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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第51話:家族団らんの時間です

「マリオネット、お帰りさない。今日は随分と早かったのね。それに1人で帰ってきたの?」


「ただいま戻りました、お母様。はい、サターン様は用事がある様で。それに明日はいよいよ卒業式でしょう?明後日にはこのお屋敷を出ていくし、私も色々とやらなければいけない事がありますので」


「明日はいよいよ卒業式ね。マリオネットが愛する人と結ばれた事は本当に喜ばしい事だけれど、明後日にはあなたがこの家を出て行ってしまうと思うと、寂しいわね」


 寂しそうに笑うお母様の顔を見たら、なんだか胸が締め付けられる。そっとお母様に近づき、抱きしめた。


「離れて暮らしていても、私はずっとお母様の娘ですわ。それにいつでも帰って来られるのですから」


「そうね、他国に嫁ぐわけではないし、いつでも会えるのよね。私ったら、変な話をしてしまってごめんなさい。さあ、屋敷に入りましょう。明日の夜は卒業パーティがあるから、家族でゆっくり食事が出来るのも、今日で最後でしょう?


 今日はあなたの好物を、沢山準備したのよ。それにお父様もマンドルも、早めに帰って来ると言っていたし。4人でゆっくりと夕食を頂きましょうね」


「まあ、お父様とお兄様も早く帰ってくるのですか!最近お忙しい様で、毎日夜遅かったですものね。久しぶりに皆で食事が出来るのですね」


 ここ1ヶ月くらい、2人ともかなり忙しかったようで、ずっとお母様と2人で食事をしていたのだ。最後に家族4人で食事が出来るだなんて、嬉しい。


 自室に戻り、着替えを済ませる。明日は卒業パーティやら何やらで、ゆっくり家族と過ごすことも出来ない。そう考えると、今日が家族で過ごす最後の夜になるのだろう。


 もしかしたらその事を理解していたお父様とお兄様が、何とか時間を作ってくれているのかもしれない。


 2人には忙しい中、無理をさせてしまって申し訳ない。とはいえ、わざわざ私の為に、仕事を切り上げて帰って来てくださるのだ。その気持ちを素直に受け止め、今日は家族で過ごす最後の時間を楽しもう。


 着替えを済ますと、お母様と一緒にお父様とお兄様の帰りを待つ。


 しばらく待っていると、侯爵家の馬車が入って来た。どうやら2人とも、一緒に帰って来た様だ。


「おかえりなさい、お父様、お兄様」


「ただいま、マリオネット。君が迎えてくれるだなんて、珍しいね」


「今日は家族で過ごす、最後の日なので。それよりもお父様もお兄様も、私の為に早く帰って来てくださり、ありがとうございます」


「そんな事は気にしなくてもいいのだよ。それに、ある程度の準備は終わったからね」


「ある程度の準備?」


 お父様が、何やら意味深な事を言っている。


「マリオネットには関係のない事だよ。それより、お腹がペコペコだ。さあ、食事にしよう。マリオネットは母上と一緒に、食堂で待っていてくれるかい?俺と父上は、着替えてくるから」


 私の背中を押しながら、そう言ったのはお兄様だ。


「私もお腹ペコペコです。それでは先に食堂に行っていますね。行きましょう、お母様」


 お母様の手を引き、食堂へと向かう。こんな風にお母様の手を引くのは、いつぶりだろう。いつの間にかお母様の手、小さくなってしまったような気がする。


 いいや…私が大きくなったのだろう…


「マリオネットの手、ずいぶん大きくなったわね」


 お母様も同じことを思ったのか、ポツリと呟いた。


「私ももう15歳ですから。大きくなっても、お母様の子供ですわ」


「甘えん坊なのは昔からね」


 そう言ってお母様が笑ったのだ。私もつられて笑う。


「何を2人で、楽しそうに笑っているのだい?先に食堂に行ったはずなのに、まだこんなところにいるだなんて」


「本当だね、急いで着替えて来たのに、まだこんなところにいるだなんて」


 後からやって来たお父様とお兄様が、そう言って笑った。そんな2人の腕を掴む。


「お母様に、久しぶりに甘えていたのですわ。お父様、お兄様、私、ずいぶん大きくなったでしょう?」


「ああ…そうだね。ずいぶん大きくなって。明後日には、この家から出て行ってしまうのだね」


 お父様が目頭をそっと抑えた。その姿を見た時、胸が締め付けられる。


「父上、別に他国に嫁ぐわけではないし、いつでもマリオネットには会えるのですから。マリオネット、あまり父上を泣かすような事は、言わないでくれ。ただでさえ、最近涙もろいのだから」


 お兄様がため息をついている。お父様が涙もろいですって?ほとんど泣いたところなど、見た事がないのだが…


「マンドル、余計な事は言うな!とにかく、食事にしよう」


 お父様が、急に速足で歩きだしたのだ。そんなお父様を見たお母様とお兄様が、クスクスわらいながら後を付いていく。私も急いで皆の後に続き、食堂に向かったのだった。

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