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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第83話:気が狂いそうだ~サターン視点~

 使用人たちが一目散に逃げていく姿を見守りながら、腕の中で眠るマリオネットを見つめ、そっとベッドに置いた。そして俺自身も横になると、再び強く抱きしめた。


 あの戦いの後、俺は半年もの間、眠り続けていた様だ。正直意識を失った後の記憶は、全くない。ただ、目覚める寸前、温かい光に包まれる感覚がした。すぐにわかった、マリオネットのオーラだと。


 目覚めた時、まさかマリオネットが傍にいるとは夢にも思わなかった。俺はまだ、夢の世界にいるのだろうか…まさかマリオネットが、俺の隣で眠っているだなんて…


 俺にしがみつく無防備に眠るマリオネットが愛おしすぎて、そのまま抱きしめた。桃色のサラサラの髪を何度も撫で、口づけをしていると、マリオネットの瞼がゆっくりと開き、宝石のような紫色の瞳と目があう。


 一瞬大きく目を見開いたマリオネットは、そのまま俺の頬に触れる。愛おしいマリオネットの手を握り、口づけをした。


 するとマリオネットの瞳から、ポロポロと涙が溢れだしたと思ったら、急にゴシゴシとこすり出したのだ。


 慌てて止めた、どうやら俺たちは、まだ夢の中にいるようだ。あれほどまで魔力を使った俺が、痛みや苦しみを全く感じていないどころか、フワフワしている。きっと夢なのだろう。


 そう思っていたのだが、どうやら現実だった様だ。俺は半年もの間、眠り続けていたうえ、今日俺とマリオネットは正式に籍を入れる事が決まっているらしい。


 何てことだ!まさか半年も眠り続けていただなんて。


 とはいえ…本来なら命を落としてもおかしくはなかっただろう。あの時俺は、自分の持つほぼすべての魔力を、あの男にぶつけたのだから…


 それなのに、半年間眠り続けていたとはいえ、どうして魔力がこんなに回復しているのだろう。魔力なんて、スズメの涙くらいしか回復する事が出来ないのに…こんな回復、一生かかっても無理だ。


 もしかして、マリオネットのオーラが俺の魔力を回復させたのか?彼女のオーラに触れると、温かいものに包まれる様な感覚を覚える。


 それと同時に、力がみなぎって来るのだ。まるで魔力が沸き上がる様な…


 何となくそんな気はしていたが、いざ魔術師からその話を聞くと、一気に不安になる。俺のせいで、マリオネットに負担をかけていたと思ったら、気が気ではなかったのだ。


 だが、そんな心配は不要だった。どうやら彼女の無償の愛のパワーが、魔力を作る源になっているとの事だ。


 マリオネットの体に負担がないと知り、ホッとしたと同時に、これで俺が魔力を失い命を落とす事もない。マリオネットを1人残して、早死にする事もない。ずっと不安だった、もし俺が早くに死んだら、マリオネットを1人にしてしまう。


 きっとマリオネットは、深く悲しむだろう。そんな姿は、見たくない。何よりも俺自身が、1日でも長く生き、マリオネット傍にいたいからだ。


 それにしても、マリオネットは女神の様な女性だ。彼女のお陰で、俺の悩みは一気に解消された。


 ただ…


 なぜか父上や魔術師たちと距離が近い。それが非常に気になる。この半年、マリオネットはどう過ごしていたのだろう。


 彼女の動きが知りたくて、マリオネットにはいつも通り行動してもらった。すると、あろう事か父上だけでなく、庭師の若い男とも仲良くなっていたのだ。


 どいつもこいつも、マリオネットを愛おしそうに見つめやがって。父上なんて、全く人間に興味がなかったではないか!


 母上にすら、非道な態度をとっていたくせに。


 ふつふつと沸き上がる怒りを抑える事が出来ずに、感情が爆発した。案の定、使用人たちは怯え、必死にフォローしている。ただ、当のマリオネットは、俺の怒りなど全く気にしていない様子。


 嬉しそうに色々と話してくれた。このままだとマリオネットがどこかに行ってしまう、恐怖を感じた俺は、体調が悪いと訴えマリオネットをベッドに誘い込むと、そのまま魔法で彼女を眠らせたのだった。

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