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第54話・建て直すの日々・幕間・フェリー:深夜のティーパーティー・裏

第54話・建て直すの日々・幕間・フェリー:深夜のティーパーティー・裏


==========

世界の外側にある龍域空間でフェリー、我は目の前の存在──いまは『存在が確立された少女:クロ』状態の『虚無』……その黒髪の幼女を強く警戒していた。


本能が、激しく警鐘を打ち鳴らしている。


(本当に、最悪な相手だ。観測できないなら、可能性の未来の『我々』からの援助が期待できない、『解析』も対象外)


たとえその幼稚な言動と細い身体でも、油断大敵だ……それは名前が付いたせいで、その隙だらけで弱くなった。


まだ『名前なし』の頃、昔はもっと無機質で無愛想に……いまはそうはしないみたい。


「それで、キミが言った『運命の人』はどっち、ナキアだよね。」


「ふふ~、フェリーステラ=ヨグティルはとぼけるのが~。もちろんあの虚無の魔力を持つ人の子だよ~」


はあ、本当に悪い相手に狙われてしまったな、天城暁。


でも、虚無の魔力?あいつにそんなものが宿っているなんて、虚無関連なものは観測できないから全然気づけなかった。


何処かでそいつと遭遇したが……分かった、あのカメレオンの時か!


だからあの時の暁は独り言じゃなかった。


話し相手がその姿に騙されたコイツだ。


「全名を呼ぶなと言っただろう。」


「えー、なんでー?名前は大事だよー?クロも名前を得ましたと、それをよく理解したよ。名前はその存在を定着し確立する大事なもん。」


『虚無』の頰を膨らませて、丁寧に解釈する。


「まあ、いいや。フェリーで呼んで。」


「やったー!フェリー~」


その許可が出たとたん、彼女はただの幼女のように跳ねて全身で喜びを表現した。


「で、キミは暁──運命の人に何をするつもりですの?」


「あのね、あのね。それは……」


この質問を聞いたとたん、彼女は跳ぶのをやめた。


両手で自分の頰を触り、その暗闇の瞳は光を飲み込むような暗さになった。


その小さな口が、静かに答えた。


「……もちろん、喰うだ。血も、身体も、精神も、魂も、ぜんーぶ~クロの中に溶かしてしまいたいです。……でも、そうすると、運命の人は消えたから、クロは迷っちゃう~。どうしよう~、フェリー?」


「させるな!『再現:無限鎖』……ッ、これは魂も縛れるのに無効か。」


その不穏な答えを聞いた瞬間、我は手を振って数十本の本を呼び出し、金色の鎖を『虚無』へ飛ばした。


これは完全に不意打ちだったが、まるで空気のように彼女を透かして無効化された。


本当にただの一瞬に鎖で視界から掻き消えた彼女の声が、今度は我の真後ろから聞こえてきた。


「そんなに反応する必要がー?」


「くっ、いきなり背後に……『再現:選定聖剣の一撃』」


「それ、危ないかも『虚星』。うん、胃袋の中に暖かい~」


一本の本を開けた黄金色の極光斬撃が放出されたが、彼女を命中する前に歪んだ空間に現れた黒点に飲み込まれて喰って消えた。


「本当に厄介な……その問題の我の答えはこうだ、そんな事するな!」


なら、言葉で止めれば……まったく、その空虚な本質で本能的に自分を満たすために周囲のものを喰う、悪意はないただ無意識に世界を終末する厄災。


いまは人格を得たなら、一縷の望みで我の言葉を聞けば。


「うん~、そのまま受け入れるも良いけど……せっかくクロと遊んでますからもっと、もっと、遊びたいー。なら、クロに『負け』されるなら運命の人を魔力以外を食べない、いいー?嬉しいな、楽しいな~!遊びを始めよう、行くよ~」


「こら、勝手に──危ない!?」


『虚無』は技量のないただ手を振ってだけで見えない攻撃がその延長線上の本棚を壊した。


「あ、外れた~」


「これだから同族と顔を合わせるのは気が進まないんだ。どいつもこいつも、人の話を聞かずに好き勝手やりやがる。ああ、もうー!戦いに嫌なのに、我も少し戦闘モードに出すが、『真理記録』!」


我は手を前に伸ばして、一つ複雑な紋様が飾り付けた古き本を呼び出す。


これはこの図書館に持つ全ての本の集合、『智慧』の理の具現。


「やった~!本気に遊びしよう!」


「あれは短い時間だけに成立するけど、既に解析された──『再現:焦天蓋・灼天神殿』」


浮遊している本は言葉に応えて一つのページを開けると、あの頃発動してすぐ崩壊された六星久那の神殿魔法陣がこの異空間全域に再び現れた。

熱風で温度が上がり、あの煉獄も再現された。


この神殿魔法陣に組み合わせた耐性貫通も『虚無』に効くはずだが、彼女の様子を見るとただ熱いだけ。


「え、なにこれ!これは熱いかも、でも耐えられる~!でも、これだけ?」


新たなものが現れたから、『虚無』は楽しそうに見つめ、その攻撃も止めた。


「もちろん、これを選んだのはこれだけじゃない──『耀変、煉獄の天使』、これを喰らえ!」


「え、喰うのが?なら、頂き~!」


そして、この神殿魔法陣の本当の効果を発動する──我の頭上に大きすぎる光輪が現れ、炎に作れた天使の翼を生み出した。


この効果は神性上昇、火属性耐性無効化、範囲内の全対象に火属性弱点付与、全身に治癒が続く不死炎を纏う。


本来であれば大技があるから、あの戦いに不発で観測されないから詠唱が必要……そうする暇はないから、ないと同義。


本来の持ち主に遥か上に無数の熱線を放つ、グレードアップされた炎の幻獣が赤い波濤となって彼女に襲いかかるがーー


「あははは~!」


……予想通り全部両手が開けてぐるぐる回された彼女に『見えない物』に喰われてしまった……だから放出系はダメだ。


でも、これはあくまでも時間稼ぎだけ、本念はこれだ。


「『再現:塑炎・擬制炎剣:レーヴァテイン』、『再現:擬制影剣:ティルフィング』、それと『真理記録・検索、編纂:達人の武技』」


我は再現され、更に魔力が込められたより強力な烈陽と影の魔剣を持ち、炎色の軌跡で電光石火のスピードで『虚無』へ奔襲する。


「モグモグ……?あ、危ないかもー」


左右の手に握られた両本の魔剣で模倣された武技を上げた身体能力を使い、絶え間ない連続斬撃を繰り出した。


「うねうね、回避するじゃーないよ!キミはウナギだよ!!『再現:塑炎・天火の剣』」


たとえ嵐のような斬撃を放つが、彼女は流体のような人間には出来ない動きで回避された、レーヴァテインの烈炎とティルフィングの影も命中しない。


追加させた即死効果を持つ黄金の炎剣が標的が捕捉出来ないから外し、そのまま役立たずに変な方向へ飛んで消えた。


「えー?」


でも、彼女はそれで一瞬だけ意識を逸らし回避が遅れ、赤と黒の軌跡が彼女を十重二十重に切り裂いていく。


『虚無』はそのまま跡形もなくバラバラに切り裂かれ、地面に黒色の液体が水溜まりのように残された。





*





「そのまま死んだふりするが、それとも『負け』に認めるが?」


我は地面に広がった黒色の液体に話しかける。


こいつだけはそう簡単に死にやしない。


──『存在が確立された少女:クロ』から、『欺瞞の妖精』に移行──


その黒色液体は収束され、小さな黒い妖精の姿になった。


「まさか命中させるなんて、すごい~、すごい~!」


「なら、我の『勝ち』に認めるが?」


そのまま満足されるなら幸いだが……


「そんな事はないよ、続けよう~!むむうー!」


何だコイツは何か発動したが、何も起こらなかった。


「これは、事項改変?はあ……キミは頭まで空っぽでボケてするが?我の『真理記録』は記録されるものを定着して、パッシブの『自動書記(オートセーブ)』は常時記録内容を更新するからこの図書館(龍域)のものは改変されない……次。」


「え、そんな──!?ぶか……」


炎色の剣閃で『虚無』を両断し、再び黒色液体に戻した。


──『欺瞞の妖精』から、『虚栄の巨竜』に移行──


今回はドロドロの水溜まりが拡大し、次の瞬間、その中から黒き鱗のドラゴンが飛び出して、この果てのない異空間に急上昇し、圧倒的な高度の優位を確保した。


そのまま黒きドラゴンの中心から輝く、あれはブレスにチャージする体勢だった。


「今回はドラゴンか、スライムは『進化』だけで十分なのに……でも、ドラゴンを伝承や殺す方法は山ほどある、『真理記録・検索、編纂:龍殺の詩』」


再現された無数の殺龍者の虚影がその手に届かない高い空に次々と現れて、あれは伝承の中に登場するが、別世界で偉業を成し遂げたもの。

それぞれの殺龍絶技で『虚無』に攻撃する。そして彼女から悲鳴が上がった。


「え──!?まずい、溜まったエネルギーは制御できない!?爆発しちゃう──!!!!」


完全に予想外の攻撃でそのドラゴンの顔が焦ったまま、爆発四散して暴走されたエネルギーと共に黒色の雨が降り注ぎ、無数の本棚を壊された。


「……!『再現:不滅の聖盾』。うぅ、我の図書館(龍域)が!?本当に広域汚染の汚い花火でした、この後は必ず賠償を要求するから覚えてろ……次は何に変化するが」


──『虚栄の巨竜』から、『虚偽の騎士』に移行──


次は一番大きな水溜まりから黒き鎧の騎士に変わった。


『虚無』の騎士はただ剣に手を触って、一切の攻撃行為もなく、見えない斬撃が放たれ、我に再現された不滅の聖盾に雨のような斬撃を浴びせる。


「もう長いから、少し本気を出そうー『禁書書庫、解禁』。『禁書・『貫通』の章:時の槍、逆時一撃』」


そこまでは流石に我もイライラする。


その騎士の後ろから時針のような槍が貫通され崩れた。その後がその槍は自分の手に握れて前に刺す。

時間を歪んで、攻撃する前に命中する。


──『虚偽の騎士』から、『偽造の悪魔』に移行──


今回『虚無』は禍々しい典型的な悪魔の形になった。


「もう、フェリーの大噓!何が戦いに苦手ですが、これは──」


『虚無』の話を待たず、時の槍を投げてそいつを地面に釘付けにした。


「今回も妖精と同じく欺瞞系や幻術系が、『禁書・『斬裂』の章:決して折れぬ心の刃』、次。」


なら、その動きする前に殺せばいい。


再現された『斬裂』の刃を操って『虚無』を両断する。


追加されて、旧時代の武器を再現され全弾撃発する。その残骸も残さずに消した。


──『偽造の悪魔』から、『■』に移行──


うん?これは……


今回は形が変わらない、その黒色液体が変わらないまま、圧倒的な大きさのドロドロの流体なドラゴンの形。

その顔もない無貌、頭にあるはずの処に赤く光っている。


「もう~クロの話をちゃんとに聞いてよ、もうこれは遊びではない!でも、『貫通』と『斬裂』が……なら『粉砕』のウォーハンマーの武器も使えるが?」


「『粉砕』が、あいつの防御力が高すぎるから絶体絶命の窮地に成れない、その最終段階の武器は一度も観測できないから使えない。」


その顔もないけど、『虚無』はがっかりしたように感じた。


「そっか、残念でした……クロはもう満足させた、フェリーの勝ちに認めよう。約束して運命の人を喰わない。『偽りの漆月』に移行します~」


『虚無』が頭を上げて、身体に構成された全部の液体を収縮して一つの黒き月のようになった。


「おい、バカ!キミは何をするつもりだ!」


「──なら、この全てを『無かったことにしよう』」


そして、全てが黒に染まった。





*





「本当に厄介な……その問題の我の答えはこうだ、そんな事をやめなさい!」


なら、言葉で止めれば……


「うん、いいよ。クロはそうするにやめました。」


んー?


んんんーーー???


妙に素直で不自然で……


「──まさか!?お出で、『真理記録』……記録は確かに異常なし、でもその違和感は?」


我の困惑を無視して、『虚無』は話を進める。


「てっきりフェリーもクロと同じ、運命の人を喰いたいだろうに……」


「誰がそのわけわからん噂を教えるかな!」


「それは、ミロス/アリスに新しい得られた名前を自慢に行ってくる時に聞きました。」


「『鏡面』って、あいつは鏡で平行世界が観察出来るけど、どうやって我を理解するが。って、それのどっち」


「うん……アリスの方かな?」


「ミロスなら無知だから許す、けどアリスなら決してわざとに違いない。」


くっ、この頭空っぽのやつに勝手に変な事を教えないよ、アリスの愉悦的な表情が想像出来、もう!


「我はキミみたいな文字通り食べる意味じゃない、一緒にするな!」


「え、もしかしてべつの意味があるー?その方法は運命の人は消えてないのがー?お願いフェリー!教えて、教えてー!クロに教えてよ~」


「それは……、座標を教えるから、自分で本棚の本を見て下さい。そう言えば、キミはどうして我の処に来ますが?」


我がそれを質問すると、『虚無』はその場で嬉しそうにぴょんぴょんと跳ね回っている。


「それは、もちろん~!運命の人から貰いました名前を自慢するだよ~」


「はあ、なら先に言ってればいいのに……全部アリスが変な知識を教えたの悪い。」





*





「で、キミはいつ帰るつもりなわけ?」


我の領域の中に、テーブルの向こうは我の本を読める『存在が確立された少女:クロ』状態である『虚無』がいた。


「それは、運命の人と会えるまで?ケーキが消えた、おかわり!」


「はあ……『再現:ティラミス』」


「おお~!まだ知らないケーキ!頂きます!」


こいつがいる限り我は圧力が溜まっている。

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