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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第58話:帰ってきました

「「「マリオネット!!」」」


 次の瞬間、一気に景色が変わったと思ったら、お母様とお兄様、レアが飛んできた。そして強く抱きしめられる。


 ここは、王宮?


「見覚えのある景色が、視界に飛び込んでくる。


「マリオネット、よく帰って来てくれたわ」


「可哀そうに、煤と埃だらけじゃないか。服や顔にも血が付いているし。もしかして、怪我でもしているのかい?」


「無事でよかったわ。もしあなたに何かあったら、私は…」


 お母様とレアは涙を流し、お兄様は不安そうな顔をしている。


「お母様もお兄様も、レアも私を心配してくれてありがとうございます。私は怪我などしておりませんわ。ずっとサターン様が、魔力で守っていて下さっていたので。ですが、サターン様が…そうよ、サターン様は?」


 ふと辺りを見渡すと、サターン様の姿がどこにもない。公爵様も先ほどサターン様を運んで行った男性たちもいないのだ。


「サターン殿は、そのまま公爵家の屋敷に戻っているよ。それにしても、凄い戦いだったのだな。木々はなぎたおされ、地面は地割れを起こし、大きな岩が大量に転がっていた。まるで地獄のような場所と化していたよ。


 よくマリオネットが無事だったものだ」


 隣でお父様が呟く。


「ええ…それはもう、凄い戦いでしたわ。サターン様は、ただでさえデスモン様の激しい攻撃を受けていたのに、私を守り、ずっと気にかけて下さっていました。戦い後は心臓も止まってしまって…」


 一気に涙が溢れだす。


「今は何も話さなくていいのよ。辛かったわね。きっとサターン様は、大丈夫よ。あの人、あなたへの執着心は恐ろしいものだから。さあ、屋敷に戻りましょう。あなたも疲れたでしょう。私も付いていくから」


 私に寄り添ってくれるのは、レアだ。


「ありがとう、レア。でも今日は、卒業式でしょう?私は出られそうにないから、どうかレアだけでも出て。そして私に卒業式や卒業パーティの話を、沢山してちょうだい」


「何をっているの?あなたが大変な時に、卒業式になんて出られる訳がないでしょう。とにかく今は、マリオネットの傍に…」


「レア、君の気持ちは有難いけれど、君だって夜通し寝ずに待っていて、相当疲れているだろう。顔色も良くない。父上、母上、俺はレアを部屋まで送り届けたら屋敷に戻りますから、マリオネットを頼みます」


「ちょっと、マンドル…」


「レアちゃんは、ずっとマリオネットを心配していてくれたものね。レアちゃん、ありがとう。マリオネットも元気に戻って来たし、ゆっくり休んで。あなたにとっても、今日は大切な日なのだから」


「レア、あなたは私の最高の親友よ。お願い、今は休んで。もう私も大丈夫だから」


「分かったわ…マリオネット、どうかあまり無理をしないでね。きっとサターン様は、大丈夫だから」


「ええ、ありがとう」


 まだ心配そうなレアと、そんな彼女の肩をそっと抱くお兄様に見送られ、馬車に乗り込んだ。そして彼らに手を振った。よくみたら、沢山の貴族たちが集まってくれていた様だ。中には、クラスメイト達の姿も。


 皆私たちを心配して、集まってくれていたのね…卒業式を控えた、大切な日なのに…


 皆、ありがとう。心配かけてごめんね。


 集まってくれたクラスメイト達に、心の中でそっとお礼を伝える。いつか落ち着いたら、改めて皆にこの気持ちを伝えよう。


 ただ、今は…


「お父様、お母様、ご心配をかけてごめんなさい。サターン様が心配なので、どうか私をこのまま公爵家に送り届けて下さいませんか?きっとかなり危険な状況の様です。


 もし今この瞬間に…そう考えると、気が気ではないのです」


 サターン様が血を流してぐったりと倒れ込む姿、今でも脳裏にはっきりと焼き付いている。今こうしている間に、もしもの事があったら…そう考えると、気が気ではないのだ。


「マリオネットの気持ちは、十分に理解している。だが…今その格好で公爵家に向かうのはどうだろう。逆に公爵家の方たちに、迷惑をかけるのではないのかい?」


 お父様に言われ、改めて自分の姿を確認した。真っ白だったネグリジェは、すすや灰で汚れている。手も血とすすが付いている。今まで薄暗いところにいたため、気が付かなかったが、明るい馬車の中では、かなり汚れが目立っている。


 そもそも私、ネグリジェ姿だ。とても外に出られる状況ではない。確かにこの状況で、公爵家には行けない。


 でも…

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