぶ。


「や、やった!?」


「まだ二匹」


 リアが即答する。


 その瞬間。


 後方。


 一体がリアへ回り込んでいた。


「リア!」


 踏み込む。


 風。


 加速。


 間に合う。


 剣。


 牙を弾く。


 近い。


 グレイウルフの目。


 鋭い。


 でも。


「……見える」


 自然に身体が動く。


 土。


 足場を崩す。


 一瞬だけ体勢が浮く。


 そこへ。


 炎槍。


 火球。


 風。


 全部繋げる。


「っ――!」


 爆ぜる。


 熱風。


 グレイウルフが吹き飛ぶ。


 静かになる。


 息が熱い。


 でも。


 怖いより先に、

 身体が動いていた。


「……お前」


 レオンが少しだけ目を細める。


「また笑ってるぞ」


 言われて気づく。


 確かに少しだけ、

 口元が上がっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ