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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第73話:これは夢?

 何だか眩しい、もう朝なの…それになんだか重い。何かが私の上にのっている様だ。


 ゆっくり瞼をあげると、辺りはまだ真っ暗だ。さっきの光は何だったのだろう。ふと隣を見ると、サターン様の顔が。もちろん、ガッチリ瞼を閉じている。


 そうか、私、サターン様の布団で寝たのだった。今ならまだ部屋に戻れば、使用人たちに怒られずに済むかな。


 でも…


 何だかものすごく眠い…重いと思っていたのは、サターン様の腕が私を包んでいたからね。もう、サターン様ったら、寝相が悪いのだから。でも何だか抱きしめられているみたいで、落ち着く。


 もうダメだ、眠すぎて意識が飛んでしまう。


 おやすみなさい、サターン様…


 がっちりサターン様にしがみつき、再び瞼を閉じ、眠りについたのだった。


 *****

「う~ん…」


 そろそろ起きないと、でも、まだ眠い。それに温かくて気持ちいい。


 無意識に温もりを求め、ガッチリしがみつく。この温もり、落ち着く。


 ただ、誰かが私の頭を撫でている。誰だろう、私の頭を撫でているのは…もしかしてまだ私は、夢の中にいるのかしら…


 次の瞬間、唇に温かな感触が。

 これは…夢ではない?


 ゆっくり瞼をあげると、そこには…


「サターン様?」


 こちらを向いてほほ笑み、私の頭を撫でているサターン様の姿が。私、まだ夢を見ているのかしら?


 この半年、1度もサターン様が、夢に出てきてくれる事なんてなかったのに。たとえ夢でも、サターン様がこうやって私を見つめてくれている…


 お願い、どうかもう少しだけ夢を見させて。


 そっとサターン様の頬に触れた。そんな私の手を、サターン様が握り口づけをする。サターン様が動いている、目を開いている。


 気が付くと涙が溢れていた。次から次へと涙が溢れる。そのせいで、せっかくのサターン様の顔が、ぼやけてしまう。必死に涙をぬぐおうとしたのだが…


「マリオネット、そんな風に顔をこすってはいけないよ。君の可愛い顔に、傷がついてしまう。それよりも、目が覚めたら君が隣で寝ていたから、びっくりしたよ。俺のベッドにもぐりこんでくるだなんて、可愛いね。


 俺はまだ、夢を見ているのかな?何だか頭がフワフワする」


 サターン様が、話しかけて下さったのだ。半年ぶりに聞く、サターン様の声。


「サターン様、どうやらここは、夢の中の様ですわ。この半年、ずっとあなた様が目覚めてくれるのを夢見ていたのです。きっと私の強い願いが、夢となって現れたのですね」


 サターン様に抱き着いた。するとそのまま抱きしめ返してくれる。温かい…夢の中でも、しっかり温もりを感じられるのね。


「マリオネット、今半年といったね?俺は半年もの間、眠っていたのかい?」


「ええ、そうですわ。あの後サターン様は意識を失ったのです。一命は取り留めましたが、ずっと目覚めなくて。だから今日、夢で会えたことが嬉しくてたまらないのです。


 サターン様、私達、本日正式に結婚する事になったのですよ。私もこれで正式に、サターン様の妻になれるのです。それから私…」


「待ってくれ、マリオネット。落ち着いてくれ!どうやら夢ではない様だ」


「え…夢ではない?」


 サターン様が、ゆっくりと体を起こした。私もつられて体を起こす。確かにここは、サターン様の部屋だ。


 という事は…


「本当にサターン様が、目を覚まされたのですか?本当に…」


 サターン様の顔を両手で覆う。サターン様の美しい黒い瞳と目が合う。本当にサターン様が目覚めたというの?


 こんな奇跡があるの?


「サターン様!!!」


 ギュッとサターン様に抱き着く。そんな私を、強く抱きしめてくれるサターン様。


「マリオネット、辛い思いをさせてしまったようだね。俺が目覚めない間、随分と心細い思いをさせてしまった事だろう。本当にすまない」


「謝らないで下さい。サターン様、あの時の約束、守って下さってありがとうございます。“絶対に死なない”という約束です。私はあなた様のその言葉を信じて、今まで生きてまいりました。


 いつかサターン様が目覚めてくれることを信じて」


 いつかサターン様が目覚めてくれる、そう信じていた。でも心のどこかで、もうサターン様は目覚めないのではないか…そう不安に思う事もあった。それでも今まで、必死に生きてきたのだ。


 サターン様の顔を見た瞬間、一気に今まで張り詰めていた糸が切れ、涙が溢れだす。


 まさか本当に、サターン様が目覚めてくれるだなんて…

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