表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/94

第55話:愚かな自分

「サターン殿、吐血している様だが、大丈夫かい?このままだと君は、命を落とすよ」


「あなた様だって、かなり出血しているではありませんか。もうそろそろ、限界なのではありませんか?それから、1つ伝えておきます。俺は絶対に死にません。マリオネットをこの世に残して死ぬだなんて、考えられない。


 俺はこう見えて、執着心の強い男なのですよ。マリオネットの傍にいるためなら、俺はどんな手を使ってでも生きる。その為にも、あなたをここで抹殺する必要があるのです」


 そう叫ぶと、ゆっくりと首だけ私の方を向いたサターン様。


「マリオネット、君は俺の為に今、ぺスタナ殿下の元に嫁ごうと考えているだろう。だが、そんな事はさせない。俺は君がいないと、もう生きていけない。君が傍にいない世界など、俺にとって生きる意味のない世界なのだよ。


 俺は絶対に死なない、生きてあの男を倒す。だからどうか、俺の事を信じてくれ」


 サターン様の真っ赤な瞳から、1筋の涙が流れた。サターン様が泣いている…私のせいで…彼は何でもお見通しなのね。私はどこまで愚かなのだろう…結局彼を傷つけてばかりだ。


 溢れる涙をスッとぬぐうと、真っすぐサターン様の方を見た。


「サターン様、ごめんなさい。私、あなたを信じて待っていますわ。もう二度と、ぺスタナ殿下の元に嫁ぐなんて馬鹿な事は考えません。ですからどうか、デスモン様に勝って下さい。


 勝って卒業式に行きましょう。私、サターン様と一緒に卒業パーティに出る事を、楽しみにしているのです。それに卒業式の翌日には、ディーズ公爵家で一緒に私も暮らしだすことが決まっているでしょう?


 私、サターン様と一緒に食事をしたり、お茶をしたり、一緒に眠るのを楽しみしているのですよ。楽しい事がこれから沢山待っているのですから」


 必死にサターン様に向かって叫んだ。


「そうだね、マリオネットとの暮らしを考えると、今からワクワクするよ」


 うっとりとほほ笑むサターン様。


「そんな腑抜けた顔をしていて、大丈夫なのですか?そろそろ体力的にも厳しそうですので、決着を付けましょう」


 そう言うとデスモン殿の手から、今までに見た事のないほど大きくて早い靄が飛び出したのだ。


「危ない!サターン様」


 あまりにも大きな力に、心臓が止まりそうになる。あんなにも大きな力がサターン様に直撃したら…


 ダメよ、弱気になったら。サターン様ならきっと、大丈夫。だって彼は誰よりも強い人だから。私が信じなくて、どうするの?



 必死にデスモン様の魔力を受け止めるサターン様。


 神様、どうかサターン様をお守りください。どうかお願いします。必死に手を合わせる。


 その時だった。


 サターン様の手から、今までとは違う眩いばかりのオレンジ色の光が、ものすごい勢いを伴って放出されたのだ。


「何だ、この光は。あり得ない!通常魔力とは、真っ黒いものだ。それなのに、こんな光を伴う魔力など、存在しないはず!一体何が!!ぎゃぁぁぁぁぁ」



 サターン様の放った膨大なオレンジ色の光は、一瞬にしてデスモン様を包み込んだと同時に、ものすごい爆風が吹き荒れる。その威力はすさまじく、辺り一面砂ぼこりで全く見えない度に。


「サターン様!」


 あれほどまでの魔力を使ったサターン様、大丈夫なのだろうか?


 次の瞬間、私を守っていた壁がなくなったのだ。自由に動けるようになったと同時に、一気に砂埃が襲う。


「ゴホゴホ…何なの、ここは…」


 こんな過酷な環境で、サターン様はたった1人で戦っていた。そう思うと、涙がこみ上げてくる。だが、今は泣いている場合ではない。


「サターン様、どこですか?サターン様」


 必死にさっきまで戦いが行われていたであろう場所に向かって、歩みを進める。どうして返事がないの?どうして私を守っていた壁がなくなったの?


 一気に不安が襲う。


 そして少しずつ砂煙が落ち着き、辺りの景色が見えるようになった時だった。サターン様の姿が、目に飛び込んできたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ