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『初級魔術しか使えない俺が、なぜか最強に近づいている』  作者: 北こたろう


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10/20

Cクラス

高等部Cクラス。


 窓際の後ろ。


 そこが俺の席だった。


「なぁユウト」


 朝からガルドが机を叩いてくる。


「今度もう一回見せろよ」


「何を」


「ホブゴブリンの時の動き!」


「嫌だよ」


「なんでだよ!」


 最近こればっかりだ。


 周囲から小さく笑い声が漏れる。


 前までなら、

 こういう空気はなかった。


 馬鹿にされる側だったからだ。


「つーかさ」


 ガルドが椅子へ逆向きに座る。


「お前ほんと変わってるよな」


「何が」


「普通、中級使えない時点で心折れるだろ」


 少しだけ教室が静かになる。


 近くの生徒達も聞いていた。


「……まあ」


 実際、一回や二回じゃない。


 中等部の頃はかなり言われた。


 全属性適性。


 期待されて。


 でも中級が使えない。


 周囲が先へ進むたび、

 置いていかれた。


「辞めようとは思わなかったのか?」


 ガルドにしては珍しく真面目な声だった。


 少し考える。


「祖父がうるさかったから」


「は?」


「毎日剣振れって」


「それで続くか普通!?」


「続いた」


 ガルドが頭を抱える。


 その時。


「静かにしろ」


 教室の入口。


 教師が立っていた。


 一気に空気が締まる。


「今日はクラス対抗戦について説明する」


 ざわつき。


 クラス対抗戦。


 高等部の定期実戦行事。


 A〜Cまで合同で行う模擬戦形式の試験だ。


「今年は混成戦闘」


 教師が続ける。


「クラス合同で班を組む」


 教室が少しざわつく。


「上位クラスとの連携を見る」


 嫌な予感がした。


 教師が紙を広げる。


「仮班を発表する」


 視線が集まる。


「第三混成班」


 教師が紙を見る。


「レオン・ヴァルセイド」

「リア・フィンネル」

「ガルド・ベイン」

「ユウト・アークレイ」


 一瞬だけ静かになる。


「は?」


 ガルドが変な声を出した。


「リアってBだろ!?」

「レオンAじゃねぇか!」


 周囲もざわつく。


「なんでCと混ぜるんだ?」

「レオン絶対嫌がるだろ……」


 でも教師は気にしていない。


「以上だ」


 それだけ言って教室を出ていった。


 空気がざわつく。


「終わった……」


 ガルドが机へ突っ伏す。


「俺絶対胃痛くなる……」


「大げさだな」


「相手レオンだぞ!?」


 まあ、それは少し分かる。


 その時。


 廊下側の窓から視線を感じた。


 振り向く。


 リアだった。


 Bクラスのローブ。


 廊下からこっちを見ている。


 目が合う。


「……」


「……」


 数秒。


 リアが小さく口を開いた。


「よろしく」


 それだけ。


 そのまま去っていく。


「なんでわざわざ来たんだ……?」


 ガルドが呆然と呟く。


 その数秒後。


 今度は反対側の廊下。


 赤いローブが見えた。


 レオン。


 Aクラスの紋章。


 でも教室へは入ってこない。


 ただ一瞬だけ、

 こっちを見た。


「……面倒そうだな」


 小さく呟いて、そのまま去っていく。


「おい今の聞いたか!?」


 ガルドが騒ぐ。


「絶対面倒って思われてるだろ俺ら!」


「実際面倒だし」


「ユウトお前なぁ!」

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