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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第54話:止めて!!

「こっちだって、あなたに負けるわけにはいきません。マリオネットは誰にも渡さない!それに何よりも、彼女に悲しい思いをさせない。俺は絶対に負けない。貴様なんかに!


 マリオネット、この様な戦いに君を巻き込んでしまってすまない。すぐに君を侯爵家に帰してあげたいのだが、生憎あの男に結界を張られていて、戻してあげられそうにない。大丈夫だ、俺が必ず君を守る。


 だからどうか、俺の事を信じてくれるかい?」


 真っすぐ私を見つめるサターン様の瞳。あぁ…彼はもう、デスモン様と戦う事を決めているのだろう。本当は戦ってほしくない。でも…


 きっと私が泣いて止めても無駄だろう。本当は戦ってほしくない。逃げて欲しい。


 でも、そんな事は、絶対にサターン様はしないだろう。


「ええ、サターン様の事を、信じて待っておりますわ。ですが、どうかご無理をなさらないで下さい。必ず生きて戻って来てください」


 必死に笑顔を作り、彼に伝える。今の私が出来る事は、これくらいだ。


「ありがとう、マリオネット。危ないから下がっていてくれ!」


 サターン様がそう叫ぶと、ものすごい速さでデスモン殿の方に向かって行った。


「それでは戦いを始めましょうか。1分でケリを付けてさしあげましょう」


「それは俺のセリフだ。無駄話は俺には必要ない!」


 その瞬間、サターン様とデスモン様の手から、黒い靄の様なものが出た。お互いの靄がぶつかり合い、周りはすごい風が吹き荒れている。


 周りの木々は吹き飛び、地割れが起こる。物凄い風の音と、地割れの凄まじい音が辺り一帯を包み込む。


 まるで地獄にいる様な光景だ。きっとサターン様とデスモン様の魔力が、ぶつかり合っているのだろう。素人の私でもわかる、彼らがものすごい魔力を使っている事くらい。


 これほどまでにすさまじい光景が目の前に広がっているのに、私の周りは全くの無風。木々が飛び交っているのに、私の近くに飛んでくることはない。きっとサターン様が、魔力で私を守ってくれているのだろう。


 ただでさえデスモン様との戦いで魔力を使っているのに、私を守るためにも魔力を使っているだなんて。いくら何でも、負担が大きすぎる。


「サターン様、どうかお止め下さい。その様に魔力を使っては、お体に悪影響です」


 必死に叫び、近づこうとするが、なぜか目の前に見えない壁の様なものがあり、動けない。


「マリオネット、危ないよ、こっちに…痛っ!!」


 いつの間にか近づいて来ていたぺスタナ殿下が、私の傍まで来ようとした時、バチバチという音が鳴り響いたのだ。まるで私の周りに、電流が流れているみたいに。


「貴様、マリオネットに近づくな!マリオネット、そこで大人しくしていてくれ。すぐに決着をつけるから」


 そう言うと、にっこりとほほ笑んだサターン様。その瞳は真っ赤に染まっている。どうしてサターン様の瞳が真っ赤に染まっているの?まさか目が充血しているの?


 正直私にはよくわからない、でも、なんだか良くない状況なのは確かだろう。


 よく見ると、魔力を放出していると思われる両手からは、ポタポタと血が流れ落ちている。


 さらに次の瞬間、サターン様が吐血したのだ。このままだと、本当にサターン様のお命が危ない。


 お願い、サターン様。もう止めて!このままでは、サターン様のお命が持たない。


 今ならまだ間に合う?私がぺスタナ殿下の元に嫁ぐと言えば、サターン様の命が助かるかもしれない。サターン様が生きてさえいてくれたら、私は何もいらない。


 そうよ、サターン様は、私の全て。彼の為なら、私だって何でもできる。


 この戦いを今すぐ終わらせよう。そう思い、叫ぼうとした時だった。

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