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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第88話:夫婦で過ごす初めての夜【後編】~サターン視点~

 食事が終わると、そのままティータイムだ。こんな風にゆっくりと屋敷で過ごすのは、いつぶりだろう。


 そもそも屋敷でこんな穏やかな気持ちで過ごす事なんて、今まであっただろうか。そう思うほど、穏やかな時間が過ぎていく。


「サターン様、見て下さい。これ、私がデザインした宝石ですの。ディーズ公爵領は、とても立派な宝石が取れるでしょう?これほどまでに立派な宝石が取れるのに、あまり世に出回っていなかったことが信じられなくて。


 今我が国はもちろん、他国でもディーズ公爵家の宝石が、注目されているのですよ」


 マリオネットが見せてくれたのは、立派なエメラルドが加工されたブローチだ。


「執事から聞いたよ。君が公爵領を、より良くしてくれたのだってね。それで、自国のみならず、他国からも注目されているとの事。だが、その様な事は、俺や父上の仕事だから、君はのんびりしていればいいのだよ」


 俺が半年もの間、再起不能だったせいで、マリオネットには家の仕事を色々と押し付けてしまっていた様だ。これからは、ゆっくり休んで欲しいのだが…


「私、どうやらこういったお仕事が好きな様です。どうかこれからも、領地経営に関して、特に宝石の輸出等に関しては、私にも手伝わせていただけないでしょうか?ディーズ公爵家で取れ、私が手掛けた宝石たちで人々が喜んでくれる。


 こんなに嬉しい事は、ありませんわ」


 目を輝かせえて話すマリオネットを見ていたら、ダメだと言える訳がない。


「わかったよ、ただ、無理はしないでくれ。それから、今後そういった話は、俺も参加していく。マルシェル王国にも行きたいと言っていたね、2人で行けるように手配を進めよう」


「ありがとうございます、サターン様」


 本当はマリオネットを、この屋敷に閉じ込めておきたい。人の目に触れさせたくはない。だが…それは俺の我が儘だ。マリオネットには、いつも笑っていてほしい。だからこそ、彼女のしたい事をさせてあげたい。もちろん、俺の監視付きで。


 それにしてもマリオネットは、ビジネスのいろはをよく知っている。一体どこで覚えたのだろう。マリオネットの事だ、必死に勉強をしたのだろうな。この半年、この子はどれほど努力を重ねて来たのか、どんどん取り残される気がして、胸の奥がざわつく。


 ふと時計をみると、もう夜の10時を回っていた。


「マリオネット、話しはこれくらいにして、そろそろ休もう。湯あみをしておいで」


「まあ、もうこんな時間なのですね。承知いたしましたわ。それでは…後程…」


 少し頬を赤らめ、そう呟くとマリオネットは自室へと入っていった。俺も一旦自室へと戻り、湯あみを済ませる。


 今日は夫婦で初めて過ごす夜の時間だ。それが何を意味するのかを、マリオネットは理解しているだろう。もちろん俺もだ。


 使用人たちも分かっているのか、いつも以上に入念に体を磨き上げていく。湯あみが終わり、準備を整えると寝室にやって来た。マリオネットは、まだ来ていないようだ。


 ついに夢にまで見た瞬間が、もうすぐ訪れる。考えただけで、口から心臓が出そうだ。だめだ、俺が動揺してどうする。きっとマリオネットは、もっと緊張しているはずだ。俺がしっかりしないと。


 だが…


 つい部屋の中をウロウロとしてしまう。その時だった、ゆっくりとマリオネットの部屋のドアが開いた。


「サターン様、お待たせして申し訳ございません」


 頬を赤らめ、ゆっくりこっちにやって来るマリオネット。かなり緊張している様だ。


「そこまで待っていないよ。さあ、こっちにおいで」


 そんなマリオネットの手を引き、そのままベッドへと誘導する。そしてライトを消した。窓から月の光が照らされる。月の光に照らされたマリオネットは、本当に美しい。


 ごくりと唾をのむ。ゆっくりとマリオネットに近づき、口づけをした。いつも以上に甘く、深い口づけを交わす。


「サターン様…あの、私…」


「マリオネット、とてもいい匂いがする…大丈夫だ、力を抜いて…」


 少し緊張気味のマリオネットに声をかける。そしてゆっくりと、事を進めていく。


 極力優しく、ゆっくりと。少しでもマリオネットに恐怖を与えないように…だが、どんどん感情が溢れ出ていく。いつしかマリオネットの緊張も解け、お互いが求め合う。


 まるで今までの時間をうめるように…


「サターン様…大好きですわ…」


「俺も、愛しているよ。マリオネット!」


 何度も求め合う、こうして俺たちは名実ともに夫婦になったのだった。

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