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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第82話:使用人たちの苦悩【後編】~使用人視点~

「失礼いたします。サターン様、お呼びでしょうか?」


 恐る恐る部屋に入る使用人たち。一体今から何が起こるのだろう。


「急に呼び出してすまなかったね。俺が意識を失っている間に、マリオネットの様子を聞きたくてね」


 人らしき人物をしっかり抱きかかえ、ニヤリと笑うサターンに、使用人たちの背筋が凍り付く。


 頭までしっかりシーツが掛けられているが、間違いなくマリオネットお嬢様だ。そこにいる全ての使用人たちが、そう思った。もちろん、恐ろしくて誰もその事に触れる者はいない。


「君、いつもマリオネットの傍に、ずっといる子だよね?マリオネットはこの屋敷に来てから、どのように過ごしていたのか、事細かに教えてくれるかい?もちろん、正直に全てを話してくれ。


 嘘を付いても無駄だよ。俺は魔力で君が嘘を付いているかどうか、わかるのだから」


「ひぃぃぃぃ!はい、お嬢様は朝起きると、サターン様の元に向かい、カーテンを開けておはようの口づけをしておりました。


 そして公爵様と食事をされた後、サターン様と公爵様の部屋に飾るお花を取りに行き、それぞれの部屋に飾られます。その後は公爵様と領地について話をしたり、公爵夫人になるためのレッスンを受けられたりしておられました。


 時にはレア夫人もいらっしゃり、一緒にお茶を楽しまれる事もありました」


「他には?」


「あとは、公爵様と一緒に領地に視察に行ったこともございます。もちろん私共使用人が常に傍におりましたので、公爵様と2人きりになる事はありませんでした」


「父上と2人きりにならない様に?その言い方だと、2人がまるで恋仲になっている様に聞き取れるのだが…マリオネットは父上に…」


 サターンの瞳か鋭くなり、黒から赤色に変化したのだ。その瞬間、恐怖から腰を抜かしそうになる使用人たち。


 額からは、滝のような汗が流れ出る。


「め…めっそうもありません。お嬢様は公爵様の事を、本当の父親のように思っていらっしゃいます。もちろん、サターン様のお父上という事で、尊敬しているという意味でございます。お嬢様は、サターン様一筋でございますから。


 毎朝と晩、サターン様の唇に口づけをしたり、毎日欠かさずサターン様の体を拭くなど、献身的な看護をしておりました。それに何よりも、お嬢様は基本的にこの部屋で過ごしておられました。


 1秒でも長く、サターン様の傍にいたかったのでしょう。社交界にもほとんど顔を出さず、ずっとサターン様が目覚めるのを待っていらしたのです。お嬢様は今も昔も、サターン様以外の殿方は、眼中にございません。


 それにどうやらお嬢様は、サターン様以外の殿方が苦手な様で、触れられるだけも震えが止まらなくなる様で。公爵様がお嬢様の幸せを願い、この屋敷から出ていく道を提案した時も、断固として拒否しておられました。


 たとえサターン様が一生目覚めなかったとしても、お嬢様はサターン様の傍を離れる事はないと!サターン様の傍にいる事が、ご自分の幸せだと考えておられました。それほどまでにお嬢様は、サターン様の事を愛しておられるのです。


 使用人や公爵様と仲良くしていたのもきっと、サターン様の大切な方たちとも仲良くなりたいという気持ちがおありだったのでしょう。お嬢様はどんな時も、サターン様の事を一番に考えておられたのです」


 ですので、どうか見苦しい嫉妬心はお捨てになられてください!と、都合の悪い事は心の中で呟く使用人。


「そうか…マリオネットはずっと俺の傍にいてくれていたのだな。毎日体を拭き、口づけをしていただなんて。可愛い子だな…」


 そう言うと、そっとシーツをめくり、口づけをする。チラリとピンク色の髪が見えたのを、使用人たちは見逃さなかった。


 やはりあれは、お嬢様だ。どうしてぐったりしているのだろう。もしかして、サターン様が魔法でお嬢様に何かしたのでは?


 心配そうに見つめる使用人たち。


「マリオネットは今、魔法で眠っているだけだから、心配しないでくれ。すぐに目覚めるだろう。マリネットの事を、色々と教えてくれてありがとう。もう下がっていいよ」


 やっとこの緊迫した空気から解放される、皆が一気に安堵に包まれた。


 ただ…


「そうそう、マリオネットに馴れ馴れしくする使用人がいる様だ。彼らに伝えてもらえるかい?マリオネットは主でもある、俺の妻だ。これからは使用人としての自覚をもち、責任のある行動をする様にと。


 その意味が分からない者は…いや、何でもない。もう行っていいよ」


 意味の分からない者は、どうなるのだ?もちろん、そんな恐ろしい事を聞ける猛者はここにはいない。


「はい、失礼いたしました」


 そう言うと、一目散に部屋から出ていく使用人たちだった。

※次回、サターン視点です。

よろしくお願いします。

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