表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
126/138

第122話:【休日フリーの歓喜】

目が覚めると、時計の針はいつもの時間になっていた。


(昨日あれほどしんどくてお風呂にも入らず寝たのに……身体の習慣って恐ろしいわね)


私は苦笑しつつベッドから脱出し

まずは溜まりに溜まった汗と疲れをさっぱり流すべく

とりあえずお風呂場へ直行した。


30分後。

お風呂から上がり、すっきりした顔で部屋に戻ると

ようやく千晶が目をこすりながら起きてくるところだった。


「おはよう、千晶」

「おはようございます、お姉さま。体調はどうですか?」

「少しだるいけど、もう大丈夫よ」

「よかったです! それじゃ、お風呂行ってきますね!」

千晶はホッとした顔をしてお風呂へ向かっていった。


千晶がお風呂に入っている間、私は今日の予定を確認する。


(今日は何もないけど、2日目からは上級生……

2年生や3年生の競技が始まるのよね。

つまり、私は1日フリーの日! 何をしようかな!)


久々のフリータイムにワクワクしていると

千晶がお風呂から上がってきたため、私は用意していた私服に着替え始めた。


着替えを終えたところでコンコンとドアがノックされ

開けると香澄ちゃんが立っていた。


「起こしに来たんだけど、起きてるとは思わなかったわ」

「ふふ、ありがとう。ご飯行こう?」

「もちろんよ」


香澄ちゃんの返事に頷き、千晶を呼んでホテルのレストラン

(エシュ学園生徒用の広間)へ向かった。



広間に到着し、全員が揃うまで待っていると

周りは制服姿ばかりの中で私だけが私服のため、1人だけ露骨に浮いてしまっていた。


「浮いてるわよ、有希」

香澄ちゃんにジト目で言われていると、そこへ花梨ちゃんがやってきた。

私服の私を見た瞬間、花梨ちゃんの『熱狂信者モード』が即座に発動する。


「ゆ、有希様……っ!! なんというお可憐な私服姿……! 素晴らしいです、有希様!!」

目を輝かせて大絶賛してくる花梨ちゃんに、私はあははと苦笑いした。


「昨日のあのフォーマルなドレスに比べたら、私服で浮くくらい屁でもないよ。

 むしろ今日フリーだから楽しみすぎるのよ!」

私が熱弁していると、全員が揃い、みんなで食事を済ませた。


食事を終えると、壇上に先生と御子柴巧(巧兄さん)が出てきた。


「今日から2年生や3年生の競技も始まる。

この時に合わせて御子柴に魔道具を注文したやつは取りに来い。

注文してないやつはこちらの使い捨ても用意してある。

もう一度言うが、1度使ったら使えなくなる。使い捨てだ。

学園の補助もあって普通より安く買えるがな」


先生の説明が終わると、壇上の前には一気にたくさんの人だかりができた。


「香澄ちゃんと花梨ちゃんはいいの?」

私が尋ねると、香澄ちゃんが腰の武器を指差した。

「私はいいわ。武器を作ってもらったしね」

「私は……お金がないので……」

肩を落とす花梨ちゃん。


「それじゃ仕方ないわね。あ、花梨ちゃん。あとで魔法を教えてあげるよ」

「――えっ!?」

花梨ちゃんは一瞬呆然とした後、「有希様ぁぁぁ!!」と泣いて喜んだ。


人がはけたところで、私は巧兄さんのところへ挨拶に行き声をかけた。


「巧兄さんお疲れ様です。来てたんですね」

「やあ有希ちゃん! これはうちの稼ぎ頭だからね。

これで宣伝も兼ねてるんだ。今年は有希ちゃんのおかげで技術も上がって

専用魔道具がすごくいい物作れたんだよ!」

巧兄さんは興奮気味に語りかけてくる。


「それはよかったです」

私がニコリと微笑むと、巧兄さんは言葉を続けた。


「専用魔道具だから使い捨てではなく何度も使うことができるんだ。

ある程度メンテナンスが必要だからそこで稼げるしね。

あと、ようやく覚醒協会に魔力Wi-Fiを設置し終えて、

ここ(競技会場)にも設置許可が下りたんだ。だから夜のうちに設置したんだよ。

で、その作業を終えてここに来たってわけ」


「なるほど、夜通しで作業してたんですね」

「それしか時間ないからね!

それじゃ、僕は一旦部屋に戻って休むことにするよ。またね!」

巧兄さんはそう言い残し、部屋に戻っていった。



会話を終え、香澄達の元に戻る。


「今日どうする?」

「有希様、ぜひさっき言っていた魔法を教えてほしいです!」

「私は試合を観戦して買い物かな?」


「なら、少し魔法を教えて、そのあと試合観戦とかする?」

私の提案に香澄ちゃんと花梨ちゃんが賛成する中

千晶だけが一人寂しそうな顔をしていた。


「あ……千晶、あとでまた色々付き合ってあげるわ」

「本当ですか!? 約束ですよ!」

しっかり約束をさせられつつ、私たちは部屋に戻った。



部屋に戻り、「このままでいいかな」と口に出しながら考えていると

千晶から待ったがかかった。


「ダメです!」

「えっ、それじゃ千晶が選んで頂戴」

任せると、千晶は持ってきた服をズラリとベッドの上に並べ始めた。


「これがいいです!」

千晶が選んだ服を、私はしぶしぶ着替えた。


「とても素晴らしいです、お姉さま!」

パァッと顔を輝かせる千晶に、私は少し納得がいかず首を傾げた。


「……どうして皆、私をそんなに露出させたがるの?」

「お姉さまは自分の魅力というものを分かってなさすぎます!」

「いや……これ以上声かけられたくないんだけど」

「そのための花梨様と香澄様ですよね?」


(……あ、なるほど。護衛がいるから大丈夫ってことね)

綺麗に納得させられてしまった。


その時、コンコンとドアを叩く音とともに、香澄と花梨の声が聞こえてきた。

どうやら、お出かけの時間がやってきてしまったようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ