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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第90話:全て終わったよ~サターン視点~

「マリオネット、ちょっと掃除をして来るから待っていてね」


 マリオネットに口づけをし、着替えを済ませた。


 そして、魔力を一気に込める。


 その瞬間、景色が変わる。


「あいつ、どこに逃げたんだ!絶対に見つけ出せ」


 静まり返る真っ暗な街の中、兵士たちが必死に何かを探している。ここはマントレス王国の首都だ。あの戦いの後、魔術師を死なせてしまった王族と一部の貴族たちは、他の貴族や国民から大バッシングを受けた。


 魔術師がまだ生き残っているアンデルサン王国が、万が一怒って攻めてきたら、マントレス王国はおしまいだ。そう絶望に打ちひしがれ、国中がパニックに陥ったらしい。そして王族派と反王族派の戦争が始まったそうだ。


 だが、ほとんどの貴族が反王族派についた事で、すぐに決着はついたらしい。国王や王妃、王太子は皆捕らえられ、処刑された。


 事の発端でもあるぺスタナも捕らえられ、処刑される予定だったのだが、どうやら処刑前に逃げ出したらしい。あいつには、協力者がいたのだ。


 だが反王族派の素早い対応で、あの男は王都から出る事が出来ず、今も逃げ回っているとの事。


 さて、あのドブネズミはどこに隠れているのかな?


 魔力を込め、奴の居場所を探す。


 ここにはいなさそうだな。そう思い、移動しようとした時だった。


 あいつの気配を感じたのだ。なるほど、あんなところに隠れていたのか。ドブネズミにはちょうどいい場所だな。


 早速奴がいる場所へと移動する。


 冷たく暗い地下、鼻に付くような激臭。ネズミがあちらこちらを走り回っている。まさしくあの男にふさわしい場所だな。まさかこんな場所に、隠れていただなんて。


 それにしても、臭うな…


「どうしてこんな事になってしまったんだ?こんな臭くて汚い場所に、もう1週間も隠れているだなんて。とにかく、早く他国に逃げないと。それで、王都を脱出できそうなのかい?」


 どうやら協力者に必死に訴えている。見たところ、あのドブネズミに惚れた令嬢の様だ。あいつ、無駄に見た目だけはいいから、未だにこんな男に協力する愚かな女がいるのだな…


「ぺスタナ殿下、今王都から出られる様に手配を進めているのですが…何分反王族派勢力が、王都からの出口を全面的に封鎖していて。


 悪党たちも本来ならお金を払えば動いてくれるのですが、今回は彼らからの協力も難しくて。とはいえ、台車を1台手配できましたので、その台車に潜んで脱出できるかもしれません。


 私は今から準備して参りますので、少しお待ちください。ぺスタナ殿下、もし脱出に成功したら、私と結婚してくださいますか?」


「ああ、もちろんだよ。私が愛しているのは、君だけだよ」


 そう言うと、あのドブネズミが女の頬に口づけを落とした。


「嬉しいですわ。すぐに準備して参りますね。脱出は日が昇るくらいの早朝が良いでしょう。それでは、もうしばらくお待ちください」


 嬉しそうに女が走ってどこかに行った。


「くそ…どうして私が、あんな醜い女と…まあいい、あの女を利用してこの国を出られたら、あいつを捨ててもっといい女を手に入れればいい。それよりも、ここから一刻も早く出ないと。そもそもこうなったのも、あのにっくき男のせいだ。あいつさえいなければ、私は今頃…」


「今頃、どうなっていたというのだい?」


 あまりにも身勝手な言い分に我慢が出来なくなり、この愚かな男に問いかけた。


「ど…どうして貴様がここに?命を落としたのではなかったのか?」


 ひぃぃぃぃ!と言いながら、腰を抜かし後ずさっている。その姿は本当に醜い。


「俺がいつ死んだって?まあいい、貴様だけはどうしても許せなくてね。処分しに来たのだよ。貴様の家族は皆処刑されたと聞いて、貴様ももう死んでいると思っていたが。まさかこんな汚い場所で、ドブネズミのように生きながらえていただなんて。


 ある意味尊敬するよ」


 ニヤリと笑って、真っすぐあの男を見つめる。


「ま…待ってくれ…見ての通り、私は全てを失った。地位も財産も、家族も。もう私には何も残っていないんだ」


「何も残っていない?まだ残っているじゃないか。ここに…」


 男の心臓部分を指さす。


「ひぃぃぃぃ!どうか命だけは…」


 必死に命乞いをする姿。見苦しい。本当にこいつを処分する意味があるのだろうか。


 だが、こいつのせいでマリオネットは!


 半年間のマリオネットの様子が、脳裏によぎった。やはりこいつだけは。


「貴様だけは、どうしても許せない。地獄に落ちろ」


「ま…待って…ギャァァァァ…」


 その場に倒れ込み、全く動かない男。これで全てが終わった。


 さあ、マリオネットの元に帰ろう。


 こうして俺はその場を後にしたのだった。

※次回、マリオネット視点です。

よろしくお願いします。

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