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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第8話:私の大切な親友~レア視点~

「それで、あなたはどんな殿方がタイプなの?やっぱり優しい殿方?」


 顔を引きつらせているマリオネットに問いかける。


 私、レア・レティ・アンデルサンは、この国の第二王女として生まれた。歳の離れたお兄様とお姉様がいるが、2人とも既に結婚して子供もいる。


 歳が離れた妹という事もあって、両親や兄姉たちからは、とても可愛がられて育った。そんな私は、幼い頃からなぜか周りの目を気にする子だった。この国の王女たるもの、常に凛とし、周りに迷惑をかけてはいけない。


 そう思っていた。その為、大人たちからは物分かりがよい優秀な子供として見られていたが、同じ歳くらいの令嬢や令息たちからは、何を考えているのか分からない、一緒にいてもつまらないと陰口を言われていたのだ。


 気が付くと、同じ年頃の子たちは、皆私から離れていく。そんな中、ずっと私の傍にいてくれたのが、侯爵令嬢のマリオネットだ。


 人懐っこくて可愛くて、自分を持っているマリオネット。同じ歳の令嬢や令息からも非常に人気が高く、常に友人たちに囲まれていた。そんな彼女は、なぜか異様に私に懐いていたのだ。


 私を見つけると、飼い主を見つけた子犬の様に走って来ては、話し掛けてくれる。


 そして


 “レア殿下は私の大切なお友達ですわ”


 そう言ってくれるのだ。彼女のお陰で私は、少しずつ同じ歳くらいの令嬢や令息とも仲良くなっていった。そして最愛の婚約者、マリオネットの兄、マンドル様と仲良くなれたのも、マリオネットのお陰。


 そう、私にとってマリオネットは、かけがえのない親友なのだ。彼女がいたから、今の私の幸せがあると言っていいほどに…


 だから私は、マリオネットにも幸せになってほしい。そう強く思っているのだが…


 なぜかマリオネットは、恐ろしい魔力を持っているという噂の、サターン・ディーズ様を好きなのだ。どうしてよりにもよってあの男を…ディーズ公爵家といえば、王族の私達ですら恐れている貴族だ。


 もちろんサターン様自身が、マリオネットを大切に思ってくれているのなら、私も何も言わない。でも、彼はマリオネットに興味がないようで、彼女がどれほど話しかけても、見向きもしないのだ。


 万が一あの男の逆鱗に触れ、マリオネットが傷つけられたら…そう考えると、気が気ではない。それに何よりも、決して結ばれる事のない恋をし続けて、最後にマリオネットが傷つき悲しまないか、それが一番心配なのだ。


 マリオネットには、幸せになってもらいたい。いつも笑顔でいて欲しい。だからこそ、あの男に近づかせない様にしていたのに…


 ただマリオネットは、卒業後はあの男を忘れて、他の令息との結婚を考えている様だ。その話を聞いた時、私は嬉しくてたまらなかった。あんな恐ろしくて、いつマリオネットを傷つけるか分からない男などさっさと見切りをつけて、早く新しい殿方に目を向けてほしい。


 その為にも、今日のピクニックは絶好のチャンス。


 よく考えると私は、マリオネットの好きな殿方のタイプなど、全く知らなかったのだ。ずっと一緒にいたのに、大切な事を聞いていなかっただなんて。とにかく私が、マリオネットに合う殿方を見つけないと。


 そんな思いで、冒頭の質問をマリオネットにぶつけたのだ。


「そうね…私は、強くて優しい殿方かな…」


 俯き加減に呟くマリオネット。


「強くて優しい殿方ね。それじゃあ…」


 強くて優しい殿方?一体誰がいたかしら?一番最初に頭に浮かんだのは、マンドル様だけれど、彼は私の婚約者だ。それにマリオネットの兄だし。


 他には…


 ダメだわ、私、令息の事をあまり知らない…


「えっと…」


 どうしよう、誰かよさそうな令息は…


「レア、あなた、お兄様以外の令息には興味がないのでしょう。私もね、今はサターン様しか興味がないの。あなたの気持ちは嬉しいけれど、今はどうかサターン様を思わせてくれないかしら?卒業したら、ちゃんと考えるから」


 真っすぐ私を見つめるマリオネット。私もマリオネットの気持ちは、十分理解できる。けれど、どうしても未来のない相手を思い続ける彼女を見るのが辛いのだ。


 もし少しでもサターン様が、マリオネットに興味を持ってくれていたら…きっと私も、全力で応援できるのに…

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