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『初級魔術しか使えない俺が、なぜか最強に近づいている』  作者: 北こたろう


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16/19

初めての差

中級魔術を覚えてから三日。


 一番変わったのは、

 周囲じゃなかった。


 自分だった。


「……軽い」


 夜の訓練場。


 火属性中級。


 炎槍。


 展開。


 前より自然に流れる。


 無理やり押し込んでる感じがない。


 そのまま火球。


 さらに風。


 切替。


 止まらない。


「やっぱ変」


 後ろから声。


 リアだった。


「最近いつもいるな」


「ユウトがいつもいる」


 それはそう。


 リアは少し近づいて、

 炎槍を見る。


「もう安定してる」


「そうなの?」


「普通、中級覚えた直後はもっと荒れる」


「へぇ」


「なのにユウト、最初から流れが綺麗」


 自覚はない。


 でも確かに、

 初級の延長みたいな感覚はあった。


「……やっぱ初級熟練のせいかな」


「多分」


 リアが静かに頷く。


「基礎がそのまま繋がってる」


 その時。


「おい」


 訓練場入口。


 レオンだった。


「また来た」


「またとはなんだ」


 でも少しだけ、

 前より空気が柔らかい。


「レオン」


「模擬戦やるぞ」


「急だな」


「今なら意味がある」


 リアが少し目を細めた。


「……見たい」


「見世物じゃないんだけど」


「でも私も気になる」


 逃げ道がなかった。


     ◇


 訓練場中央。


 木剣を構える。


 向こうにはレオン。


 火属性上位。


 Aクラス。


 今の高等部でも、

 かなり強い側。


「手加減は」


「しない」


「怖」


 レオンは真面目だった。


 でも多分、

 少し楽しみにしてる。


「始め!」


 リアの声。


 同時に。


 レオンが踏み込む。


 速い。


 前よりさらに。


「っ!」


 火球。


 レオンが斬る。


 一瞬で距離を詰めてくる。


 剣。


 重い。


「――!」


 押される。


 でも前より見える。


 風。


 身体を流す。


 火球二重。


「またそれか」


 レオンが低く言う。


 炎槍。


 中級同士がぶつかる。


 熱風。


 でも。


「……!」


 レオンの方が強い。


 圧縮が違う。


 押し切られる。


「くっ……!」


 土。


 足場。


 横へ逃がす。


 その瞬間。


 レオンが少し笑った。


「なるほど」


「何が!」


「お前、本当に楽しそうだな」


 言われた瞬間。


 少しだけ止まる。


 でも次の瞬間。


 自分でも気づく。


 確かに、

 少し笑っていた。


「……そっちこそ」


「何?」


「レオンも結構楽しそう」


 一瞬だけ。


 レオンが止まる。


 その隙。


 風。


 踏み込み。


 剣。


「っ――!」


 レオンがギリギリで受ける。


 でも次の瞬間、

 少し目を見開いた。


「今の……」


「届きそうだった」


 息が熱い。


 でも不思議と嫌じゃない。


 今までと違う。


 中級があるだけで、

 こんなに景色が変わる。


 レオンが剣を下ろす。


「……なるほどな」


「またそれ?」


「お前が伸びる理由が分かった」


 レオンは小さく息を吐く。


「お前、戦うのが好きなんだな」


 一瞬だけ静かになる。


 でも否定は出来なかった。

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